子どもがだんだん成長してきて一緒にテレビをみられるようになったのは、親としては嬉しいことです。我が家では、家族で一緒に見られる番組がだんだん増えてきました。たとえば、子どもたちが出場して料理の腕を競い合う番組『マスターシェフJr.』が始まると、我が家は全員、すぐソファに集まって毛布にくるまり、小さなシェフたちがそれぞれ創作料理を作る光景に夢中になります。

テレビを見ることは、「ここに座ってこのアニメを見ていてちょうだい。その間にママは仕事を片づけるから」という感じから、家族の絆を深める時間へと変わってきました。

子どもとの会話がはずむ、サイレントムービーの勧め

我が家では、最近、サイレントムービーも見るようになりました。Redditで「古典的なコメディには子どもにぴったりのものがある」と推奨しているのを私が読んだことがきっかけでした。代表的なのは、チャーリー・チャップリンやバスター・キートンのスタント中心の名作や、お笑いコンビ「ローレル&ハーディ」の作品です。比較的シンプルなストーリーを体の動きで表現している作品ばかりなので、子どもはさほど話の筋がわからなくても、すぐに引き込まれてしまいます。また、短い作品が多いので、集中力が続かない年齢の子どもにはぴったりです。さらに、セリフのやり取りがほとんど無いので、見ている子どもが想像力を働かせることになります。子どもの脳は登場人物たちがどう感じ、どのような展開を期待してそうすることにしたのか、考えることになります。親も子どもの横で説明して補足してあげられるので、こうした作品を見ている間はかなり子どもとの会話がはずみます。

音がないからこそ新たな発見がある

私が5歳の娘と親子で見た最初の作品は、チャーリー・チャップリンのハイブリッド版サイレント・トーキー『モダン・タイムズ』(1936年)でした。これは、産業革命で機械の歯車にさせられてしまう工場労働者の話です。とてもおもしろいのですが、白黒映画なので娘は途中で飽きてしまうかなと思いましたが、そうはなりませんでした。娘の目はチャップリンに釘付けになり、彼の滑稽なしぐさに45分間笑いっぱなしでした。

映画の間、私は字幕を読んだのですが、みんなで実況型の本を一緒に読んでいるような感じがしました。途中で娘が「ママ、この映画は全然サイレントじゃないね。だって音楽が流れるもの」と賢い指摘をしました。その通りです。音楽があるとどれだけ場面が生き生きするか、家族で一緒にした嬉しい発見です。映画が終わりテレビを消すときには、「あとでもっとこの映画を見てもいい?」と娘から聞かれました。もちろんですとも!

こうした古いサイレント・ムービーには、喫煙、アルコール依存症、破壊行為、窃盗などの大人のテーマが描かれているので、それを子どもに解説することが大切だという考えの人もいます。現に、私も『モダン・タイムズ』の始めの方に出てくるシーンを見て、「これって職場におけるセクハラよね」と思い、「追いかけられたくない人を追いかけるのは良いことかしら」と子どもにささやいたことがあります(「良くない」と子どもは答えました)。とは言え、子どもに映画をありのままに鑑賞する力を与えるのは良いことだと思います。今は、こうした映画を鑑賞していると、制作のさまざまな舞台裏が垣間見えるので、子どもが興味を示したらそれも子どもに説明してあげられるのも良い点です。たとえば、『モダン・タイムズ』では、あの有名なローラースケートのシーンがどのように撮影されたかわかります(すごいですよ!)。

子どもと楽しみたいサイレントムービー5選

子どもと一緒に鑑賞するなら、次のような古典的なものから始めてみてはいかがでしょうか。

『モダン・タイムズ』(1936年)

チャーリー・チャップリンの作品  人が歯車になるシーンが有名

『サーカス』(1928年)

チャーリー・チャップリンの作品  ライオンの檻に入っているチャップリンが印象的

『キートンの探偵学入門』(1924年)

バスター・キートンの作品 追跡シーンと意外な発見がたくさんあって、あっという間の44分間

『午前1時』(1916年)

チャーリー・チャップリンの作品  チャップリンが身体を使った独演コメディ

『リバティ』(1929年)

ローレル&ハーディの作品  大人も子どもも楽しめる建設シーン

Michelle Woo – Lifehacker US[原文

Image: Modern Times, starring Charlie Chaplin.