より確実に、より迅速に。iOS 12搭載のiPhoneで911に通報すると、発信元の位置が共有されるように

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より確実に、より迅速に。iOS 12搭載のiPhoneで911に通報すると、発信元の位置が共有されるように
Image: Apple

どこかわからない場合、伝えられない場合でも、確実に。

6月初頭のWWDCでお披露目されたiOS 12ですが、そこでは発表されなかった新機能がAppleのWebサイトで発表されました。iOS 12を搭載したiPhoneから緊急通報をした際、発信元の位置情報がオペレーターに共有されるようになります。なお、対象地域は「911」番を使って通報するアメリカ国内となっています。

さかのぼること2015年、Appleは「HELO(Hybridized Emergency Location)」と呼ばれる位置情報の測定システムを開発者に提供しました。AT&TやT-Mobileなどの米キャリアは、このシステムを利用して独自の共有機能を模索していましたが、iOS 12ではOSレベルでこの機能が実装されます。

iOS 12ではRapidSOS社の技術を利用し、HELOの情報をより迅速、安全に911センターが共有されるようになります。緊急時に口頭で自分の位置を述べなくても(述べられなくても)、緊急車両が現地へと急行できるので、より確実に救助や消防が行なえるように。

なお、日本で緊急通報した際は携帯基地局との通信情報から、その位置をある程度特定することができます。一方でHELOの測定システムは、基地局の位置や端末のGPS、Wi-Fiアクセスポイントのデータを利用します。

Appleによれば、現在およそ80%の911通報は携帯電話から発信されているそうです。現状、固定電話のほうが発信元の位置を特定しやすいと言われるのなか、手元のiPhoneですばやく自分の位置を911センターに共有できることは、スマホ時代において対応が急がれた機能だったのです。

では最後に、発信元の特定がいかに大切かわかる話をひとつどうぞ…。

母親の指紋とSiriで、意識を失った母親の命を救った4歳の男の子

https://www.gizmodo.jp/2017/03/4-years-old-boy-helped-unconscious-mother-using-her-iphone.html


Image: Apple
Source: Apple, iDownloadBlog

(塚本直樹)