【塩とキャベツだけ】超シンプル「ザワークラウト」自作で野菜消費量3倍を目指す

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ちみをです。忙しい現代人、食べているつもりで食べていないのが野菜。

 

私ですか? もちろん全然食べてません。いちおう食生活には気を使っているつもりではあったのですが、先日冷静に1日の献立を思い返してみると、ちょっとゾッとするものがありまして……。

 

ある日の私の食生活

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:抜き(前夜飲みすぎにつき)

 

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:カツ丼

 

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:ビール(ツマミなし)

 

夜のビールのみ、ってこの日はちょっと極端ですが、でもこの日に食った野菜ってカツ丼に入ってる玉ねぎしかねえじゃんっていう。カツ丼についてきた味噌汁に入っていた、ワカメは野菜なのですかどうなのですかっていう。

いずれにせよ、コレはいい年した大人の食生活として非常に恥ずべき状態ではないかと、我ながら得も言われぬ強い焦燥感を覚えたのです。

 

よし、野菜、食うぞ

さっそく私はいきつけのハナマサに向かい、キャベツを仕入れてまいりました。

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なぜか1玉で売っておらず半玉2つを購入、これで250円くらい。いやぁ、ひと時は1玉 500円超えてましたからね。仮想通貨もびっくりの相場下落ですっかりお求めやすくなりました。本日はこれでザワークラウトを仕込んでみようと思います。

 

ザワークラウトと言えばドイツの国民的料理であり、ドイツビールのお店に行くと永遠にソーセージと対消滅するアレなのですが、いざレシピを探すと

  • ハーブやら酢やら材料もいろいろ必要だったり要らなかったり
  • レシピによって発酵させたりさせなかったり

……と、どれが正解なのか、よくわかりません。しかし、実は、絶簡単にできます。材料の重ささえ量れば、なんの難しいことはありません。材料はなんと2つだけ、「塩とキャベツオンリー」です。ほんと誰でもできます。

 

簡単すぎるザワークラウトの作り方

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 【材料】

  • キャベツ(1玉)
  • 塩(キャベツの重量に対して2%)

 

【作り方】

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1.保存する瓶(密閉できるやつ)をきれいに洗う。煮沸した方が良いが、面倒ならキッチンタオルに焼酎を浸したもので中を拭いておきます。アルコール消毒ですね。

 

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2.キャベツを洗って千切りにし……

 

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3. キャベツの重量に対して2%の規定量の塩(今回はキャベツがだいたい1,000gくらいだったので20gの塩)を加え……

 

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4. 軽くもんでクタッとさせる。

 

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5.しばし放置し水分が出てきたらそれごと瓶に詰め、日陰の常温で1週間ほど放置したら完成。

 

千切りも雑でOK、適当適当。

あとはキャベツに付着した乳酸菌が大暴れするさまを毎日見届けるだけです。

 

発酵が進むと、さらに水分が出てくるので気が向いたら混ぜてあげると良いでしょう。本当はオモシをした方が良いのですが、別に無くてもできます。

 

発酵の進む過程でふたを開けると「ブシュン」とガスが噴き出しますが、これは成功している証しですね(破裂の恐れがあるので、朝晩ふたを開けてガス抜きしましょう)。

発酵の浅いうちは若干の腐敗臭がしますが、これは1週間もすると落ち着きます。

ドッシリ構えて出来上がりを待ちましょう。

出来上がったら冷蔵庫で1年くらいは持ちます。

 

唯一のコツといえば、塩をちゃんと量ること。

 

多すぎるとしょっぱくて食べられないし、少なすぎると最悪の場合、腐ってしまうことがあるようです。

 

「キャベツの重さに対して2%の塩」、何度か作ってみましたが、わりとこれが鉄板だと思います。慣れないうちはちゃんと量りましょう。

 

1週間後

さて、1週間後はこんな感じ(別にもっと早くでも、浅漬けで食べられるといえば食べられます)。それでは試食。

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うん! 市販のものよりシャキッとしてうまい。

完全にこの密閉空間を乳酸菌が支配しておりワイルドな酸味が素晴らしい。

まあもちろんそのまま食べても最高であり野菜摂取量も急上昇しそうなのですが、せっかくなのでいろいろ料理していきたいと思います。

 

ザワークラウトは優秀な常備菜でありつつ食材としての汎用(はんよう)性も申し分ないという非凡なユーティリティープレイヤー。食べ方バリエが無限なのです。

 

それでは、彼のおかげで生まれ変わった私の、とある日の食生活をご覧ください。

 

朝:ザワークラウトのツナトマトスープ

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色彩も風味もバチ爽やかな奴。

 

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【材料】

  • トマト缶(1缶 400g)
  • ツナ缶(1缶)
  • ザワークラウト(200gくらい)
  • コンソメ(キューブ一個)

 

【作り方】

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1.鍋に全部突っ込んで煮えたら完成。

 

全部煮るだけ、包丁も使いません。爽やかな酸味は起床後のまどろみのなかで啜(すす)るにはピッタリの逸品。

 

