一旦、ご安心を。
昨日、iPhone SEの後継機種、iPhone SE2（仮称）の開発が中止されたかもしれないという噂が話題になりました。SNSでニュースを見た方も多いんじゃないでしょうか？
確かにApple（アップル）はiPhone SEの後継モデルの開発に取り組んではいるようで、水面下で試行錯誤が行なわれていることはギズが取り上げてきた噂ネタでもじんわり伝わるかと思います。その流れのなかで出てきた今回の｢開発中止｣の話。これは海外メディアのForbesが伝えた情報でした。
しかし、この報道で本当にiPhone SE2の開発が中止したと決めるのは時期尚早です。Forbesが報じた情報を読み込んでいくと、iPhone SEは完全に終わったわけではなさそうです。小さいiPhoneファンのみなさん、どうぞご安心を。
Appleが開発を中止した（かもしれない）のは“ベゼルレス”のiPhone SE
おさらいすると、iPhoneのサード製ケースメーカーOlixarの情報から、今年は5.8インチ、6.1インチ、6.5インチの3モデルのiPhoneがラインアップされることが確認されました。その情報をもとにForbesが述べた以下の話が、このたびの中止話の発端です。
この情報（編集注：iPhone SEサイズのiPhoneがラインアップにないこと）は複数のリークや、私の先月の独占報道、いわゆるiPhone X Miniの計画をAppleが放棄したことを裏付けています。
［原文］This backs multiple leaks, including my exclusive last month that Apple had decided to drop plans for the so-called iPhone X Mini.
引用元：Forbes - Apple Leak 'Confirms' New iPhone X Cancellation
放棄したことが書かれていますね。そして引用内の“先日の独占報道”の記事を読んでみると、｢iPhone X Miniが今年中に登場しない｣という内容だったので、確かに今回Olixarから得た情報が裏付けになったことはわかります。
しかし気をつけないといけないのは、Forbesはベゼルレスディスプレイを搭載したiPhone SEを｢iPhone X Mini｣と呼んでいることです（直接iPhone X Miniと呼ばないとしても“iPhone SEサイズのiPhone X”などと呼んでいる）。“先日の独占報道”の記事の内容に話を戻すと、ベゼルレスのiPhone X Miniが今年に登場しないことを踏まえて、現行モデルと同じカタチをしたiPhone SEが登場すると述べていますから、うえの引用内で語られる放棄とは、ベゼルレスモデルのiPhone SEの開発中止と解釈するのが妥当なのです。
ベゼルレスディスプレイのiPhone SE（いわゆるiPhone X Mini）の開発は中止したかもしれませんが、アップデート版のiPhone SEが登場するかもしれませんし、そもそも“先日の独占報道”の記事では、今年中にベゼルレスディスプレイのiPhone SEが出ないという話なので、来年以降に登場する可能性が残されています。
何度も踊らされてきたiPhone SE2の噂
｢2017年夏｣｢2018年6月15日｣｢2018年9月｣これらはiPhone SE2が登場すると過去に噂された時期です。
すでに1年も前から噂に踊らされており、これまで何度も出ると言われ登場しない、を繰り返しているのがiPhone SE2の実情です。背面パーツやCADのリークも度々ありましたが、ネタ元によって情報にばらつきがあり、現時点ではどれも信憑性のある情報とも思えません。まさにTouch IDを搭載したアップデートモデルになるのか、Face IDを搭載したベゼルレスモデルになるのかについても、まだ濃厚な線もありません。
そんなフラフラしているのがiPhone SE2の今です。Olixarのリーク情報は、製品がおおかた完成したとき浮上する最後の砦のような存在なので、報道どおり、iPhone SEの後継モデルが今年に登場しない可能性は十分にあります。しかしiPhone SE2に関する噂は、現状どんな情報も鵜呑みにできない、というのが過去の噂を見て感じる本音です。
Image: Ben Geskin/Twitter, Forbes
Source: Forbes（1, 2, 3）
（山本勇磨）
