のり巻き型からおにぎり型へ。走行中に車輪とキャタピラを自由にトランスフォームするタイヤをDARPAが開発

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のり巻き型からおにぎり型へ。走行中に車輪とキャタピラを自由にトランスフォームするタイヤをDARPAが開発
Image: DARPAtv/YouTube

外周にのりを巻いたおにぎりタイヤ。

カーネギーメロン大学と、軍事機器の開発を行なうDARPA(アメリカ国防高等研究計画局)が、円形から三角形にトランスフォームする車輪を開発。最終デモンストレーション映像を公開しました。

さまざまな地形を走行することが目的

この技術「Reconfigurable Wheel-Track(RWT)」は、さまざまな地形を走行することを目的に開発されており、走行中でもたったの2秒でタイヤの変形が可能です。4輪すべてに換装しても良し、後輪だけでの換装にも対応します。

Video: DARPAtv/YouTube

円形のときはキャタピラーがタイヤの役目を果たし、車輪と同時に回転します。ですが三角形になると、戦車のようにキャタピラーのみが回るのです。

サスペンションやLIDARを使った技術の開発も

映像では、デコボコが激しい路面でも車体を水平に保つサスペンション・システム「Multi-mode Extreme Travel Suspension(METS)」も紹介されています。このサスペンションは約182cmの伸縮が可能で、車輪は1mまで持ち上がり、76cm下の段差まで対応できるようになっています。ラジコンや玩具なんかには昔からありそうな感じですが、実車に採用されるのが新しいのですね。

さらにDARPAは、窓ガラスがなくてもモニターに車体の周囲を映し出す「Virtual Perspectives Augmenting Natural Experience(V-PANE)」も開発中。加えていくつもの車載カメラとLIDAR(ライダー:レーザー光線による測距)を使用し、MITとトヨタが研究中の「Maplite」のように、最適な走行ルートを画面に表示してくれる「Off-Road Crew Augmentation(ORCA)」という技術にも着手しています。

これら一連の技術は「Ground X-Vehicle Technologies(GXV-T)」と総称され、戦地での移動をより安全かつスムーズにしてくれるわけです。いつかは民間レベルでも、オフロード車に採用されたりするかもしれませんね。


Image: YouTube
Source: YouTube, DARPA

岡本玄介