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塩味はザワークラウトの塩分で必要十分。コクになるのでツナ缶は油ごと投下、ザワークラウトは汁もレッカーなので一緒に入れると良いでしょう。

タダでさえガシガシ食べられるザワークラウトを、さらに効率よく摂取できます。仕上げにお好みでパセリやバジル、粉チーズなどを添えるのも良いです。

 

昼:ザワークラウトの巣ごもりトースト

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オシャレそうでオシャレじゃない、チョットオシャレなトースト。

 

【材料】

  • 食パン(厚め)
  • 卵(1個)
  • ザワークラウト(ドッサリ)

 

【作り方】

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1.食パンを殴ります。

 

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2.パンが陥没したら……

 

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3. 表面に満遍なくザワークラウトを散りばめます。

 

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4. クレーターに卵を落とします。

 

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4.グリルかトースターで弱火で5分ほど焼きます。卵の表面が白くなってきたら完成。

 

包丁も使わず材料をのせて焼くだけ、ケチャップはお好みでぶっかけると食べ応えが増しますが、すでにザワークラウトで塩味はついてます。

 

コツは卵を常温に戻しておくこと。冷蔵庫から出して直ぐでは冷たいためになかなか焼けず、パンの方が先に焦げてしまいます。焼き時間は適宜調整しましょう。

 

また、パンの焦げつきをなるべく防ぐため、ザワークラウトはパンの表面に満遍なく敷き詰めると良いでしょう。休日のランチにぴったりなオシャメニュー、オッシャオシャです。

 

夜:ザワークラウトとソーセージのカレー炒め

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ドイツvsインド+ビール=ワールドハピネスです。

 

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【材料】

  • ソーセージ(1袋)
  • ザワークラウト(200gくらい)
  • カレー粉(小さじ半分くらい)
  • クミン(ホールで小さじ半分くらい)
  • にんにく(チューブで適量)
  • 胡椒(少々)
  • サラダ油(少々)

 

【作り方】

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1.ソーセージを適度な大きさにカットカット。

 

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2.サラダ油とクミンをフライパンに入れて弱火で加熱。

 

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3.クミンの香りが出てきたらソーセージとにんにくを炒める。

 

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4.火が通ったらザワーとカレー粉と胡椒を入れ、さらにさっと炒めたら完成。

 

やっぱソーセージっしょ、君しかいないっしょ。

 

炒めるだけで即ドイツ、無限にビールと戦える悪魔のツマミ。今回はカレー味で仕上げましたが別にカレー味にしなくても良いです。胡椒だけでも全然成立します。

 

なんならカレー味は逃げと言ってしまってもいいでしょう。どんな料理もカレー味にしてしまうことで強制的に80点にするという錬金術であり、私の心の弱さを象徴するのがこのレシピなのです。

 

でも、うめー、うめー。

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ビールが止まらないですね。ひとりドイツ、ときどきインド。

 

という感じの献立で、スープは半分だけしか食べてませんが、おおよそ合計400gはキャベツを消費しました。たった1日で

 

カツ丼の玉ねぎしか野菜を取っていなかった日と比べると3倍どころではない莫大な消費量、食物繊維過多。心なしか昨晩より格段に健康になった気がします。

 

生野菜というのはカサがはるので食べるのが大変だし、すぐ腐る。その点、ザワークラウトはしんなりしているからズルズル食べられて、調理の幅も広く飽きもこない。そしてなにより冷蔵庫で1年は持つという強靭(きょうじん)なタフネス。発酵食品バンザイですよ。

 

あと乳酸菌がすごいとかビタミンがすごいとか栄養面でいろいろあるようですが、詳しくはよくわかりません。とにかく結構ヤバいらしいのですが面倒なので各自調べてください、よろしくです。

 

てな感じで、1kgも仕込んだのに出来上がり初日でほぼ半分食べてしまうくらい素晴らしすぎる食材、ザワークラウト。ドイツが好きでも嫌いでも、食生活を改善したい中高年の皆様、ぜひ一度お試しあれ。

 

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しかしなんだかんだ言っても、ゆでただけのソーセージとボリボリやっていくのが不変の真理ではあります。ビール消滅器。ごてあらポーは正義。

 

・条件次第で発酵が早く進んだり、逆に進まずに腐敗したりする場合があります。調理する場合は十分に注意して行ってください。
・まな板や包丁を消毒しておくなど、清潔な環境で行いましょう。
・新鮮なキャベツを使いましょう。
・夏場は1日~3日、冬場は3日~7日ほど常温で置くのが目安です。

 (2018年7月2日追記)

 

書いた人:ちみを

ちみを

1980年生。銀河で一番美味しく飯を喰らい酒を呑む才能を持ち、食と何かを無理やり結合させることを得意とする食コンテンツサプライヤー。昼はしめやかにリーマンを営む。好きな言葉は「牛飲馬食」。好きな女優は「80年代のかたせ梨乃」。

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