水圧で宙に浮く!水属性の機龍っぽい消火ロボット「ドラゴンファイヤーファイター」

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水圧で宙に浮く!水属性の機龍っぽい消火ロボット「ドラゴンファイヤーファイター」
Image: Kazumichi Moriyama/YouTube

水圧で暴れる龍を抑える技術がカギなんです。

ひとたび火事が起こると、建物の中に入って消火活動をするのは大変困難なことです。消防隊の安全のためにも、とにかく外から放水するしかないだろうと思います。

なので東北大学田所研究室では、建物の中に外から首を突っ込み、より確実で安全に火元を直接消火する龍を開発しているんです。

それが水圧で宙に浮く消火ロボット、「ドラゴンファイヤーファイター」

Video: Kazumichi Moriyama/YouTube

強烈な水圧で宙に浮くフライボードみたいですよね。ひとたび首を突っ込めば、左右やちょっとした上下移動も可能なようです。

ではこの水龍消防士が、間近で消火活動をする様子を見てみるとしましょう。

Video: Kazumichi Moriyama/YouTube

「ドラゴンファイヤーファイター」は、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)「タフ・ロボティクス・チャレンジ」で作られたものです。

大規模火災でも火元を直接鎮火できれば、そのごの消火活動も早く終わるのだそうです。なので人が入れない場所でも、遠隔操作で分け入っていけるロボットなら便利だとなったわけです。

ドラゴンは水噴射による反力で浮かぶため、地面がなくても浮かびます。なので使用は地上階に限らず、はしご車などの取り付けて高層階でも活躍できるように考えられています。

安定して浮かんでいられるのは、普通なら水の噴射で暴れるホースを制御できる技術が確立できたから。そのために流体力学や重力などを考慮した、複雑な計算の上が採り入れられているのです。

映像のロボットは試作品なので、全長はおよそ3m。そして先端には前方カメラ、赤外線カメラ、熱画像カメラ、先端位置推定技術が搭載され、噴射される水量は毎分200Lとのこと。さらに将来的には連結して長くなるそう。また、ロボットが自分で熱源を感知し、自動で消火活動をするよう改良を加えていくとのことです。

今後は最大20mくらいの長さのドラゴンをつくり、3年以内に現実の火事現場に近い環境でテストを行なうそうです。いつか火事の現場でお目にかかる日が来るかもしれませんね。


Image: YouTube
Source: YouTube (1, 2), ロボスタ

岡本玄介