何に使うの! キヤノンが手のひらに収まらない約20cm角の巨大CMOSセンサーを開発

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  • author 塚本直樹
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何に使うの! キヤノンが手のひらに収まらない約20cm角の巨大CMOSセンサーを開発
Image: © Canon Inc. via キヤノン

なんじゃこの巨大さ。

僕たちが普段使っているカメラには、1インチやフォーサーズ(4/3インチ)、あるいはフルサイズ(35mm)のセンサーが入っています。しかし今回キヤノンが開発したのは、度肝を抜く約20cm角という世界最大、超高感度のCMOSセンサーです。

CMOSセンサーはウエハーという素材から切り出すのですが、この約20cm角のCMOSセンサーは12インチ(約30cm)の標準ウエハーから取れる最大サイズ。これは、プロやハイアマチュアが使うカメラに入っている35mmフルサイズのCMOSセンサーの約40倍もの大きさです。

気になる用途ですが、キヤノンは夜間の天体や動物、オーロラの動画撮影、夜間監視カメラなどを考えているようです。たとえば、東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター木曽観測所の口径105cmのシュミット望遠鏡にこのCMOSセンサーを搭載したところ、10等級相当の暗い流星を世界で初めて撮影できたんだそう。

ところで現在、宇宙誕生の仕組みを知るべく、さまざまな天体望遠鏡や宇宙望遠鏡のプロジェクトがすすめられています。たとえばNASAは、2020年5月に赤外線を中心とした観測のため「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」を打ち上げ、地球と太陽のラグランジェポイント2(LP2)に設置する予定です。またこの宇宙望遠鏡、折りたたみ構造の主鏡を採用しているという特徴もあります。

現時点で、今回のキヤノンによる新しい超大型CMOSセンサーの使い道は発表されていません。ですが、いつかこのセンサーが宇宙のわずかな光を捉え、秘密を解き明かしてくれることを期待したいですね。


Image: © Canon Inc. via キヤノン
Source: キヤノン

(塚本直樹)