判断基準がわからない…。中国が脳のとろける「ASMR」コンテンツをポルノと判定

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  • author 中川真知子
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判断基準がわからない…。中国が脳のとろける「ASMR」コンテンツをポルノと判定
Image: Olga_Arktika / Shutterstock.com

ポルノとは一体…。

メディテーション(瞑想)効果があるとされ、専用のアプリすらある「ASMR」コンテンツ。ASMRとはAutonomous Sensory Meridian Responseの略で、日本語だと自立感覚絶頂反応(なんだか難しいな)と呼ばれています。いわゆる、心地よい音や声を聞くことで脳がとろけるような感覚になる現象のことで、YouTubeをはじめとする動画サイトでASMRを検索すると膨大な数の関連動画を見ることができます。

わたしもリラックスしたい時に、枕元でYouTubeの「ボブの絵画教室」を自動再生したりしていますが、中国では、この脳をトロけさせるASMRの音声動画がポルノ認定されてしまったそうです。

現在、中国内の動画サイトからASMR関連動画が次々と削除され、癒しを取り上げられた人たちから苦しみの声が上がっています。

ASMRコンテンツの中には性的な内容を含むものもあるようですが、2015年に発表された研究論文によると、「性的快感」のためにASMRを使う人は5%で、82%が睡眠導入70%がストレスの緩和を目的として利用していたそうです。

ただ中国当局にとってそういった数字は大した問題ではないのでしょう。中国内で使われているYoukuBilibiliDouyuでASMR関連の動画を検索しても、もう出てきませんし、中国のウェブサイトMissEvanでASMRと検索しても「違法コンテンツ」扱いされて見ることはできません。

The VergeはWeiboに投稿されたASMRユーザーの悲痛の声を取り上げています。

ASMRが規制されたって?? 性的って理由で? これからどうやって寝ればいいんだ?

ただ、中国の人たちも規制されっぱなしというわけではないみたい。「ASM」と「R」の間に小さなスペースを入れて規制にひっかからないように動画をアップしたりしているようです。いまでもWeiboのページに行けば、サブジャンルとしてアップされた多くのASMR動画を見ることができますし、中国当局も完全に無しにはできないのかもしれません。

それにしても、ASMRがポルノなら他になにがポルノになるのでしょうか。以前上海にいったときに、日本のとあるファッションブログを開いてみようとしたら日本のポルノ動画を集めたサイトに飛んでビックリしたことがありました。ASMRを規制するのに、そういったポルノサイトは規制しないのでしょうかね。判断基準が謎です。


Image: Olga_Arktika / Shutterstock.com
Source: The Verge
Reference: SHDF, PeerJ, inkstone, Weibo

Melanie Ehrenkranz - Gizmodo US[原文
中川真知子