米Lifehackerが人生の役に立つ言葉を紹介するシリーズ「Mid-Week Meditations」へようこそ。ストイック派の知恵を探求し、それを使って自らを省みて、人生を好転させましょう。

今週の言葉はマルクス・アウレリウスの『自省録』から。アウレリウスは、過去や未来ではなく、現在だけに集中するようにと訴えています。

君の全生涯を心に思い浮かべて気持ちをかき乱すな。どんな苦労が、どれほどの苦労が待っていることだろう、と心の中で推測するな。それよりも一つ一つ現在起こってくる事柄に際して自己に問うてみよ。「このことのなにが耐え難く忍び難いのか」と。まったくそれを告白するのを君は恥じるだろう。つぎに思い起すがよい。君の重荷となるのは未来でもなく、過去でもなく、つねに現在であることを。しかしこれもそれだけ切り離して考えてみれば小さなことになってしまう。

『自省録』第8巻36 マルクス・アウレリーウス著 神谷美恵子訳 :岩波書店、2007年

この言葉が意味するもの

人生の壮大さに打ち負かされてはいけません。苦しかった過去にとらわれないでください。不確かな未来を憂いてばかりいないこと。そうではなく、現在に集中してください。あなたは今この瞬間、まったく手に負えない苦境に立たされているのでしょうか? そうではないでしょう。

あなたは、目の前にある問題を自分が乗り越えられることを知っています。あなたが背負うべきなのは、過去の重荷でも、未来の重荷でもありません。そんなものは降ろしてしまいましょう。背負うのは現在の重荷だけで十分です。それなら、ずっと軽く感じられるはずです。

そこから学べるもの

私たちはたいてい、自分がどこから来たのか、これからどこへ行くのかばかりを考えて、現在については十分な注意を払っていません。しかし、本当に大切なのは現在です。目の前にあるのは現在だけだからです。過去は、記憶や書物、記録の中にしかありません。そして未来とは、過去に基づいて推測されたものに過ぎないのです。あなたが存在するのは過去でも未来でもありません、現在です。ではなぜ、自分がいない場所に時間とエネルギーを費やそうとするのでしょうか?

もしあなたが、人生に行き詰まっていたり、困難な仕事に苦しんでいるとしたら、無意味な重荷、すなわち、(変えられない)過去や(まだ来ていない)未来の重荷を背負う必要はないことを思い出してください。人生全体、あるいは特定の期間のことを思い浮かべて、どうやって乗り越えればいいのだろう、と悩んだりしないことです。今、この瞬間に集中してください。今という瞬間は乗り越えられる? イエス。オッケー、ではまた次の瞬間は? もちろん、乗り越えられますね。では、またこの瞬間は? その繰り返しです。あなたが背負うべきなのは、現在という荷物だけであり、あなたにはそれに耐えるだけの強さが十分にあります。これまでもずっとそうしてきたのですから。

人生は長い旅であり、体験を積み重ねるマラソンです。この長い距離を人はどのように歩むのでしょうか?

そう、一度に一歩ずつです。現在の一歩に集中してください(過去に踏み外した一歩や、これから踏み外すかもしれない一歩にではなく)。そうすれば、必ずや行くべきところに行きつくはずです。


Image: Tony Bowden/Flickr

Nicole Dieker - Lifehacker US[原文