米Lifehackerが人生の役に立つ言葉を紹介するシリーズ「Mid-Week Meditations」へようこそ。ストア派の知恵を探求し、それを使って自らを省みて、人生を好転させましょう。
今週は、マルクス・アウレリウスの『自省録』からの言葉を紹介します。この本の11巻で、アウレリウスは、変化というものの興味深い様相について語っています。
未熟な葡萄(ぶどう)、熟した葡萄、干し葡萄ーーすべて変化である。それは存在しなくなるためではなく、現存しないものへの変化である。
『自省録』:岩波文庫、第11巻
あるいは:
未熟な葡萄、熟れた葡萄、干し葡萄、すべて変化である。それは、無へと向かう変化ではない。まだ存在しないものへの変化である。
この言葉の意味するもの
アウレリウスは、葡萄は物体ではなく、事象だと言っています。未熟な葡萄からはじまり、熟した葡萄になり、最後には干し葡萄になります。さらにその後は、分子に分解され、また別のものになります。決して存在がなくなるわけではありません。「まだ存在しないもの」に変わるだけです。私たちが葡萄だと認識しているものは、実際には変化そのものなのです。
あなた自身にも同じことが言えます。人生は事象であり、絶えず変化しています。かつては子どもで、現在、成熟しつつあり、いつの日か年老いていきます。自分自身を「まだ存在しないもの」へと絶えず変化し続けるプロセスなのだと考えてください。
そこから学べるもの
変化とは、単に人生の重要な側面というだけではありません。変化とは人生そのものです。あなたの心と体は毎日、毎秒、変化しています。母親に身ごもられた瞬間、新生児へと変化をはじめます。そして、この世に生まれでた瞬間から、幼児へと変化していくのです。そして、少年少女、青年へと変化していきます。すなわち、あなたは常に、あなたの別バージョンへ変化する途上にいるということです。
絶え間なく続く変化の過程で、あなたはたくさんの選択をすることになります。あなたがするあらゆる行動、あなたが許すあらゆる行為、あなたが下すすべての決断は、あなた自身の手に委ねられています。こうした選択には、ごく単純なものもあります。
- ピザを食べるか、サラダを食べるか?
- 運動をするか、ソファに寝そべるか?
- このシャツを着るか、あのシャツを着るか?
- 今すぐ起きるか、15分後に起きるか?
もう少し複雑な選択もあります。
- キャリアで思い切った冒険をしてみるか?
- 新しい街に引っ越すか?
- 愛していると伝えるか?
変化を止めることはできませんが、変化を方向づけることはできます。否が応でも、あなたは絶えず変化し続けていきます。変わらないという選択肢はありません。それはあなたの周囲のすべての人、すべての物に当てはまります。あなたは変化をどのように操縦しますか?
変化とは贈り物です。そして変化とは自由でもあるのです。
Image: Fraser Mummery/Flickr
Nicole Dieker - Lifehacker US[原文]