お悔やみを言うときは、良かれと思ってかえって相手を傷つけるようなことを言ってしまうことがあります。心からのお悔やみと相手の助けになりたい気持ちを伝えるには、どんなことに気を付けたらいいのでしょうか。

1.比較しないこと

もしかしたら、あなた自身も大切な人を亡くしたことがあるかもしれません。あるいは身近にそのような悲しい経験した人がいるかもしれません。でも、誰かにお悔やみを言うときは、絶対に自分の経験と比較してはいけません。エチケットと人間関係の専門家であるApril Masiniさんは、「自分の経験を持ち出してはいけません。間違っても『あなたの気持ち、わかるわ』のように言ってはいけません」とニューヨークタイムズ紙で説明しています

普段なら共感を示すとても真摯な言葉ですが、お悔やみを言うとき、相手は気分が落ちこみます。そして今は相手の気持ちが一番大切なのですから。それから、人の気持ちはその人自身しかわからないものです。あなたが大切な人を亡くしたことがあっても、相手と故人との複雑な関係まですべてわかるわけではありません。人によって事情は異なりますから、わかったような口をきくのは差し控えましょう。

2.死を称えるのは控えること

あなたは宇宙の創造主でもなければ、壮大な未来の仕組みに関与しているわけでもないので、死が「救い」だとか「祝福」であるかのような表現は控えましょう。そんなことは誰にもわからないことです。たとえ生前の故人が苦しんでいたとしても、やはり控えるべき言葉です。テキサス・プロトコル・スクールの創立者であるDiane Gottsmanさんは、この種のコメントは陳腐で思いやりがない印象を与えると言います。死が「良いこと」だと言うのは不遜です。遺族の気持ちを考えましょう。

3.宗教を押し付けないこと

喪失を体験した人に精神的援助を行うカウンセラーであるAmy Olsheverは、相手が自分と同じ宗教観だとわかっているとき以外は、自分の宗教を前面に出した話し方は控えるべきだと言います。良かれと思って「故人は今、天国に行った」とか「ここより良い場所にいる」と言っても、悲しんでいる人が同じ宗教を信じているときしか意味がありません。

また、遺族が信心深くてもあなた自身がそうでない場合は、わざわざ自分が信じていないことを言う必要はありません。そんなことをしたら、むしろ不誠実で無礼に見えます。

4.ソーシャルメディアに頼り過ぎないこと

Facebookでお悔やみを送るのは簡単ですが、それも場合によります。たとえば、Facebookのコメントは自分のためにポストしているように見えてしまいます。悲しんでいる人を本気で慰めようとしているというより、悲しんでいる人を慰めているように見られたいと思っている感じがします。ソーシャルメディアを使ってお悔やみを言うときは、少なくとも電話や手紙のようなもう少し個人的な方法でフォローしましょう。

また、悲しんでいる人がその訃報を公に投稿しているか確認してからにしましょう。そうでないと、あなたのメッセージで訃報を世間に知らしめることになりますし、その人が世間に知られたくないと思っていることに無理やり言及させることになってしまうかもしれません。

5.テキストメッセージやメールだけで済ませないこと

最近は家族や友人の間では、テキストメッセージやメールでコミュニケーションをすることが多い時代ですが、やはり電話をしたり直接会って話したほうが良い場合もあります。まずは電話してみましょう。電話に出ないときは留守電メッセージを残してください。誰かの声を聞くと、テキストを読むより心が慰められます。必要だと感じた時点でフォローアップのテキストを送ってサポートを申し出てもいいでしょう。

さらに良いのは、お悔やみのカードや手紙を送ることです。そのほうが、より個人的で心がこもっている感じがしますし、受け取った相手は自分のペースでそれを呼んで返事をすることができます。電話やテキストメッセージがやたらと来て困っているかもしれないので、手に持って読める形で送りましょう。その人が自分のことを気にかけてくれる人がいると感じる必要があるときはいつでも読めようにですね。

6.無意味な決まり文句を使わないこと

お悔やみを言うときは、どうしても避けられない言い回しがありますが、少なくとも当たり前のことを変に美化した表現で表すことは避けましょう。「故人は今は安らかです」「天寿だったんですね」「ご心痛はわかります」などは、言われるほうから見ると無意味です。どう言えばわからないときは、シンプルにしておいたほうがいいとOlsheverさんは言います。

「このたびはご愁傷様です」のように正直で率直なほうが、やたらと凝った表現を使うよりはるかにマシです。できたら、故人の良い思い出を出しましょう。あなたも故人のことを気にかけていたことや、故人の死を一緒に悼んでいることを示すことができます。

7.手助けは具体的に申し出ること

手助けを申し出るのは親切ですが、適切なやり方でする必要があります。「何か必要なことがあれば教えてください」などと言って相手に負担をかけないようにしましょう。「夕食を持って行ってあげる」「ペットの世話をしてあげる」「家事や雑用をしてあげる」「買い出しをしてあげる」など実際に相手が助かることを申し出る形にしてください。

一番大切なことは、躊躇せず相手に連絡してあげることです。大変な時に迷惑じゃないかなと思うかもしれませんが、相手はサポートや慰めを必要としていますし、訪ねて行ってあげると気持ちが紛れるかもしれません。


Image: Marcela/Flickr

Source: Relationship Advice Forum, The New York Times, The Protocol School, Gallaudet

Patrick Allan – Lifehacker US[原文