ネット中立性が撤廃、でもこれで終わったわけじゃない! 抗い続ける人たち

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  • author Rina Fukazu
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ネット中立性が撤廃、でもこれで終わったわけじゃない! 抗い続ける人たち
Image: Michael Candelori/Shutterstock.com

戦い続ける人たちがいる限り。

2017年12月にアメリカ連邦通信委員会(FCC)ネット中立性の撤廃を決定してからも、「自由でオープンなインターネット」を守ろうとする動きは続いています。つい先日の6月11日、正式にネット中立性は失効しましたが、現在はまだ生命維持装置につながれているような状態。今も、ネット中立性の撤廃を覆そうとする人々の動きが注目されています。

ネット中立性の撤廃にかかるプロセスは、月日をかけゆっくりと進んでいきました。電気通信法「タイトル Ⅱ」保護を廃止するというFCCの投票結果を受けてから、連邦官報に適用されたのが今年4月、そしてついに発効を迎えました。

CNETによれば、FCCのアジット・パイ(Ajit Pai)委員長は「新たな規制枠組みが自由でオープンなインターネットを保護し、より多くのアメリカ国民により多くのデジタル機会を提供する」と、喜びを明かしているとのこと。

ただ、多くのアメリカ国民が「ネット中立性が投資を抑制し、インターネットサービスの選択肢を狭めている」という主張に根拠はないものだと非難しています。4月に行なわれたある調査では、86%ものアメリカ人回答者がインターネットの高速レーンで特定のWebサイトへのトラフィックを選択的に抑制を促すこの動きに反対したという結果が出ています。

ネット中立性を守ろうとする法的闘争も、まだ終わっていません。現在、ネット中立性撤廃の阻止を求める23の州司法長官によって、各地で訴訟が起こっているのです。さらに市長100名がネット中立性の保護を脅かしているISP(インターネットサービスプロバイダ)との仕事を拒むことを約束しました。

独自の法律を制定することで、国への波及効果を狙う州の動きもあります。カリフォルニア州では、ネット中立性に近い新たな法律が州議会で通過させようとしていたり、ニューヨークでも同様の動きがみられています。このふたつの大きな州が動けば、国全体に大きな影響を与えることは間違いありません。ですが、ISP側と新たな法的闘争が生まれる可能性も否めないでしょう。

さらに、連邦レベルでは5月に上院が議会審査法に基づき規制撤廃の無効をめぐる裁決を行ない、可決に至っています。このときは当初の予想よりも多くの共和党員が民主党に加担しましたが、次のプロセスである下院を通過するためには、民主党は投票に参加する20名以上の共和党員をさらに説得する必要があります。

民主党のジェシカ・ローゼンワーセル(Jessica Rosenworcel)連邦通信委員は、次のようなコメントを米Gizmodoに残しています。

連邦通信委員会によるネット中立性の撤廃によって、インターネットプロバイダーは公認で技術力やわたしたちがオンラインで見たり学ぶことをコントロールできるビジネス上の優位性を手にしたわけです

同氏はまた、国家の多面的な法的契機によって、この戦いがまだ終焉から遠いとの考えも明かしています。

わたしたちはまだ諦めていません。わたしたちの未来がかかった、あまりに重要なことですから


Image: Michael Candelori/Shutterstock.com
Source: FCC

Rhett Jones - Gizmodo US[原文
(Rina Fukazu)