梅雨ですね。空気のジメジメとした嫌な季節。気分も落ち込んで、食欲が低下している方も多いのではないでしょうか。

こういうときに食事に取り入れたい食材が、大葉青しそ)です。香りが爽やかで、良い気分転換にもなります。

ただ、料理に大葉を使う、といっても、素麺や冷奴などの薬味にするぐらいでは、食べられる量はたかが知れています。しかも、大葉は束で売っているうえに傷みやすいので、食べきれずに余らせてしまいがち。それではもったいないですよね。

大葉を取り入れるアイデア

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Photo: 大崎えりや

私がいつも行っている、大葉の使用法はお弁当の仕切りにすること。ごはんとおかずの間に2枚ほど挟みます。防腐効果により、おかずの傷み防止が期待できますし、レタスで仕切るよりも水分が出ないため、ベチャベチャになるのも防げます。そのまま食べてもおいしいのでお勧め。毎日大葉を2枚食べるのも、カラダに良さそうですよね。

また、夏の時期はチューハイや、ハイボールなんかに入れてもいいですね。1杯に対して2枚くらいの割合で、ちぎって入れると爽やかでおいしいですよ。そこにガリ鷹の爪を加えても、また違った風味が楽しめます。

こうした工夫もありますが、消費できるのは1食につき2枚ぐらいが限度です。もっと大量に使いたい、豪快にバクバク食べたいという人のために仕上げたのが、今回ご紹介する「大葉たっぷりカレー」になります。

てんこ盛り!爽やかなシソが香る「大葉たっぷりカレー」

▼材料(2~3人分)

大葉……50枚

ごはん……茶碗3杯~

水……200ml

甘口カレールー……25g

シチューのルー……25g

バター……10g

揚げ油……適量

▼作り方

STEP1.

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Photo: 大崎えりや

大葉20枚は、中心の芯を切り取り、真ん中まで切り込みを入れる。

STEP2.

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Photo: 大崎えりや

丸めて千切りにする。1と2を行うことで、柔らかく、均一な千切りになる。

STEP3.

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Photo: 大崎えりや

水にさらしてから、水分を拭き取り、塩ひとつまみ(分量外)を入れて軽く塩もみする。その後、鍋に揚げ油を入れて熱し、180度にしておく。

STEP4.

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Photo: 大崎えりや

1以外の大葉30枚の水気をしっかりと取り、手で芯を取って半分に千切り、油に入れる。

STEP5.

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Photo: 大崎えりや

一瞬だけサッと揚げて、油を切る。

STEP6.

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Photo: 大崎えりや

鍋に水を入れて沸騰させる。

STEP7.

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Photo: 大崎えりや

火を止めて、カレールーとシチュールー、バターを入れてよく溶かす。その後、再度火をつけて沸騰させ、とろみを出す。

STEP8.

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Photo: 大崎えりや

3の大葉の水分をもう一度よく搾ってから、ごはんと混ぜ合わせてお皿によそう。

STEP9.

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Photo: 大崎えりや

7のカレーを少なめにかけて、5の素揚げ大葉をたっぷり散らして、できあがり。


なんと具材は大葉のみ。シンプルながら、見た目のインパクトの強さはなかなかのもの。食べるにしても作るにしても、思わずチャレンジしてみたくなる料理でしょう。

てんこ盛りの大葉は、素揚げしたことでパリッとした食感が加わり、素材の香りや苦みが感じられます。ごはんに混ぜ込んだ大葉からも、爽やかなシソの香りが優しく漂ってきます。

ポイントは、カレールーとシチューのルーを合わせること。カレーだけだと、せっかくの大葉の風味が弱くなってしまいます。シチューと合わせて優しい味にすることで、大葉の良さが引き立ちます。カレールーは甘口を使ってください。中辛や辛口だと、やはり大葉の風味が飛んでしまいます。そして、全体的にかけるルーは少なめに。そうすることで大葉の味わいを楽しめます。

また、バターは大葉と相性が良く、入れることでコクが加わって、さらにマイルドに。これだったら、大葉が苦手な人でもペロリと完食できてしまうでしょう。

大葉は暑い季節にカラダを守ってくれる食材です。殺菌作用や防腐効果により食中毒などを予防してくれるだけでなく、食欲増進効果、胃や腸の調子を整えてくれる効果もあると言われています。

一度に大量に食べなくても、こまめに食事に取り入れると健康に役立つ食材ですので、これからのうだるような暑さに備えて、摂取しておきたいですね。

レシピ・文オガワチエコ

料理研究家。ル・コルドン・ブルー、東京會舘クッキングスクールで料理と製菓を学ぶ。著書に『彼の家に作りに行きたい!純愛ごはん』(セブン&アイ出版)、『おにぎらずの本』(泰文堂)など。道具も調味料もない彼の家で、いかに間単に失敗なく美味しい料理を振舞うかに特化したレシピ本になっている。2015年9月11日には新刊『スティックオープンサンドの本』を出版。

Photo: 大崎えりや

Reference: Wikipedia