2008年7月14日に産声を上げたライフハッカー[日本版]が、2018年7月に10周年を迎えます。そこで、10周年を記念したPV(プロモーションビデオ)を制作しました。ここでは、PV制作を担当した映像ディレクターと一緒にメイキングシーンを振り返りながら、個人でも生かせる動画撮影のテクニックや動画制作に欠かせないバックアップツールを紹介しましょう。

撮影にはカメラやライトだけでなく、バックアップ用の外付けSSDが有効なツールに?

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長嶺正俊(ながみね・まさとし):映像ディレクター、監督。テレビ番組、ドラマ、映画、広告など幅広いジャンルで活躍中。
Photo: 木原基行

今回、ライフハッカー[日本版]の10周年記念PVの制作を依頼したのは、ドラマや広告、ドキュメンタリー番組などを手掛けている映像ディレクターの長嶺正俊(ながみね・まさとし)さん。

編集部から「これまでの10年、これからの10年」をテーマに、1分弱の映像にしたいとリクエストを伝え、企画を提案してもらい、イメージ映像をテロップ(文字情報)とBGMで展開する構成に決定。さっそく撮影がスタートしました。

今回、撮影に使用したカメラは、1秒間に240コマまで撮影可能なHS(ハイスピード)カメラ。記録媒体は64GBのSDXCカードを3枚。そして、撮影した映像データをバックアップするための外付けストレージです。

「撮影した映像データをバックアップするために、今回初めて、サムスンのポータブル外付けSSD『T5』の1TBモデルを使いました。機材選びは大事ですが、なかでもバックアップ用ツールは特に重要。万が一、記録したSDXCカードに映像データを上書きをしたり、静電気でデータが飛んだりしたら、すべてが台無しです。1時間ごとに必ずバックアップを取るディレクターも珍しくないですよ」と長嶺さん。

確かに、撮り直しができない場合があることを考えると、バックアップは大事な保険になるわけです。

「もちろん、外付けストレージを保険として活用するわけですが、映像データを1台のストレージにまとめ、用意した記録媒体を繰り返し効率よく活用する意味もあります。また、使用したHSカメラの場合、64GBのSDXCカードにHD動画(1920×1080、1秒60コマ、PSモード最大28Mbps)を記録できるのは約5時間。しかし、1秒240コマのハイスピード撮影で1秒30コマ録画の場合、記録時間は1/8の約40分程度になるので、バックアップを繰り返すことが必要だったわけです」と、バックアップの重要性を長嶺さんは語ります。

では、今回のPVの見どころにもなった、HSカメラによるハイスピード撮影にした理由は?

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Photo: 木原基行

「ハイスピード撮影をすると、同じ動きでも日ごろ目にすることができない、ゆっくりとした独特の映像になります。時間の流れを意識的に変えて印象づけることが、“これまでの10年、これからの10年”というテーマに合っていると思いました。ライフハッカー[日本版]と読者が歩んできた10年という時間の流れをハイスピードで撮った映像で表現して、これからの10年、未来へ踏み出すイメージですね」とPV制作の意図を説明する長嶺さん。

ちなみに、ハイスピードカメラといえばプロユースのイメージですが、1秒間に960コマの撮影ができる『Galaxy S9』のように、スマホでもスーパースローモーション撮影が可能です。

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左:HSカメラで女性のまばたきをハイスピード撮影。右:後述の編集作業で色味を抑えたイメージ映像に加工。
Photo: 木原基行 / Image: ライフハッカー編集部

長嶺さんは「日常の何気ない1コマも、スーパースローモーションで撮影すると、一筋の雨が雨粒がこぼれるように映ったり、今回のPVで言えば、まばたきする瞬間をハイスピード撮影することで、自分がこれまで見てきた10年と未来を見つめるまなざしをより印象づけるなど、見たことのない世界をとらえた演出ができます。また、子どもやペットを撮影する場合でも、予想ができない表情や驚きのシーンが撮れると思います。『T5』なら、パソコンだけでなく、スマホやタブレットから直接バックアップすることもできるので、さまざまな動画撮影も安心してできるのでは…」と教えてくれました。

スマホで気軽に撮影するシーンが増えている昨今、4K動画はもとより、高解像度の写真撮影など、撮影データの大容量化はこれからも続くトレンド。動画や写真を撮影したら万が一に備えて、快適に撮影を楽しむためにも、こまめに外付けストレージに保存することは必須。事実、今回のPV撮影でも、高速データ転送ですぐにバックアップが取れる『T5』が大活躍したそうです。

