敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ。今回はアメリカ西海岸に拠点を置くボクシングとフィットネスのコーチングスタジオ、Gloveworxを創設したレオン・アズブイケさんの仕事術です。

レオン・アズブイケさんってどんな人?

一夜にして成功したように見える人には、必ず長年の努力があるものです。ボクシング・トレーナーのレオン・アズブイケ(Leyon Azubuike)さんが最初に始めたジムは、うまくいきませんでした。でも、彼はプライベートコーチをしながらその夢に再挑戦しました。

彼が立ち上げたGloveworxは、現在、ロサンゼルスで2つのスタジオを持ち、もうじきニューヨークにも進出します。

そんなレオンさんに、ここまでのキャリアパスやコーヒーを飲む代わりにしていること、急激な成長を遂げているビジネスを管理しながら今でも続けているプライベート・トレーニングの話を聞きました。

居住地:ロサンゼルス(もうじきニューヨークに移ります)

現在の職業:Gloveworxの創設兼ボクシング・ストレングス&コンディショニング・コーチ

仕事の仕方を一言で言うと:モチベーション

現在の携帯端末:iPhone X

現在のPC:MacBook Pro

── まず、略歴と現在の仕事に至るまでの経緯を教えていただけますか?

父がボクサーだったので、私はボクシングがいつも身近にある環境で育ちました。ボクシングは常に私の一部でした。でも、子どものときは、バスケットボールとフットボールに夢中になり、その後、テンプル大学で大学フットボールの選手となり、チームのキャプテンも務めました。

大学4年生のとき、膝を痛めて、途半ばでフットボールのキャリアは諦めました。ボクシングが再び私の生活の中で大きな割合を占めるようになり、プロになれると確信したのです。

今の成功をつかめたのは、あのとき落ち込まず方向転換できたせいだと思います。どんなときも活路はあるものです。

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コーチするレオンさん
Image: Gloveworx

真剣にトレーニングを始め、すぐに元WBCヘビー級チャンピオンのBermane Stiverneさんのチーフ・スパーリング・パートナーになりました。で、自分のジムを開きましたが、うまくいきませんでした。そのころは試練と言える辛い時代でした。でも、毎日休まず仕事場に行き続けて、仕事に打ち込めば、何か新しいものが得られるはずだとわかっていました。そして実際にそうなりました。

NBCの『Strong』というリアリティショーは、出場者が自分の身体をいかに完璧な形に変えられるか競うのですが、私はその番組で最年少のコーチになりました。そして、再びプライベートコーチの仕事をはじめていました。

私は、自分がコーチする相手がプロのアスリートであろうと初心者であろうと、その人が独りでは克服できない個人的な戦いや障壁を乗り越える手助けをするのが好きなんです。

ここまでの道のりには多くのアップダウンがありましたが、現在のGloveworxは急成長中の企業で、今度は実にうまくいったみたいだと言えて、気分は上々です。

──最近の1日の流れを教えてください

朝は4時に起き、コーチと一緒の集中リフティングセッションで1日がはじまります。シャワーと朝食を済ませ、サンタモニカにあるGloveworxのオリジナル・フラッグシップ・スタジオで生徒たちに会います。

午前7時から午後2時までは、セミプライベートのグループやプライベートクライアントにコーチします。その後、最近始めたコーチのための勉強会についてGloveworxのチームと短いミーティング。ニューヨークのワールド・トレード・センターがあった場所に今年新規オープン予定の新スタジオのポスターに載せる写真撮影。

次は、プロテインとグリーンをさっと食べた後、出張トレーニング。その後、3月にオープンしたウエストフィールド・センチュリー・シティのスタジオに行き、夜8時までプライベートレッスンを数コマ。帰宅前にヨガのクラスをしてその日は終了。

幸い、私は睡眠時間が少なくて済むタチです。

Gloveworxの仕事にとても情熱を注いでいるので、1日を最大限に活用したいのです。

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サンタモニカのGloveworx
Image: Gloveworx

── 「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは?

握力を強化するハンドグリップをいつも持ち歩いています。

握力が強くないとクライアントのためにミトンが握れないので、会議中でもコーチングの合間にも、どこでも、鍛えています。時間を最大限に活用するのが好きなんです。

── 仕事場はどんな感じですか?

マットが敷いてある20フィート四方のプラットフォームで4隅にポールが立っています。ハハハ。私の大好きなボクシングリングですよ。

── Gloveworxでは、どのようにして高いクオリティを維持していますか? あなたのボクシングとフィットネスのスキルを他のトレーナーにどのように伝授していますか?

チームに新しいメンバーを入れるときは、かなり慎重に選びます。

うちのトレーナーはアスリートとして強力なバックグラウンドを持つ人たちで、ストレングスとコンディショニングのトレーニングに関して並々ならぬ知識を持っています。コーチのための勉強会を毎週していて、コーチたちは体の動き、栄養、いろいろなフィットネスのテクニックに対する体の反応について、知識を深めています。

Gloveworxは「成長するマインドセット」を持つ人材を採用したいと思っています。常に向上心を持ち、スキルを磨き、ライバルにも惜しみなく与えられる人です。

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Gloveworx はCesar RochaさんとChristie Bonacciさんにもコーチしています
Image: Gloveworx

── お気に入りの時間節約術やライフハックは何ですか?

チームワークです。

私は、起業家として常にたくさんのことを抱えています。私独りですべてをこなすのは不可能ですし、私は今でもクライアントにコーチングしていて、それが常に私の最優先事項。ですから、チームと協力することが不可欠です。信頼できる身近な人たちと密に仕事をして、一緒により大きなビジョンを描きます。

──どのように充電や休息をしていますか?

私はコーヒーを飲まないので、もっとエネルギーが欲しいときはすごく冷たいシャワーを浴びます。

身体をとても使う仕事なので、少しでも休む時間があるときは、寸暇を惜しんで、不足しがちな睡眠の穴埋めをします。でなければ、ゼロからビジネスを立ち上げて成功した起業家の記事を読みます。

──これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください

「一時的な気分や感情で、早まって感情的な決断をしてはいけない」です。

人生にはたくさんのアップダウンがあります。ネガティブに見えることが、実はポジティブな方向に舵を切る人生の大きなターニングポイントになることもあります。すぐ反応するのは簡単ですが、どんなときも、決断を下す前に感情を静めたほうがいいです。

──挑戦中の課題はありますか?

Gloveworxはすごい速度で成長しています。最初のフラッグシップ・スタジオをここまで特別なものにしたのは、コミュニティ意識と家族的な運営ですから、私たちはそのカルチャーを本気で守り続けようとしています。

長年、多くのコンテンダー(チャンピオンタイトルに挑む挑戦者)が私と一緒にいましたし、開業当時からいるスタッフもたくさんいます。こういう人たちは私には家族同然です。新しくオープンするスタジオにこのカルチャーを植え付けるのは大変かもしれませんが、私にとっては、とても大切な優先事項です。

国中のGloveworxのすべてのスタジオでこのカルチャーを再生したいと思っています。


Image: Lifehacker US

Source: Gloveworx, NBC

Nick Douglas – Lifehacker US[原文