2016年5月29日公開記事を再編集して掲載しています。

さあ、いよいよ今の仕事も最終段階。

退職届を提出した今、新しい人生の船出まで、最後の2週間を残すのみとなりました。そんなあなたのために、会社を美しく去る方法をお伝えします。

上司や同僚への引継ぎをしっかりと行う

今の会社が好きだったにせよ、そうでなかったにせよ、できるだけ跡を濁さずに立つことが最終目標です。

関係するすべての人々が、スムーズに移行できるように配慮しましょう。慣例として2週間前に退職願を提出しなければならない(米国の場合/日本では1カ月前が目安)のはそのためです。雇用主は、その2週間のうちに後任者を探すことができます。退職願は礼儀正しくポジティブ、かつ手短に書きましょう。

後任者への指導、お勧めの後任者の提案、引き継ぎ書の作成などを申し出ると喜ばれるかもしれません。長期休暇前の準備と同じように考えるといいでしょう。

たとえば、自分が担当していたIT関連のよくある問題への対処法をマニュアルにして、上司と同僚の両方に渡してください。今回の長期休暇から戻って来ることはありませんが、会社に謎を残して行かないようにしましょう。

また、雇用契約を確認して、自身の退職を同僚やクライアントに前もって話していいかどうかを確認しましょう。わからなければ、上司に聞けば教えてくれるはずです。

契約によっては、競合他社への転職を想定して、「非競争」契約があるかもしれません。これは、転職者がクライアントを奪うことを防止するもので、かなり繊細な問題です。転職先で言っていいこととそうでないことが定められていますので、決められたプロトコルに従ってください。

重要な仕事を終わらせる

着手済みのすべての仕事を2週間(or 1カ月)で終わらせられるとは限りません。そんなときは、重要性と残り期間を鑑みて、プロジェクトに優先順位をつけましょう。

終わらせることができるものとそうでないものをすべて、上司に明確に伝えてください。

とはいえ、この2週間(or 1カ月)でがんばりすぎないこと。あとは去るだけなのだから、新しいことや、イノベーティブな計画に参加すべきときではありません。

上司がワーカホリックだと、いなくなる社員に無茶な仕事を押し付けようとすることがあります。その対象になってしまったら、一歩も引かずに、できることとできないことをはっきりと伝えてください。

言うまでもありませんが、最後の2週間(or 1カ月)を動画を見て過ごしたり、連続で病欠したりしないでくださいね。

コンピュータのデータ整理・必要なものはバックアップを

本来であれば職場のコンピュータに個人的なファイルやメールは保存していないはずですが、実際は保存している人が多いのではないでしょうか。

アクセスできなくなる前に、ファイルの整理と個人的なデータのバックアップをしておきましょう。画像、音楽、動画、個人的な文書などを検索して、コピーなり削除なりしてください。

IT担当部署の多くは、あなたの個人ファイルの中身を確認せずに、次の人のためにコンピュータを初期化するはずです。そのまま残して去るのは不安だという人は、履歴、ブラウザのお気に入り、クッキーなどを「CCleaner」のようなツールを使って消しておきましょう。IT担当部署に、返却方法を確認してみるのもいいかもしれません。

ほとんどの会社が、従業員との間で「職務著作」契約を結んでいます。これは、仕事の一環として創作した著作物が会社に帰属することを意味します。

自分でデザインしたロゴや作成したプレゼン資料などを、退職後のポートフォリオとして使いたい、記録として残しておきたいなどの希望がある場合は、コピーができないか上司に尋ねておきましょう。秘匿情報や企業秘密が含まれておらず、さらに円満退社であれば、許可がもらえるかもしれません。

デスクの整理と人事部との対話

個人的な持ち物をオフィスに残しておかないようにしてください。

最終日に一気に持って帰るのではなく、少しずつ運び出しましょう。また、退職手続について人事部から連絡があるはずです。確定拠出年金、健康保険、未消化の有給休暇の扱いなどについて、きちんと確認してください。人事部から連絡が来なければ、こちらから問い合わせて、会う約束を取り付けましょう。

心配事はすべてクリアにしてから最終日を迎えてください。

退職者面接がある場合、事前に答えを考えておきましょう。真っ赤な嘘をついてもいいですが、会社の改善に貢献したいなら、正直に話しても構いません退職の理由を伝えて、毅然とした態度で去りましょう。

罪悪感を感じない

退職までの期間は、甘く切ない複雑な心境になるでしょう。あるいは、一刻も早く辞めたい場合は、拷問のような2週間かもしれません。

いずれにしても、最終日には罪悪感を感じることがあるでしょう。でも、その必要はありません。チームや友達を置き去りにするのはつらいかもしれませんが、退職しても人間関係を続けることは可能ですし、そうするべきです。でも、雇用主は友達ではありません。それに、会社はあなたが来る前から回っていました。だから、あなたがいなくなっても、何の問題もなく回り続けるでしょう。

以上を参考に、同僚との最後の日々を楽しんでください。着手済みの仕事をきちんと終わらせ、美しく去ることに成功したら、1週間ぐらいの休息を取りましょう。十分にリラックスしてから、次の冒険に出発するのです。

Melanie Pinola(原文

Illustration by: Angelica Alzona.