Konifar's WIP

親方!空からどらえもんが!

Kyashに入社して半年くらい経ちました

早いもので、2017年12月にKyashに入社してから半年が経ちました。

最近は 「勢いある」「Kyashよさそう」と言っていただくことも増えてありがたいなぁと思うと同時に、中にいるとちょっと過大評価されているなと感じることもあります。

自分自身も後で見返せるように、実際どうなの?という話を自分の視点から書いておこうと思います。Kyash実際はこんな感じなんだーというのがなんとなく伝われば嬉しいかぎりです。

ちなみにこういう話は思いもしないところ思いもしないツッコミを受けるものなので結構緊張しています。何か気になる表現があれば@konifarまで直接連絡をもらえるとありがたいです。

入社直後の感想

2017年12月に入社した時、Kyash社内はめちゃくちゃ忙しい時期でした。開発もマーケも全員修羅場で、「オッやっとるな」という感じでした。

自分が入った時にすでに佳境だったので、そのプロジェクトに関わらない方がうまく回るだろうとは思ったんですが、なんとなく祭りに加われていない感じが寂しかったので 「あぶれてるAndroidのタスクは全部やるんで適当に投げてください」みたいな感じでSlackでコメントしたりしていました。

あぶれていたタスクの1つとして、39円を送った時のアニメーションを実装してリリースしました。今のKyashは決済を強化していく方針ですが、当時は送金を訴求しようぜという方針だったんですね。

このアニメーションは今でも評判がよくて、2ヶ月後のDroidKaigi登壇の時にも色んな人から39をいただき、リリースしてよかったなーとしみじみ思いました。

余談ですが、実は3月くらいに 「花見の時期だなぁ。桜のアニメーション入れたいなぁ」みたいなことを話していたら「それいいじゃん入れようぜ」と盛り上がり、桜アニメーションも実装してリリースしています。気になった方はメッセージ欄で色々試してみてください。

オフィス移転のタイミングでは、@mhidakaさんからドラえもんのぬいぐるみのプレゼントをいただき、とても嬉しかったです。今でも守護者のようにオフィスを見守っています。よく場所が移動しているので夜な夜な動いているのかもしれません。

Yusuke Konishiさん(@konifar)がシェアした投稿 -

送金から決済訴求へ

大きなプロジェクトがひと段落したタイミングで、 「送金訴求から決済訴求に変えていくぞ」と事業の方針が変わりました。リリースから8ヶ月ほど運営してきた結果として、まずは送金してもらおうという攻め方だと登録から利用までのハードルが高くなかなかユーザーに浸透しないことがわかってきたからです。価値の移動を簡単にするというミッション自体は変わっていませんが、まずはユーザーに使ってもらえなければ始まらないので攻め方を補正したというわけですね*1

決済訴求と聞くと 「送金も決済もできるって今までと同じじゃないの?」と思われるかもしれません。たしかにできること自体は変わらないのですが、サービスの設計はがらりと変わります。わかりやすいところで言えば、アプリを開いて最初に見せるメッセージは 「簡単に割り勘できる」ではなく 「簡単にカードを発行してネットでお買い物もできる」「友だちに送ることもできる」というストーリーに変わります。

ここはデザイナーからするとものすごい変更らしく、日々ウンウンと頭を悩ましながらユーザーインタビューとサービス設計を繰り返していました。最終的に3月初めにウォレット化という形でデザインを一新しまして、詳しい設計の話は以下の記事にまとめられています。

careerhack.en-japan.com

このウォレット化の時は、デザイナーがすべての画面のデザインを開発前に用意してくれたことにびっくりしました。

自分は今までざっくり決まった仕様とデザインをもとに細かい部分を補完しながら実装していたんですが、Kyashではデザイナーがほぼこのまま実装すればよいというところまでデザインを作ってZeplinに上げてくれます。あとは違和感を感じた部分をすり合わせて仕上げるだけです。最初は「デザイナーがここまでやってくれるのか…!こんなに甘やかされた状態に慣れてしまってこの先大丈夫だろうか…」と少し不安になったくらいです。