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撮影の合間にパソコンを介して、ポータブル外付けSSD『T5』にバックアップ。
Photo: 木原基行

「一般的な撮影は、ディレクターとアシスタントディレクターに加え、カメラマン、照明、音声、ビデオエンジニアのチームで行い、HDD(ハードディスクドライブ)に映像データをバックアップします。しかし今回は、私とアシスタントディレクターの2名で他の役割を兼務しながら効率よく撮影をする必要があったので、『T5』を活用することで、HDDと比べて映像データを圧倒的なスピードで高速転送できたことや、小型・軽量で持ち運びがラクだったのは、たいへん助かりました。」と長嶺さんは使い勝手と効率の良さを語ります。

先ほどスマホ撮影の話が出たので、ここで長嶺さんに、スマホなどでも生かせる動画撮影のテクニックを伺いました。

「もっとも手軽にキレイな映像を撮るには、ライトにこだわることです。スマホにはLEDライトがありますが、小型の外付けライトを使うことをオススメします。外付けライトの光は、被写体に当てる位置によって陰影が変わり、深みのある映像になりますよ」と長嶺さん。また「撮影をはじめるときと終わるときは、しっかりとスマホを固定して、止まった状態をつくり出すと、編集する際に映像を切り分けしやすく、作業がラク」になるそうです。

書き込み・読み出しのデータ転送速度が、編集作業も加速させる?

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Screenshot: ライフハッカー編集部

無事に撮影が終わり、最後は編集作業です。ポータブル外付けSSD『T5』に保存してある撮影データをパソコンに読み込んで編集を行いました。使用したソフトは『Adobe Premiere Pro』です。

「『T5』は、HDDよりもデータを読み出すだけでなく、書き込み速度も速いので、パソコンにデータを保存しないで、直接『T5』から編集ソフトにデータを転送しましたが、コマ落ちすることがなく、快適に編集作業ができました。『Adobe Premiere Pro』はYouTuberをはじめ、趣味的な動画制作でも使っている人が多いと思いますが、ポータブル外付けSSD『T5』との相性はいいと思いますよ」と長嶺さん。

また、今回の撮影では、渋谷のスクランブル交差点など、日常的な風景を撮影しましたが、編集作業中の映像を見ていると、まったく異なる世界観が広がっていました。

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Image: ライフハッカー編集部

「撮影した映像をそのまま使うと、ありのままの印象になってしまい見る人の創造力を削いでしまうことがあります。そこで、イメージ重視のクールな映像で構成するために、編集作業では、色味を抑えて、コントラスト(輝度で明るい部分と暗い分のギャップをつける)を上げ、青味を加えるなど、生々しさを感じないようにしました。また、過去のイメージを表現するために、映像をセピア調やモノトーンにすることもありますが、ありがちな演出はしたくないので、青みがかった映像にダメージフィルムのエフェクトで過去感を出してみました」と長嶺さんから編集作業のポイントを教えてもらいました。

さて、撮影と編集作業を終えて、ライフハッカー[日本版]の10周年を記念したPVが完成したので、見てみましょう。


今回はライフハッカー[日本版]の10周年記念PVの制作過程を追いながら、一般の人でも生かせる撮影テクニック、外付けストレージのバックアップや活用方法などを紹介してきました。

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一般的な名刺サイズより小さい『T5』。250GB、500GB、1TB、2TBの4モデルがあり、付属のUSB Type-C to Cケーブル、USB Type-C to Aケーブルにより、パソコンだけでなく、スマホやタブレットでも利用できます。
Photo: 木原基行 / Image: fad82/Shutterstock.com

そこから見えてきたのは、高解像度の動画や写真の撮影を可能にするデバイスの進化と、撮影データの大容量化に対応した、バックアップ用ストレージの重要性です。その意味で、大容量なのにコンパクトで携帯性に優れ、高速データ転送が可能なポータブル外付けSSD『T5』があれば、あらゆる撮影シーンの強い味方として活躍してくれそうです。

また、最後に「とにかく効率が求められる制作現場では、大容量のデータを高速で読み出しや書き込みできると、時間を有効に使えて生産性も高まりそう」と長嶺さんは話してくれました。この考え方は、さまざまなデータを扱い、持ち運びすることが多いビジネスシーンでも同じ。ビジネス、プライベート、プロユースで使いこなしてみませんか。


Photo: 木原基行

Image: fad82/Shutterstock.com , ライフハッカー編集部

Screenshot: ライフハッカー編集部

Source: ポータブル外付けSSD『T5