私たちが暮らす社会には、破局や離婚を失敗とみなす傾向があります。しかし恋愛関係が終わっても、見方によれば、それは失敗ではありません。短い火遊びのような関係が双方にとっていちばん良い場合もあります。長い結婚生活の終わりが、新しいはじまりのチャンスである場合もあります。それにどの恋愛関係も、それまで知らなかったことをあなたに教えてくれます。

もちろん、恋愛関係を終わらせるのは簡単ではありません。多くの場合、それには大きな苦痛がともないます。でも、その決断が結局は、いちばん良い結果をもたらしてくれるかもしれないこともたしかです――あなたにとっても、相手にとっても。

愛に合否はない

哲学系YouTubeチャンネル『The School of Life』で述べられているように、もし愛が本物なら、純粋なら、その愛はいつまでも続くはずだと多くの人が思い込んでいます。「真実の愛」とは、終わることのない永遠の愛なのだと。では、どちらかが亡くなる前に終わってしまうような関係は失敗であり、心の大惨事とみなされるべきなのでしょうか? 違います。

愛に合否はありません。あるのは始まりと終わりだけです。それは、仕事を辞めて、もっと自分にふさわしい職業がほかにないか確かめるのがいちばん良いと判断したせいで、キャリアに傷がついてしまったと言っているようなものです。

Image: The School of Life

別れの中にも学ぶものはある

私たちは「生涯にわたるラブストーリー」という考え方を支持し、それを究極の目標にします。そして、多くの人がそこへの到達を急ぎます。私たちは、本当の満足感を与えてくれるものを知る自由を自分に与えようとしません。

1つには、物事には妥協が不可欠であることを知っているからですが、パートナーに何を求めているのか(あるいは、そもそも求めているのかどうか)がよくわからないからでもあります。それを教えてくれるのは短い恋愛関係です。結ばれ、学び、それが正しければ2人の関係は続き、間違っていれば終わります。でもどの終わりも、知識をあなたに与えてくれます。それは、より良く、より力強い始まりを将来探す時に役立つ知識です。

これまでに交際した人全員を思い返してみてください。きっと、どの人との交際中にも、あなたが気づいた大切なことが少なくとも1つはあるはずです。それは、あなたがもっと愛情にあふれ、小さなことにもっと気を配ってくれる人を必要としているということかもしれません。あなたは無感動な安定ではなく、野心にひかれるということかもしれません。あるいは、あなたがきちんとした人であり、だらしない人といっしょにいるのが耐えられないという、ただそれだけのことかもしれません。

物事がうまくいかなくなるたびに、こうした小さな悟りが得られれば、それは成功なのです。自分の感情や周囲からのプレッシャーのせいで、すぐにはそんな風に思えないかもしれませんが、そうなのです。だから絶望しないでください。やがては、終わることのない恋愛関係をはじめられるかもしれません(そのチャンスはいつでもあります)。

でもそれまでは、自分自身のことや、自分がパートナーに望むことを理解すれば、それで十分なのです。


Image: The School of Life

Source: YouTube

Patrick Allan - Lifehacker US[原文