ちなみに自分はレビューのしやすさを重視してなるべく細かくPull Requestを送るようにしているんですが、このウォレット化の時は37個のPull Requestを投げ、Issueに綺麗に紐づけられた様を見て自己満足に浸っていました。

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OKRの失敗

なんだかすごい順調に開発しているような感じで書いてしまったのですが、実際には全くスマートではありません。

実は先ほどのウォレット化というのは当時のプロジェクトの1つでしかなく、他に6つのプロジェクトがあったんですよね。Kyashの初めての試みとして、それぞれに目標とリーダーを立ててOKRとして進めてはいたんですが、どれも大きな成果は出ず、 結局リソースが分散して何がやりたいかわからないみたいな微妙な空気が漂う時期がありました。

今思えば、20人ちょっとのメンバーで毛色の違う7つのプロジェクトをやっていくなんて普通に無理がありますよね。実際に反対意見を言うメンバーもいたんですが、まずはやってみないとわからないということで走り出し、見事にこけたというオチです。

正直言って萎えたメンバーも多かった気がします。自分もアチャーとは思ったんですが、そうは言っても3ヶ月で失敗を学べたし、振り返りもしっかりやって次は違う進め方にしようと意思決定もできたので結果的によかったんじゃないかなと思っています。個人的にはOKRと言いつつ定量的なObjectiveがうまく定められておらず、枝葉のOKRが達成された時に幹のOKRも達成される構造に組まれていなかったのが一番よくなかったなと感じています。そのへんの構造しっかり考えるのめちゃくちゃ難しいので他の会社でどうやっているのか気になりますね。

まあそんな感じで、結局KyashではOKRはうまく導入できませんでした。では今期4月〜6月はどうやって進めているかというと、 「大きなリリースをやりきる」という方針に切り替えていくつかのプロジェクトを同時並行で走らせています。先日発表したリアルカードもその1つですね。

「締切までにリリースするなんて当たり前じゃないか」と感じるかもしれませんが、内容がどれもわりと大きいものなのでまあまあチャレンジングです。それらが全てリリースできたら、今度は数字を伸ばすような目標の立て方に変えていくかもしれませんね。今は楽しくやれていますが、お金に困りだすとつらい状況になってプロダクトの方向性もブレてくるんじゃないかという危機感もあるので、個人的にはリリース後にどうサービスを伸ばしていくかが重要だと考えています。

どの会社も同じように工夫しながら頑張っていると思いますが、Kyashも例外に漏れずこんな感じで日々変化しながらプロダクト開発をしています。

退職者の続出と組織変更

変化を楽しみながらプロダクトを作っているというと聞こえはいいですが、悪い言い方をすれば 「言ってることがコロコロ変わって何を目指しているのかわからない」と捉えられるかもしれません。そういう感覚は、事業の将来性への不安にもつながります。

変化する時に重要なのは『説明の納得感』と『個々人の楽観主義』だと思っていて、前者はシャチョーもProduct Ownerも論理的に話ができる人なので全く問題ないんですが、後者は悩ましい話です。事業がうまくいくかわからない中で変化を繰り返すのは結構しんどいものですし、そのキャパシティは人によりけりですね。

Kyashの事業や自身のキャリアに対する不安もあってか、自分が入社してから結構たくさんのメンバーが退職しました。もちろんポジティブな理由も聞いていますが、退職する時の理由なんて1つじゃないですからね。必ずネガティブな要因もあります。これはあくまで自分の想像でしかないですが、見えないところで人間関係に関する不満もあったのかもしれません。

これだけ人が辞めていくと、 「もしかして自分の振る舞いが他の人に嫌な影響を与えているんじゃないか」と不安になったりもします。自分はKyashのことをすごくいい環境だと感じているんですが、誰かのやる気が他の誰かのやる気を削いでしまうことはよくありますしね。

こういうのは「なんだか最近元気ないなぁ」とか「なんかモチベーション落ちてるんじゃないかなぁ」とかまわりが感じる時になったらすでに時遅しです。解決策は日頃のコミュニケーションの数を増やすしかないんじゃないかと思っていて、なるべく色んなメンバーと普段から話をするようにしています。意味があるのかはわかりませんが。

