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Hagexさんを偲ぶ……

ワタシ的には例外的な事態だが、このエントリは泥酔した状態で書いている。

今もなお信じられないとしか言いようがない。当たり前だが、こんな文章を書く日が来ようなんて想像したこともない。

ネットウォッチ勉強会「かもめ」#2「100万PVブログ達成への道」「ブログトラブル110番」開催後に、講師の Hagex さんが刺殺されてしまった。

なんてことだ……ずっと茫然自失に近い状態である。

Hagex さんとは発言小町などのネットウォッチという共通の趣味を最初のきっかけにして、以降ずっと交流があったのだが、実際にお会いしたのは、2014年11月に開催された第十九回文学フリマでの会場でお目にかかった一度だけである。

そのときも大した会話は交わしていない。今覚えているのは、Hagex さんの実家と当時ワタシが住んでいたところが同じ選挙区なんですね、とどうしようもなく他愛もないことだったりする。

Hagex さんと一番の縁は、なんといっても角川インターネット講座の第5巻『ネットコミュニティの設計と力 つながる私たちの時代』への寄稿である。これについては「ラストスタンド」という文章に書いているが、第1章が yomoyomo、第2章が Hagex というかなり異人感のある並びを実現できたことを誇りに思う。

Hagex 名義の単著は『2ch、発言小町、はてな、ヤフトピ ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い』だけとなってしまったが、彼の真価はそれだけに収まるものではない。今は、長らく当たり前のように享受してきた毎日更新される彼のブログで新しい文章を読むことができないのが悲しい。

最初事件の報に接したとき、ワタシが連想したのは村崎百郎の事件だった。が、現時点では加害者の動機や背景に何があるのか今は分からない。

どこまで書いていいのかわからないが、「弁護士を通じて記事を削除しろ、法的措置を取るというメールがしばしば来る」「差出人の背景を辿っていくと反社と繋がりがあることがわかったこともあった」「メンタルヘルスの必要がある読者からメールが来ることもある」と話していた。

hagexさん以外考えられない。 - はてこはときどき外に出る

これだけ物騒な話題にクビを突っ込んできた人なのだから、どの線で取り返しのつかない災厄を引き寄せてしまったのか断定できない。今回の訃報を受けた報道経由で彼の本業を知り、一層可能性が拡がってしまったあたりが Hagex さんらしい、ともいえるだろうか。

いずれにしろ、その凶行の舞台が、彼の出身地であり、「修羅の国」などと揶揄される福岡だったのは、その地に20年住んだワタシ的にはなんとも言えない気持ちになる。

ワタシもこの意見に同意する。そして、それは9年前に yomoyomo 名義で公の場で話をするのは、これが最後と明言したワタシ自身にとっても切実な問題だったりする。今回の事件は、現代の赤報隊事件とも言えるかもしれないのだよ。

5年ぐらい前になるだろうか、発言小町という共通の遊び場があり、ワタシは雨宮まみさんと Hagex さん(当時は Facebook をやってた)と3人でキャッキャやってた記憶がある。雨宮さんが2016年に亡くなり、そして今度は Hagex さんだ。なんてことなんだよ……

昨年の12月から『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』のプロモーションのため、このブログを再開していたが、そろそろ潮時だろう。また無期限活動停止状態に戻ることとする。新しいプロジェクトにとりかかるプランはあるので、また戻ってこれると思うが、ひとまずお別れである。

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