SF小説を映像化したような世界が広がります。
「The Game Awards 2017」以降、目立った発表がなくファンを心待ちにさせていた、小島秀夫監督による最新作『デス・ストランディング』。
6月15日まで開催されている世界最大級のゲームの祭典「E3」にて、8分を超えるティーザー・トレイラーが公開されました。見応え充分なのですが、私たちの常識では理解できないような世界が広がり、ますます謎が深まる映像となっています。今回はそのトレイラーや噂から、今までにないとされる世界観、ゲーム性について考えてみました。
まずは英語で日本語字幕付きの映像をご覧ください。
どんな世界観なのか?
主人公はノーマン・リーダスが演じる、伝説の配達人サム・“ポーター”・ブリッジズ。彼はカイラル・アレルギーという反応を持つ能力者(DOOMSと呼ばれている)で、能力にはレベルがあるようです。サムが言う「絶滅因子」というのも何か気になりますが、これがあると何かが見えたり感じたりできるようです。
ちなみにブリッジズはかつての予告編にもチラっと映った、北米に蜘蛛の巣が張られたデザインのロゴと同じ名前です。
The PlayStation Gear Store at the #E32018 will be open outside the West Hall until tomorrow, featuring merch from Kojima Productions and Death Stranding. Stop by if you’re around! pic.twitter.com/tkyRZvoHY6
— Kojima Productions (@KojiPro2015_EN) 2018年6月13日
この関係性も気になりますね。
ゲームではオープンワールドが舞台になっていることが判明しています。過酷な大自然をひたすら進んで行き、時折、画面に雨の雫がくっつくのも、サムの身体に鳥肌が立つのもリアルです。ゲリラ・ゲームズが作った"DESHIMA"エンジンが生み出す映像美はタメ息ものですね。このトレイラーも、ほとんどがムービーではなくPS4 Proの実機4K映像でできています。しかし彼らは一体、何をどこに運んでいるのでしょうか? これがゲーム中のクエストになるのでしょうか?
映像の中盤では、またしても目に見えない巨大生物が手形を残しながら歩いてきます。サムとレア(役名未明)は息を止めてやり過ごすのですが、もしかしたらインターフェイスには肺活量的なゲージもあるのかもしれません。しかし、もしここで捕まるとどうなるのでしょうか?
“時雨(タイム・フォール)”は触れたものの時間を進める
というセリフがありました。後述しますが、どうやら本作では時間と時空の往来ができるようです。セリフだけなのかもしれませんが、“カイラル濃度”も上下するかもしれません。それに“時雨”はあまり触れたくないものらしいのですが、人間を“対消滅(ヴォイド・アウト)”させる“奴ら(BT)”の存在のほうが危険みたいですね。それでもサムは“帰還者”なので戻ってこられるというのも、カイラル・アレルギー反応を持つ能力者DOOMSというのと関係がありあそうです。
そしてサムはカプセルに入った胎児を起こし、肩越しにチカチカ光るデバイスを明滅させながら、“奴ら(BT)”が浮かぶ雨の中を進みます。デバイスが回転を始めると奴らが出てくる合図のようで、サムはここでも息を止める仕草をします。
サムが飲み込まれたあとのセリフでは、レアが“クリプトビオシス”で“時雨”にも耐性がつくと話し、ソレらしきイモ虫をもしゃもしゃと食べてしまいました(前回の予告編でサムが吐き出したもの?)。そして最後は、謎の女性が浜辺に立つ姿が映りました。
今回は舞台の大部分が荒野でしたが、2016年12月のトレイラーでは、戦時下の荒廃した街が舞台となっていました。このときもカプセル赤ちゃんが重要そうでしたが、イマイチ今回と同じ時間軸には思えない気がします。なのでデル・トロ監督がいたあの舞台は、時雨によって進んだ未来か、もしくはこちらが過去なのかもしれません。SCREEN RANTでも、本作のテーマにタイム・トラベルがあると言及していますし、可能性は大いにありそうです。
ゲーム性は?
ゲームにはサムがアサルトライフルを持つ姿が見られました。これにより何かと戦うことがわかります。でもそれは“奴ら”ではなさそうですよね。本作はマルチプレイヤーでも遊べるそうなので、『PUBG』のように他プレイヤーを撃ち合って、荷物を早く届けるみたいなことになるのでしょうか?
ほかのウワサでは、時間と時空の移動を司る赤ちゃんを大事に生き残らせるのか、それとも殺すのかという選択も出てくるようです。そうなるとマルチプレイヤー間でのバトルにも信憑性が出てきます。
とはいえGEARNUKEによりますと、小島監督はライフルは敵を殺すことに使えるものの、もっとさまざまな方法で戦い方を選べるため、「プレイヤーは銃だけが理想的な解決策ではないことに気付くようになる」と明かしたようです。監督は敵と戦うことが目的ではなく、「世界と繋がることがゴールになる」ともコメントされたとのこと。『メタルギア』も必ずしも敵と戦うことを目的としていませんでしたもんね。マルチプレイヤーについては詳しく言及がないものの、プレイアブル・キャラクターはサムひとりだけということもわかりました。
世界観はぼんやりわかってきましたが、さらなるゲーミングについてはまだまだこれから判明することでしょうね。
美しき新キャストたち
以前のトレイラーでは、本作に俳優マッツ・ミケルセンとギレルモ・デル・トロ監督も出演することがわかりました。そして今回は、映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』や『007 スペクター』の女優レア・セドゥと、1976年から1978年にかけて放映されたドラマ『地上最強の美女バイオニック・ジェミー』の時代に若返らせたリンゼイ・ワグナーが登場。どちらも監督が大好きな女優で、「何らかの絆(ストランド)を手繰り寄せ、出演をお願いした人たち」なのだそうです。
声優はこの方々
続いて、日本語吹き替え版をどうぞ。
日本語版を見るに、声優陣は『メタルギア』シリーズでお馴染みの大塚明夫さん、井上喜久子さん、水樹奈々さん、津田健次郎さんのようです。『メタルギア』からの繋がりで、小島作品のファンにも嬉しい顔ぶれかと思います。
日本の皆様へ
— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) 2018年6月14日
おはようございます。
「DEATH STRANDING(日本ではデススト)」をお楽しみに。 pic.twitter.com/8kABT3Rd1i
なお、キャスティングもディレクションも、監督ご自身が行なっているとのことです。
今回発表した「DEATH STRANDING」E3 2018最新トレーラーですが、英語音声/日本語字幕版も準備しています。また今回の最新トレーラーの日本語吹替版と2017 TGAトレーラーの日本語吹替版も収録しました。日本語吹替版のキャスティング、ディレクションも、僕自身で行なっております。後日公開予定です。 pic.twitter.com/YQoFw7p8HK
— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) 2018年6月12日
いろいろと監督がひとつずつ丁寧に作っているのがわかりますね。着々と完成へと向かっている『デス・ストランディング』、続報に期待しましょう!
DEATH STRANDING E3 2018 trailer out now! Actual game running in 4K on a PS4 Pro, from the DECIMA ENGINE. Answering some clues from the previous 3 trailers, showing gameplay & featuring 2 new female characters. A handmade, "silent" trailer with no explosions/gun fights. pic.twitter.com/9A5OHmmREz
— HIDEO_KOJIMA (@HIDEO_KOJIMA_EN) 2018年6月12日
Image: YouTube
Source: YouTube(1, 2) , Twitter (1, 2, 3, 4), SCREEN RANT, PlayStation®.Blog, GEARNUKE
(岡本玄介)