また、エンジニアチームに関してはエンジニアリングマネージャーがいた方がよさそうだということで、もともとAndroidエンジニアだった@kobakeiがマネージャーになりました。隔週で1 on 1もやるようになり、トライアンドエラーを繰り返しながら少しずつ改善していると感じています。

ちなみに今のところ自分はとても楽しく働けていますが、やる気が出なくなったら 「最近なんかつまらん」みたいな感じですぐに雑談で話そうと心に決めています。自分は結構負の感情を貯め込みやすい性格だと認識していて、そのせいで今まで失敗してきているからです。

Kyashの好きなところ

Kyashのちょっと暗い話を書いたので、このへんでKyashの好きなところの話でもしてバランスを取っておきます。これはKyashに遊びにきた方からカジュアルディナー中に聞かれた質問です。

少人数でそれぞれが専門分野に長けている

今の規模はエンジニアが7人、全社員で20人くらいです。全員物事を前に進めるにはどうしたらいいかという常に考えている感じがして仕事がしやすいです。

Kyashに入社して日々感じているんですが、エンジニアリングだけで解決できないことがめちゃくちゃ多いんですよね。以前事業開発のメンバーがブログを書いてくれましたが、ビジネスを進める上での登場人物がたくさんいて、そのぶんしがらみも多いんだなと感じています。

blog.kyash.co

そんな中で、営業に行って契約をまとめている人も、法務をきっちりチェックしている人も本当にすごいなーと思いながら毎日一緒に働いています。今まで働いてきた会社の中で一番個々人が専門分野を活かして働いているかもしれません。 せめて自分は開発のスピードとクオリティで貢献しなければ存在価値がなくなってしまうと焦ったりもしますね。

振り返りをして改善している

自分の入社以降、半ば形骸化した朝会は金曜のKPTですぐに廃止されました。KPT自体の進め方もKPTで改善しています。最近では、「やはり今のチームの進め方だと朝会あったほうがいいかもね」という話になり復活しました。細かいところですが、朝会の場所もスタンディングの方がいいねということで変えたりもしています。

常に変化を考えている組織は強いと思っているので、ここは一番好きな部分かもしれないですね。ちなみになぜ振り返りがうまくいっているかというと、Product Ownerの進行がとてつもなく上手だからです。Product Ownerはまわりを明るくする不思議な魅力があり、最後にキチッと意思決定もできるのですごく頼りになる存在です。

一方で彼が単一障害点になりつつあって、 「PO倒れるとマジやばいよね」という話もKPTで出たりしてます。Tryとして少しずつ権限移譲をしたりミーティングを減らしたりという感じでなるべく特定の人に依存しすぎないような組織にしているところです。まあこのへんはスタートアップなのでさじ加減が難しいところですね。

プロダクトの話が絶えない

Kyashは自分たち自身がヘビーユーザーということもあって、常にプロダクトの話をしています。

ランチや飲み会の時に毎回Kyashのプロダクトや組織について「こうしたらどうか」みたいな話が出るので、最初は結構衝撃でした。Kyashに入るまでは会社のメンバーと昼飯に行ったり飲みに行ったりするとうまく話せないのがつらくて避けていたんですが、プロダクトという共通の話題が絶えないのでそんなに苦でもなくなりました*2

ダイレクトに届くユーザーの声に対してすごく歯がゆい気持ちになることもありますが、日々プロダクトをよいものにしようと考えてがんばっています。

採用の誘いについて

今まで自分は知り合いを採用目的で誘うことはなかったんですが、最近は何人かの知り合いに直接声をかけさせてもらっています。

知り合いを同じ会社に誘うのってすごく勇気がいるんですよね。いくら自分がいい環境だと思っても他の人にとっていいかどうかはわからないですし、一緒に仕事をすることによって今までの関係が変わってしまうのも嫌だからです。仲のいい人ならなおさらですね。

