ソニー WF-SP700Nレビュー:完璧なワイヤレスイヤホンに最も近いソニー。あと電池さえ良ければ…

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ソニー WF-SP700Nレビュー:完璧なワイヤレスイヤホンに最も近いソニー。あと電池さえ良ければ…
Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US

完璧なワイヤレスイヤホン(bluetoothイヤホン)まで、あと少し!

皆さんのイヤホンはもうワイヤレスですか? 僕は未だにコードがないと落ち着かないタイプです。しかし、そんなこと言っている間にもワイヤレスイヤホンはどんどん進化していて、今回のソニーのイヤホンは「本当の成功に近い」そうです。そろそろ買いどきですかね?

以下、米GizmodoのAdam Clark Estesのレビューです。


トライした企業は数あれど、ワイヤレスイヤホンの開発で本当に成功した企業はまだいません。Apple(アップル)のAirPodsは近いかもしれませんが、スポーツ向きではないのが問題です。だからこそ、ソニーの新しいワイヤレスイヤホンが、タイトなフィット感と防水だけでなく、ノイズキャンセリングまで兼ねそなえていると知って非常に期待していたのです。2週間テストしましたが、完璧ではないものの、魅力的だと認めざるをえません。

ソニー WF-SP700N

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Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US

これは何?:防水加工、ノイズキャンセリング付きの完全ワイヤレスイヤホン
価格:180ドル(日本価格は2万2880円
好きなところ:素晴らしいフィット感と音質
好きじゃないところ:短すぎるバッテリー持続時間

180ドルの「WF-SP700N」は、見た目もクールです。かさばる他の競合製品と違い、SP700Nは頭の側面にぴったりと付き、ちゃんと装着すれば耳の曲線に沿ってくれます。なので、イヤホンそのものはそこそこ大きい(ポップコーン2つ分くらい)のですが、つけて数分後にはその存在すら忘れてしまいました。

実は、これって非常に大事なことです。私が好きなもう一つの左右独立型ワイヤレスイヤホンであるBose SoundSport Freeですら、そうはいかないのですから。Boseの場合はブラブラしてしまい、ジョギングには使えません。一方このイヤホンは、私が去年レビューしたソニーのWF-1000Xよりもはるかに安定しています。

機能面では、WF-SP700NはWF-1000Xに似ています(えぇ、ソニーのモデル名が紛らわしいのはわかってます)。去年のストリート向けモデル(WF-1000X)と同様に、今回のスポーツイヤホンは、最大にすると完全に外界の音をシャットアウトし、アンビエントモードなら必要最低限のノイズを通すを謳われるノイズキャンセリング機能がそなわっています。この機能は、左耳用イヤホンについている小さなボタンで操作します。また、右耳用イヤホンにも小さなボタンがあり、音楽の再生/停止、曲送り/曲戻し、さらにお好みの音声アシスタントを呼ぶこともできます。しかし1000Xと違うのは、SP700NはIPX4の防滴機能に、エクササイズ中でもしっかりと耳に固定される新しいデザインです。

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Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US

防滴ももちろん嬉しいのですが、やはり一番大事なのはフィット感です。SP700Nはつけ心地がいいだけでなく、とても落ちにくいのです。しっかりホールドしてくれるイヤーチップやウィングを調節して耳につけると、どれだけ頭を振っても決して落ちません。

道端で外れて排水溝に落ちたりするのが心配な人には、これは重要なポイントです。また、日常的にジョギングなどの最中にイヤホンが外れてしまう人にはもっと重要です。私のテストではどちらのイヤホンもしっかり耳に固定されていました。

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Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US

フィット感とつけやすさに固執しているように思われるかも知れませんが、それはどちらもワイヤレスイヤホンの為にとても大切な部分だからです。

たとえば、SP700Nはソニー EXTRA BASS soundに対応しています。だから低音好きには嬉しい音質かもしれませんが、Hi-Fi(原音に忠実な音)を求める人はBowers & Wilkinsのオーバーイヤーヘッドホンのほうがいいと思います。また、SP700Nのノイズキャンセリングは優秀ですが、最高のノイズキャンセリングを求めるならソニーのヘッドフォンWH-1000XM2がいいでしょう。しかし、どちらもスポーツには向かないのです。アクティブに活動していても最高のフィット感やつけ心地のワイヤレスイヤホンを求めるなら、SP700Nがオススメです。

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Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US

ただ、良いニュースはここまでです。SP700Nのバッテリーは明らかに容量不足です。ソニーによれば1回の充電で3時間持ち、充電ケースは2回分の容量をそなえているそうですが、ちゃんとケースにしまうクセをつけていても2日に1回くらいの頻度で充電切れを起こしていました。ノイズキャンセルを切れば少しだけ持ちが良くなりますが、機能を気に入っていたので切りませんでした。何度かイヤホンが充電切れになった後は、意識的にちゃんと充電しておくようになりましたけどね。

私のもう一つの不満は接続性です。別にSP700Nとスマホが繋がりにくいとか、すぐに切れてしまうという訳ではなくて、いつまた接続や再接続を行なわなければならないのかが不透明なのです。たとえば、イヤホンを数分外しただけなら、また耳につけて再生ボタンを押せば曲が再開されます。でも、それ以上(具体的にどれくらいかわかりませんが)放置しておくとイヤホンが勝手にオフになってしまうのです。つまり、耳につけた後に音が鳴らないことに気づき、Bluetoothの接続をチェックし、電源がオフになっているのに気づいてオンにする、という手順を踏むわけです。さらに、左だけがオンになるので、右もオンにしなければなりません(SP700Nは片耳だけで聴くために両方の電源が独立しています)。それだけでなく、混雑した通りを歩いていると、右と左のイヤホンで音がズレることがあります。ワイヤレスイヤホンの多くで起きる現象ですが、じゃあ問題ないのかと言われればそうではありません。

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Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US

でも正直に言って、短い電池持続時間や接続の問題は、ワイヤレスイヤホンでは共通の課題です。最初に言ったように、本当に完璧なワイヤレスイヤホンを開発した企業はまだありません。ですがSP700Nの登場で、ソニーはそれに近づいたと言えるでしょう。

まとめ

・つけ心地も良く見た目も良い、美しいデザイン
・タイトなフィット感で、耳から飛んでいくことはない
・電池の持ちが短く、接続にも問題がある
・180ドルの値段はかなりお買い得


Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US

Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文
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