「あなたはどう思いますか? 」と、会議中にいきなり意見を求められても、うまく意見を述べられなかった経験って、誰にでもあるはず。人前で話すのが得意な人でもないかぎり、大勢に注目されて考えを発表するのは容易なことではありません。

大手企業のコンサルティングやビジネスパーソンのトレーナーを務めるポール・アクステル氏は、ハーバード・ビジネス・レビューの記事で、会議で視線が集まったときのふるまう方法を紹介しています。いっせいに視線が集まるピンチを、たくさんの人から一目置かれるチャンスに変えてしまいましょう。

注目されても焦らないための「3つの基本姿勢」

一つひとつの会議に、注意深く準備しておく。

自分自身を信じる。

意見がなければ素直にないと言う。

ハーバード・ビジネス・レビュー」より翻訳引用

まずひとつめの「一つひとつの会議に、注意深く準備しておく」というのは、たとえば事前に配られるアジェンダがある場合、目を通しておくとよいです。会議が始まる前に、質問や重要と考えられるポイントをピックアップしておきましょう

次に「自分自身を信じる」というのは、発表する意見が平凡であったり、関連性が低かったりしても心配する必要はないというもの。本人が心配する以上に、周囲の人はあなたの意見に価値を見いだしてくれるものです。

3つめの「意見がなければ素直にないと言う」というのは、意見を求められても、何も思うことがなければ、無理に話す必要はないというもの。考え込んでしまうよりは、素直に「気を配って頂きありがとうございます。この件に関しては特に意見はありません」と答えることも必要、と、アクステル氏は説明しています。

アクステル氏はここで紹介した3つのポイント以外に、「ゆっくりと話をはじめる」「話を振られたときの返事を練習する」など具体的な対策も紹介しています。

「振り回されずに堂々と」がカギに

また、パナソニックを一代で築いた経営の神様、松下幸之助氏は次のように語っています。

自分に与えられた天分を完全に生かすことが、真の意味であり、ここに人間としての成功があると申しあげましたが、こう考えてまいりますと、成功の姿は人によってみな異なってくることになるのであります」

松下幸之助『松下幸之助の哲学』 より引用

意見は人によって異なるものであり、それぞれに価値があると言えるのではないでしょうか。

アイデアがもつインパクトの大きさ、発表方法のノウハウなどに振り回される必要はありません。会議に向けて準備をし、堂々と意見を述べ、ときには「わからない」とハッキリ言う。このプロセスこそが自分らしさを発揮することであり、会議で求められることなのです。

Source: Harvard Business Review

Image: Rawpixel.com/Shutterstock.com

カフェグローブより転載(2018.5.30)