我らAI、人間などには負けはせぬ。AIが人気eスポーツゲームで人間に勝ち始めている

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我らAI、人間などには負けはせぬ。AIが人気eスポーツゲームで人間に勝ち始めている
Image: OpenAI/YouTube

特殊な条件下とはいえ、凄い!

RTSに近い形式で各プレイヤーがヒーローを操作しチーム戦を繰り広げるMOBA系ゲームの金字塔『Dota 2』。競技性の高さも売りとなっていて、毎年行なわれる世界大会「The International」では世界最大級の賞金(昨年度は総額で3800万ドル、約41億円)が用意されeスポーツ業界を盛り上げています。

そんな中、イーロン・マスクが設立したことでも知られるオープンソースのAIを研究する機関「Open AI」が開発した5つのニューラルネットワークのAIチーム「Open AI Five」が『Dota 2』の特殊な条件下の試合で人間のプレイヤーのチームに勝利したのだとか。

Open AIのブログによると、「Open AI Five」は、今年8月の「The International」でプロ・チームを倒すことを目指し開発が進められており、AI同士の対戦を1日に180年分の対戦を繰り返ししながら成長中とのこと。

そして「Open AI Five」は今年5月15日に開催した対戦会で、Open AIの最強スタッフ・チーム(2500MMR。MMRとはランク戦での勝敗で増減するレーティングのこと)、Blitz(元プロのプレイヤーの解説者)+最強観客チーム(MMR4000~6000前後)、Dota2開発元Valveのスタッフ・チーム(2500~4000MMR)という寄せ集めチームに勝利。

しかし、チームとして練習を積んできているアマチュア・チーム(4200MMR)、プロ・チーム(5500MMR)には負けてしまったとのこと。

ただし、これは同一ヒーロー(Necrophos、Sniper、Viper、Crystal Maiden、Lich)を用いたミラーマッチで、他にもさまざまな能力・スキルを使用不可にした状態というかなりがっつり制限を設けた状態なので、普通にゲームをして勝ってるというわけではないですが、それでも十分凄い!

先行研究が進んでいるチェスや碁といった対戦ゲームに比べて『Dota2』は処理する情報が圧倒的に多い上にターン制ではないのに、それを5キャラ分も動かして、遊んでいるプレイヤーのチームに勝ててしまっているのは恐ろしいくらい。

ちなみにOpen AIはすでに1対1の対戦では通常のルール下でプロ・プレイヤーに勝利しているので、このまま成長をを続ければいずれ人間のチームに勝てる日が来るかもしれません。イーロン・マスクはAIによる人類への宣戦布告を憂いていましたが、その一方で彼の研究機関がこういうものを開発しているというのも面白い。

そんな「Open AI Five」の新たな試合は2018年7月28日にTwitchで配信予定。果たしてどれだけ進化しているのか、気になりますね……!



Image: YouTube
Source: OpenAI, YouTube

傭兵ペンギン