ハーイ、そこの車…。
Google翻訳って便利ですよね。5年前くらいはまだまだ頼りなげな翻訳で「こりゃ使えないな」と思っていましたが、今は「この言い回し良いな」と思うことも多々あって驚かされます。
そんなGoogleの翻訳機能ですが、果たしてどこまで信用していいのでしょうか? たとえば、人生を大きく変えてしまうほどの決断をGoogle翻訳に頼ってしまっても…?
カンザス州では、警察がGoogle翻訳を使い職務質問をして、コカイン所持の現行犯を逮捕しましたが、のちに行なわれた裁判で捜査方法が不当であるとして容疑者が釈放されたそうです。
2017年9月、アメリカのビザを持つメキシコ出身のオマー・クルス・ザモラ氏はカンザス州を車で走行中、ハイウェイパトロールに車を停止するように言われました。ザモラ氏は英語をほとんど話せなかったため、警察官のライアン・ウォルティング氏はGoogle翻訳を使ってコミュニケーションを図りました。
そして最終的にザモラ氏の車中から7700ドルの現金、14ポンドのコカインとメタンフェタミンを発見し、警察官は規制薬物法違反でザモラ氏を現行犯逮捕しました。
ザモラ氏は後に裁判にかけられることになりましたが、ここで捜査中のGoogle翻訳を使った会話は正しく翻訳されていなかったと主張したのです。
Google翻訳に「Can I search the car(車の中を調べていいですか)」と入力すると「¿Puedo buscar el auto?」と表示されます。しかしこれは「Can I find the car(車を探せますか)」という意味であって、本来の意図とは異なっていました
ザモラ氏は本来の意図を理解せずに、車内の捜索を認めてしまったと主張。裁判所もGoogle翻訳では完璧なコミュニケーションを計るに不十分という意見を認め、釈放を決定しました。
Google翻訳はお手軽で便利ですが、こういった場合はプロの同時通訳者に取り次いでもらうのが正解かもしれません。
でもそれよりもまず違法な薬物がアウトでしたね。
Image: Shutterstock
Source: TechCrunch, Quartz
AJ Dellinger - GIZMODO US[原文]
(中川真知子)