成功者に共通する要素として本をたくさん読んでいることが挙げられます。その例にもれず読書家として知られるビル・ゲイツ。彼が恒例の夏休みのお薦め本5冊を発表しました(ちなみに、アメリカの夏休みは5月末から6月初めにスタートします)。

1.『Leonardo Da Vinci』ウォルター・アイザックソン著

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ビル・ゲイツがトップに挙げたこの本を見て、一番驚いたのはまたアイザックソンが伝記本を書き上げたということ。アイザックソンといえば、2011年発表の『スティーブ・ジョブズ』が有名で、映画にもなりました。それ以前には、2003年にはベンジャミン・フランクリン、2007年にはアインシュタインの伝記を発表しています。

2014年にはデジタル時代の天才たちについて書いた『Innovators: How a Group of Hackers, Geniuses, and Geeks Created the Digital Revolution』を、そして2017年には『Leonardo Da Vinci』と、3、4年ごとにヘビー級の伝記を発表し続けているんです。

ハーバード大卒、新聞記者からCNNの社長、伝記作家の第一人者へと、彼の経歴そのものも伝記にふさわしい。誰かアイザックソンの伝記を書いてくれないかしら。わたし、ぜったい読みます。どこから彼のひらめきはやってくるのでしょうか。アイザックソンさん、ご自分で書いてくれてもうれしいです。

話はそれましたが、このダ・ヴィンチの伝記が発売前から評判になっていたのは、すでに映画化権がレオナルド・ディカプリオのプロダクションに獲得されていたことからもわかります。ディカプリオが製作、主演の予定。また「観る前に読むか、読んでから観るか」と悩むのですが、これは先に読むのがいいような気がします。

ビル・ゲイツいわく、アイザックソンはさまざまなソースからダ・ヴィンチ像を作り上げ、なぜ彼がルネッサンスマン(知識や才能が豊かで多岐にわたっている人)だったかを鮮やかに描いているそうです。

2.『Factfulness』ハンス・ロスリング著/オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンルンド共著

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2017年2月に亡くなったスウェーデンの公衆衛生学者、ハンス・ロスリングの著作『Factfulness』。息子夫婦の名前が共著になっているのは、18年におよぶ3人のコラボレーションの結集だからだとハンスが本のはじめで述べています。

今年4月に出版されて以来この本を薦めまくっているというビル・ゲイツは、次のような推薦文を寄せました。

これまでで読んだ本の中でもっとも重要な一冊。世界について明快に考えるためには欠くことのできないガイドである。(本の表紙より引用翻訳)

One of the most important books I’ve ever read – an indispensable guide to thinking clearly about the world.(原文)

と言われては読まずにはいられず、アメリカ在住のわたしは地元の図書館でさっそく借りてきました。世界を4つの生活レベル分けて提示しているデータはグラフや画像などでわかりやすく、また読みやすい構成になっています。

自分の持っている世界観が覆されそう。よりグローバルな視野が示されます。

3.『Origin Story: A Big History of Everything』デヴィッド・クリスチャン著

アメリカでは5月22日に出たばかり、オーストラリアの歴史家、デヴィッド・クリスチャンの最新作『Origin Story: A Big History of Everything』。

『Factfulness』が地球レベルなら、宇宙視点で歴史を語るのがこちらの本。同じテーマでクリスチャンが手がけた「The Big History」という無料のオンライン講義もあります。この本は講義の復習でもあり、初めての人には講義も薦めています。動画と本の両方から138億年の歴史を学ぶのもいいかも。

4.『Everything Happens for a Reason and Other Lies I’ve Loved』ケイト・ボウラー著

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デューク神学校で教鞭を執るボウラーの著書『Everything Happens for a Reason and Other Lies I’ve Loved』。彼は、2015年、35歳のときにステージ4の大腸ガンという診断を受けました。なぜ自分に? 苦しみは神からの試練? 闘病で考えたことを綴ったメモワールがビル・ゲイツの琴線に触れました。ボウラー助教授は現在も治療しながら執筆や講義を続けています。

5.『Lincoln in the Bardo』ジョージ・ソーンダーズ著

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ジョージ・ソーンダーズによる『Lincoln in the Bardo』。タイトルから伝記かと思ったのですが、歴史小説です。166のゴーストが語るというユニークな視点からアメリカ合衆国第16代大統領のエイブラハム・リンカーンの生涯が描かれます。

梅雨の休日にじっくり読書する

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この数年、ビル・ゲイツお薦めリスト入りした本を何冊か読んできましたが、とくに今回のリストはそそられました。日本はもうすぐ梅雨。外出したくない休日はじっくり読書に費やしてもいいですね。

※今回ご紹介した5冊は新刊のため和訳本は6月現在まだ発売されていません。

Source: 5 books worth reading this summer,Gates Notes,Variety

Image: JStone/Shutterstock.com