飛行機が、悪天候や機体の故障、急病人などの緊急時に本来の目的地とは別の空港に着陸することをダイバート(Divert)と言います。なるべく遭遇したくない事態ですが、通常ではあり得ない珍しい空港に着陸することもあるので、貴重な体験ができるかもしれません。

私は今週スコットランドにいます。火曜日の朝5時にサンフランシスコを出発したのですが、東海岸の天候が悪くて、木曜日の午前9時までエジンバラに到着できませんでした。嵐が近づいてきたせいで、サンフランシスコからニューヨークのJFK空港に飛ぶフライトがフィラデルフィアにダイバートせざるを得なくなり、そこで3時間も待機することになりました。その間に、もともと乗るはずだったエジンバラ行きのフライトが飛び立ってしまいました。そして、次のエジンバラ行きのフライトは翌日の午後7時までありませんでした。

こんなときはどうしたらいいのでしょうか。

私は月に2、3回は飛行機に乗りますが、今までこのような事態に遭遇せずに済んできました。今回私が航空会社のスタッフから聞いたことや個人的な体験を通して学んだ、ダイバートへの対処法をご紹介しましょう。

ダイバートしたら航空会社に直接電話する

乗客が全員飛行機から降りると、航空会社のゲートに文字通り長蛇の列ができました。フィラデルフィアが最終目的地の人は誰もいないので、いつ代替のフライトに乗れるのか、別のルートで目的地に行くにはどうしたらいいのか聞きたい人ばかりです。こんなときは、列に並んで順番を待つよりも直接航空会社に電話した方が早いかもしれません。

航空会社に電話できれば、空港のゲートと同じように代替のフライトを手配してもらうことができます。電話に出た航空会社の職員がどんなフライトに乗れるか確認して席を見つけてくれて、空港のゲートで対応を待つよりずっと早く済むことが多いです。

私は着陸してから15分後には航空会社に電話して、30分後に離陸するフライトをオファーされました。ありがたいオファーではありましたが、残念ながらそのフライトにはまだ乗れなかったので、その次のフライトは翌日になることも教えてもらいました。

ここまでで着陸から45分が経過しています。空港のデスクの列に並んで45分待っても、「国際線でない人は列から離れてください」と叫ぶスタッフに対応してもらうまでに、さらに1時間半も待たねばならず、私の後ろには少なくとも50人以上が並んでいました。

電話だと、ホテルやトラベルバウチャーのことは対応してもらえませんが、代替えフライトがあるならそれを予約してもらえます。携帯のアプリでも同じことができる航空会社もいくつかあるので、そういうアプリをダウンロードしておくのも良いと思います。

もし私が乗れるフライトがあったら、90分も待たなくても15分で問題を解決してもらい、私は長い列から抜けることができたと思います。また、物理的に列に並んでいたら乗りたいフライトの最後の1席を前に並んでいる人に取られていたかもしれません。

機内持ち込み手荷物に予備の着替えを入れておく

チェックイン時に預けた荷物は乗り継ぐ予定だった便に積み込まれます。周囲の人々の叫び声で判断すると、私と同じフライトに乗っていた人たちは、チェックインしたカバンのことで困っていました。そのフライトは最終的にJFK空港行きだったので、荷物だけJFK空港に行ってしまいました。つまり、フライトを変更した人たちは、自分の荷物を受け取れず、荷物は当初の予定通りニューヨークに行き、そこから最終目的地に向かうことになります。

私がフィラデルフィアからエジンバラに飛ぶフライトを見つけてもらってそれに乗っていたら、カバンだけニューヨークに行ってしまい、翌日の遅い時間までスコットランド行のフライトに積み込まれないので、困ったことになります。

私の場合は、もともとのフライトの24時間後に当たる翌日の夜7時のフライトを予約し直したので、航空会社が私のカバンを一晩預かりました。こんなとき、着替えを余分に持っていくようにというアドバイスが活きてきます。でも、このとき私は1回しか乗り継ぎしない予定だったのでカバンのトラッキングは簡単だと思っていまいたし、3時間もレイオーバーの時間があれば、最初のフライトから次のフライトにカバンを移す時間も十分にあると思ったので、予備の着替えを持ってきていませんでした。結果として、3日間同じ服を着続ける羽目になりました。ですから、緊急時に備えて、機内持ち込み手荷物に予備の着替えを入れておきましょう。

なるべく早く、自分でホテルを予約する

今回の体験で一番驚いた点はこれです。ダイバートしたせいで、私は丸々24時間次のフライトに乗れないことになるので、航空会社がホテルや食事を用意してくれると思っていました。でも、悪天候がダイバートの原因だったせいで、何もしてもらえませんでした。機体の故障などが原因だと、話は別かもしれません。

火曜日の夜10時にJFK空港に到着するまでに、その日私が食べたのは、アメリカン航空が朝食に出したチーズプレート半分だけでした。機内でも、ダイバートしたフライトが離陸するのを待っている間も、他に食事は出ませんでした。そして、JFKに着陸すると、あとは自分で何とかしてくださいと言われました。ですから、食事やホテルなどは、自分で手配して自腹を切ることになりました。

皮肉にも、その晩のホテル代は、サンフランシスコからエジンバラに飛ぶ航空運賃より高くなりました。ニューヨーク市立大学とコロンビア大学が今週卒業式をしていて、ニューヨーク市内の全ホテルが満室だったようです。

このような状況に備えて、スナックを手荷物に入れておきましょう。そして、一晩足止めされそうだと思ったら、ゲートの職員に相談する前に自分でどんなホテルが空いているか調べましょう。私はフィラデルフィアにいる段階で、その晩はニューヨークに足止めさるとわかっていたのですが、航空会社がホテルを用意してくれると思っていました。自分でもっと早くホテルを予約していたら、もう少しホテルを選べたのではないかと思います。

感じよく臨機応変に対処する

このような状況に陥ったときは、自分だけでなく同じフライトに乗っていた人たち全員が同じ目にあっていますし、その空港にいる多くの人たちも同じ目にあっている可能性があります。それを忘れず、常に冷静に感じの良い会話を心がけましょう。辛い目にあっているのはあなただけではありません。怒鳴っている人よりも感じの良い人の方が、助けを差し伸べようと思ってもらえます。

また、もともとのフライトでは申し分の無い席が取れていたのに、次のフライトではそうはいかなかったとしても、仕方がないと諦めてオファーされた席を受け入れましょう。

そして、想定外の都市で足止めされても、できる範囲で楽しむようにしましょう。私は足止めされるとわかって、友人たちと一杯飲んだり翌日ブランチを一緒にする計画を立てました。当初のフライトに乗れた方が良かったのはもちろんですが、こんなことでもないとなかなか会えない友人に会えると、気が晴れます。

Image: Jaromir Chalabala/shutterstock

Emily Price – Lifehacker US[原文