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「保守系」まとめサイト、がん治療中の翁長知事を中傷 炎上後に記事は削除

「がん患者への冒涜だ」

抗がん剤治療を続けている沖縄県の翁長雄志知事について、複数の自称・保守系まとめサイトがその容姿を中傷する記事を掲載し、「がん患者への冒涜だ」などと批判を浴びている。

翁長知事は膵がんの摘出手術を受け、抗がん剤による治療中だ。

頭髪が抜け落ち、県議会には帽子を被って参加しているが、6月23日の「沖縄慰霊の日」に開かれた式典では帽子を脱いでマイクの前に立った。

翁長知事による「平和宣言」は次の言葉で始まった。

20数万人余の尊い命を奪い去った地上戦が繰り広げられてから、73年目となる6月23日を迎えました。

私たちは、この悲惨な体験から戦争の愚かさ、命の尊さという教訓を学び、平和を希求する「沖縄のこころ」を大事に今日を生きています。

戦後焼け野が原となった沖縄で、私たちはこの「沖縄のこころ」をよりどころとして、復興と発展の道を力強く歩んできました。

しかしながら、戦後実に73年を経た現在においても、日本の国土面積の約0.6%にすぎないこの沖縄に、米軍専用施設面積の約70.3%が存在し続けており、県民は、広大な米軍基地から派生する事件・事故、騒音をはじめとする環境問題等に苦しみ、悩まされ続けています。

その上で「辺野古の新基地建設は、アジアの緊張緩和の流れにも逆行している」と訴えた。

保守系まとめサイトが「笑い話」に

こうした翁長知事の様子を、複数の自称・保守系まとめサイトが「笑い話」として取り上げた。

「保守系ニュースまとめ配信サイト」と自称する「アノニマスポスト」は、知事の容姿を以下のように評した記事を配信している。

【超速報】翁長知事、とうとうズラと決別して戦没者追悼式に登場~ネットの反応「誰?」「これでいいのに、なんで今まで違和感アリアリの作り物を設置してたのか」「抗ガン剤の副作用では無い年季の入ったハゲでワロタ」

ネット上の反応として、「もう死ぬのわかってるから」「抗がん剤治療を利用すんな」などというコメントを掲載。記事はTwitterとFacebookで少なくとも2000以上シェアされていた(計測ツールBuzzSumoによる)。

こうした内容には「抗がん剤治療をやっている人すべてへの侮辱」「誹謗中傷だ」などと批判が相次いだ。現在、記事は削除されているが、6月24日14時現在、謝罪などは掲載されていない。

広告撤退の流れも

一方、「政治、東亜ニュース」をまとめている「保守速報」も【速報】沖縄の翁長知事、ついに帽子を脱ぐとの記事を配信している。

「このほうが病人ぽいという判断かな」などという掲示板上の書き込みを紹介。この記事に対して「もう死ねばいいのに」などというコメントもある。

保守速報をめぐっては、差別的な記事内容などが問題視され、企業が広告配信を相次いで停止。これを受け、大手アフィリエイトやアドネットワークなども同サイトから撤退している


BuzzFeed Newsでは、【「嫌韓サイト」はなぜ黙認されていたのか? 「保守速報」から広告会社が自主的に撤退】という記事も配信しています。情報提供はこちら(japan-report@buzzfeed.com)。