じゃあなぜKyashには誘っているかというと、そういうリスクを考慮してもやはり働きやすいし面白いと感じているからです。積極採用中なのもありますが、Kyashは誘っても問題ないんじゃないかなという気持ちがあります。といっても、退職が続いているのも事実なので本当に誘っていいのかという葛藤はもちろんあって、だからこそいいところも悪いところも正直に伝えてお互いにちゃんと判断できるといいなと思って今この記事を書いています。

もし興味があれば連絡してみてください。DMでもいいので気軽にどうぞ。

www.wantedly.com

この半年でやったこと

最後に、ここ半年で自分がやったことを書いておきます。

Androidアプリ開発

入社してからは主にAndroidアプリの開発をしてました。ユーザーの皆さんの目に触れるところだと以下の機能をリリースしました*3

このほか公にできない開発も多々あって、Pull Request数は420くらいでした*4

ちなみにKyashのAndroidアプリはもともと@kobakeiさんが1人で作り上げたものです。過度に複雑な設計もなく、入社した日からスッとキャッチアップできました。

このほかに、OSSライブラリをKyashとして3つ、個人で1つリリースしました。全てKyashのAndroidアプリの中で元気に動いています。

API開発

チームの規模を考えると、クライアントチームも簡単なAPIくらいなら書けるようになっておいた方がいいだろうということで、いくつかAPIを修正したりもしています。

チーム全体の垣根をなくしていくには、誰かが最初に超えていくのが一番早いですしね。やってみるとサーバーチームのメンバーとのコミュニケーションも増えてよかったです。今はGoならわかるシステムプログラミングを読んでGoのキャッチアップをしています。

会社ブログ

継続的な採用強化のために http://blog.kyash.co/ をはじめました。2週間に1記事くらいのペースで当番を決めて皆で書いていて、手前味噌ながら結構面白い記事が揃ってきています。

エンジニアリングの要素が多いですが、この記事のように事業開発メンバーが決済業界の話を噛み砕いて説明してくれたりもしています。

blog.kyash.co

他にも総務の方が書いてくれたり、Kyashの雰囲気を感じられる内容になっていると思うので興味があれば読んでみてください。

投げ銭

これはプライベートなことですが、もともとKyashに興味をもったきっかけである『投げ銭文化』を何度か試してみました。ざっくり結果は以下のような感じでした。

想像よりずっとたくさんの人がKyashで金を投げつけてくれて驚きました。ありがとうございました。最近はスライドの最後にKyashのQRコードを載せてくれている人も増えて嬉しいかぎりです。


長くなってしまいましたが、今の状況を自分の視点からできるだけ正直に書いてみました。

最近はユーザーも増えて色んな意見をもらうんですが、 「わかる…」と歯がゆくなることが多いです。所与の条件がある中で少しずつ改善するべく、自分は開発で解決できる部分に関してきっちりやりきっていこうと思います。

初めてKyashに興味を持ってくれた方は、是非使ってみてください。すでに使っている方は、使い続けてもらえるともっと嬉しいです。中のことをもっと知りたくなった方は、積極採用中ですのでお気軽にご連絡ください。

それでは、最後にお決まりのこちらを載せておきます。Let's kyash!

kyash_id: konifar

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追記。この記事は法務担当のメンバーが細かいところまできっちりチェックしてくれて、さすがだなと思いました。

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*1:たまに「Kyashのキャッシュは大丈夫なのか?」みたいな意見を目にしますが、Kyashのビジネスモデルは加盟店からの決済手数料の他にも収益化の方法があります。この記事で伝えたいことではないので割愛しますが、興味があればぜひKyashまで遊びにきてください!

*2:そうは言っても、いまだにちょっと緊張はしています。

*3:列挙してみるとすごいやってるように見えるかもしれませんが、サーバー側の実装の方がめちゃくちゃ大変なので本当にすごいのはKyashのサーバーエンジニアだったりします。

*4:レビューしやすいようにかなり細かくPRを出すようにしています。前職も同じくらいのペースだったので、自分は3PR/dayくらいでいつも働いているようです。