泥酔してない? Uberが乗車前のお客さんの「状態」を学習するAIシステムの特許を出願

  • author そうこ
  • X
  • Facebook
  • LINE
  • はてな
  • クリップボードにコピー
  • ×
泥酔してない? Uberが乗車前のお客さんの「状態」を学習するAIシステムの特許を出願
Image: Linda Parton/Shutterdtock.com

どんな状態で、車よんでるのよ?

ユーザーの行動にただならぬ興味を持つUber(ウーバー)。少し前には、ユーザーの降車後のトラッキング問題なんてのもありましたが、どうやら、今度は配車リクエスト時のユーザーに関心を示しているよう。先日Uberが申請した特許書類によれば、マシンラーニングを使ってユーザーの状態を理解したいのだとかなんとか。

今回申請された特許のシステムはユーザーがどういう状況でアプリを使うかを解析し、彼らが「非常識な行動」にでないかを判断するというのです。非常識な行動に当てはまるのは、あれこれ考えられるでしょう。その一例として、CNN泥酔状態のユーザーを挙げています。Uber特許には、細かい使用想定が書かれていないので、お酒だけでなくドラッグ、そのほかの危険な状態も幅広く考えられます。ただ、米Gizmodoが取材を求めたところ、ノーコメントとの返答がきたので、今のところハッキリせず。

ユーザーが非常識な行動にでる可能性が高い=正常な状態ではないと、どうやって判断するのでしょう? やり方としては、Uber配車リクエストをアプリから行なう際、ユーザーがどれほど打ち間違いをしたか、誤クリックしたか、完了までにどれだけの時間を要したか、待ち合わせ場所まで歩くスピードはどれくらいかなどの情報から、判断するんだそう。

たとえば、夜中の3時に飲み屋前にUberを呼ばれたら、人間の運転手でも「酔っ払いだろうな」と予想することができます。これを、もっとアルゴリズム的にやるのが今回の特許。ユーザーの状態がわかれば、Uber側にもそれなりの対処の仕方がでてきます。特別な研修やトレーニングをうけた運転手が対応するなんてことができれば、トラブルも軽減。

Uberは、すでに飲酒運転撲滅とからめた展開を考えています。Uber導入後、大都市での飲酒運転による事故が減ったという報告もあれば、Uberと飲酒運転事故の数に相関性はないという報告もあります。今回の特許で、ユーザーの状態がわかれば、どれだけの酔っ払い(飲酒運転の可能性があった人々)をUberが乗せたかというデータをとる助けにはなるでしょう。さすれば、飲酒運転撲滅にはUberが効果的と言いやすい要素になるわけで。

ユーザーだけでなく、Uberドライバーの安全向上にもつながるであろうこの特許出願ですが、実際のドライバー達はどこか懐疑的。ライドシェア・配車アプリのネットフォーラムUberPeople.netでは、正常じゃないと判断されたユーザーには追加料金とるくらいだろと、あまり期待していない様子です。


Image: Linda Parton/Shutterdtock.com
Source: CNN, USPTO

AJ Dellinger - Gizmodo US[原文
(そうこ)