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「Googleはパブリックドメインの技術を特許取得で侵害しようとしている」と開発者本人が主張

by Niharb

Googleは「ぬいぐるみ」や「無料送迎タクシー」といった、さまざまな分野に関する特許を取得しています。そんなGoogleが申請した「ビデオのデータ圧縮技術」の特許について、「パブリックドメインの侵害だ」として非難する声が挙がっています。

Inventor says Google is patenting work he put in the public domain | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2018/06/inventor-says-google-is-patenting-work-he-put-in-the-public-domain/

Google Accused of Trying to Patent Public Domain Technology
https://www.bleepingcomputer.com/news/google/google-accused-of-trying-to-patent-public-domain-technology/

Googleが申請したのは「非対称数値システム(ANS)」と呼ばれるデータ圧縮技術を使用した、ビデオのデータ圧縮アプリケーションの特許です。Googleは「ANSの技術にGoogleエンジニアによる追加作業を反映したものである」と主張していますが、ANSの発明者であり、ANSをパブリックドメインとして登録した本人でもあるポーランドのヤギェウォ大学准教授のヤロスワフ・ドゥーダ氏は、「Googleの特許には何一つ発明と呼べるものはない」と反論しています。


ドゥーダ氏は2006年から2013年にかけて、従来の圧縮技術に比べて非常に素早く圧縮と解凍が可能なANSを開発し、パブリックドメインとして登録して自らの特許権を放棄しました。ANSは計算コストやデータの損失を低く抑えつつ、素早い圧縮と解凍速度を提供する画期的なデータ圧縮技術であり、FacebookやAppleといった大企業も積極的にANSを採用しています。

ANSを開発してパブリックドメインに登録したドゥーダ氏は、その後ANSを広めるため、インターネット上のフォーラムにANSについての記事を投稿したり、企業の技術者らとやり取りしてきたとのこと。2014年にはGoogleの技術者とも電子メールでやり取りを行い、その電子メールの中で今回Googleが特許を申請したビデオ圧縮アプリケーションの理論についても、ドゥーダ氏がGoogle側に提案したものだったと欧州特許庁は認めています。

by Brook Whitney

Googleは今回の特許申請はANSのパブリックドメインを侵害するものではないとしていますが、ドゥーダ氏は「Googleの特許は単にANSをビデオデコーディングに使用しているだけだ」と述べ、Googleの特許は認められるべきではないとの立場を崩していません。

ドゥーダ氏がANSのパブリックドメインを維持する姿勢には、所属するヤギェウォ大学も賛同しており、発明を擁護するための公的支援を約束しています。「GoogleはANSが誰でも合法的に使用することができることを保証し、ANSに関する特許の取得を断念するべきです」とドゥーダ氏は述べています。

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in ソフトウェア, Posted by log1h_ik

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