何に使うの? 今度はマウスピースがスマート化

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  • author 岡本玄介
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何に使うの? 今度はマウスピースがスマート化
Image: DIGITAL TRENDS via NextFlex

これがあれば力石徹は死ななかったかも。

1979年にスティーブ・ジョブズが見学に訪れたことでも知られる、ゼロックス社のパロアルト研究所が、フレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクスに特化した研究機関NextFlex、カリフォルニア大学らと共同で、スマート・マウスピースを開発しています。さて、いったい何に使うんでしょう?

センサーは小さく柔らかなピースの内側に搭載されており、酵素酸化を基に定電位電解法を用いて唾液の乳酸とグルコース(ブドウ糖)の値を検知。そう、スマート・マウスピースは、唾液から脱水症状や疲れ、それに精神的な疲れのレベルまでをも見つけ出す、アスリートの頼もしい味方だったのです。

取得したデータはスマートフォンに送信される仕組みになっています。さらにセンサーは無線充電ができるので、バッテリー部分はピース内に埋め込まれています。なので口腔内で感電する心配はありません。それに基板は交換が可能で、たとえば尿酸などほかの成分検知が得意なものにも変えられるようになっています。

センサー自体はすでに完成していたのですが、それをどうやってスポーツ選手の口腔内に無理なく実用化できるのか?がこれまでの課題だったのです。そこでパロアルト研究所が、小さくまとめたコンセプト・モデルを作ってくれました。そしてNextFlexはこれを、大量生産できるように改良したのでした

こう語るのは、NextFlexの技術監督ジェイソン・マーシュ氏。今後は実際に口の中で作動が上手くいくのかなどを検証し、普及を目指すようです。

かつてはVRゴーグルで選手の脳震盪具合を調べる技術があったように、科学技術の力でスポーツがどんどんハイテク化していますね。スマート・マウスピースは、オーバートレーニングを防止するなどして、より適切で効率的なトレーニングを実現していくのに役立ちそうです。


Image: NextFlex
Source: DIGITAL TRENDS

岡本玄介