歩行者を死なせたUberのドライバーは事故当時スマホで動画ストリーミングを見ていた
公道走行試験中に、道路を横断していた歩行者をはねて死なせたUberの自動運転車による事故で、当時運転席に座って車両の運行をモニタリングする任務を負っていた女性が走行中に自身のスマートフォンで動画ストリーミングサービス「Hulu」を再生していたことが明らかになっています。
Uber driver was streaming Hulu show just before self-driving car crash - police report | Reuters
https://www.reuters.com/article/uber-selfdriving-crash/uber-driver-was-streaming-hulu-show-just-before-self-driving-car-crash-police-report-idUSL1N1TO05R
Uber Test Car Driver Streamed Hulu | Fatal Crash - Consumer Reports
https://www.consumerreports.org/autonomous-driving/backup-driver-for-uber-test-car-streamed-hulu-at-time-of-fatal-crash/
Uberの自動運転車による事故は、現地時間で2018年3月18日の22時にアメリカ・アリゾナ州テンピで発生したもの。運転席に人間を乗せた状態で自動運転を行っていた車両が、道路を横切っていた49歳の女性エレイン・ヘルツバーグさんに突っ込んで死なせてしまったものです。
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現地の警察は、Uberの車両に残されていた事故当時の映像を公開。運転席に座っていたドライバーが目線をあちこちに動かしており、あまり前を見ていなかったことをうかがわせる状況が報じられていました。
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そして今回、捜査を進めていた警察が提出した300ページ超の報告書では、運転席に座っていたラファエラ・バスケス氏が事故の42分前からスマートフォンで映像ストリーミングサービスの「Hulu」を再生していたことが明らかにされています。警察がHuluの記録を入手して調査したところ、バスケス氏のアカウントは当日の21時59分まで42分間にわたってテレビ番組「The Voice」を再生したことが判明。警察によると、再生終了時刻は「事故発生時と偶然にも一致する」ものだったとのこと。
警察が公開した映像では、確かにバスケス氏が目線を右手のある場所あたりに落として何かを見ているようにも見えます。
Tempe Police Vehicular Crimes Unit is actively investigating
— Tempe Police (@TempePolice)
the details of this incident that occurred on March 18th. We will provide updated information regarding the investigation once it is available. pic.twitter.com/2dVP72TziQ
報告書では、この事故に関して運転席に座っていたバスケス氏はvehicle manslaughter(運転致死罪)に問われる可能性があることが指摘されています。ロイターによると、この件についてUberはコメントを発表しておらず、バスケス氏からも即座に反応は返ってきていない状態であるとのことです。
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