地球の生きとし生けるものを、炭素換算量に基づいたインフォグラフィックで比べてみる

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  • author たもり
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地球の生きとし生けるものを、炭素換算量に基づいたインフォグラフィックで比べてみる
Image: Sudowoodo/Shutterstock.com

ヒトは全生物の1%にも満たない存在。

70億人以上と言われる世界人口。その膨大な数に「地球は人間であふれかえっているんじゃないか」と思ってしまいそうですが、バイオマス(生物体量)的にみれば、むしろその逆であることがわかります。米国科学アカデミー紀要(PNAS)は地球上のバイオマスの実態調査を行ない、その結果を発表。彼らは地上のバイオマスの構成を整理するため、あらゆる生物がばら撒いた炭素換算量、550ギガトンの比率を分析したのです。

このデータをもとに、Voxが地上の全生物を炭素換算量別に視覚化しました。Voxの総合編集長であるエズラ・クレイン(Ezra Klein)さんのTwitterでは、その一部が紹介されています。

画像の大きなブロック1個あたり10ギガトン。原生生物や古細菌、菌類にバクテリアなどのかたまりがありますが、最も多いのは植物で450ギガトン。全生物の8割を占めています。

ヒトはというと、植物の右下にひっそりと添えられていました。炭素換算量は0.06ギガトンで、植物と比較すると7500分の1、動物全体(2ギガトン)と比べても33分の1。バイオマス的に見ると、人間の割合なんて微々たるもの。

それでも私たち人類の爆発的な増加は、ほかの生物たちが大幅に減少する原因となっているのです。インフォグラフィックを制作したVoxが注目したように、PNASの論文では現在、人類誕生以前と比べて陸生と海生、双方のバイオマスが減少したと推論しています。それだけでなく、論文には文明が始まる前と比べて植物のバイオマスも半分に減ったという記述も…。ほかの生物のインフォグラフィックも気になる方はコチラを見てみてくださいね。

地球全体のうちの割合に反して、人類がほかの生物に与えてしまったダメージの大きさを考えると、我がことながら何だかゾッとするものがあります。


Image: Sudowoodo/Shutterstock.com
Source: PNAS via Vox, Twitter

(たもり)