完璧なカスタードクリームをこれまで何度も作ったことがある人でも、ちょっと火加減を間違うと、悲惨なできになってしまいます。

カスタードクリームを作るときは、デリケートな材料に適切な温度でむらなく熱を加えることが肝心です。そんなとき、まさか電子レンジを使うなんて思いもしないでしょう。

実は電子レンジこそ、こういう作業に向いている!

二重鍋、オーブン、スキレットのような従来の加熱ツールは、熱伝導を通して食べ物を温めるので、どうしても食材の外側が内側より先に熱くなってしまいます。

不均一な火の通りは、チョコレートのテンパリングや砂糖のキャラメリゼのような火加減に依存するプロセスには大敵です。

古い電気オーブンや温度設定が大雑把なオーブンは使えません。

二重鍋や蒸し器は火の通り方は安定していますが、余分な水分を与えすぎるのが難点で、場合によっては取り返しがつかない結果を招きます。

均質な液体をある温度までできるだけ早く、むらなく熱したいときは電子レンジを

電子レンジは熱を発することなく、水、脂質、砂糖の分子を強烈な勢いで回転させるので、液体の外側と内側の温度がほぼ同じになります。

(ただし、暖めるものが個体の場合は、話は別。たとえば、こんな冷凍食品などは、分子が堅固な構造に組み込まれていることから、分子の回転率は一定になりません)

電子レンジはとてもパワフルなので、ほんの数分で必要な温度まで温められます。

電子レンジで作れば温度調節不要、手間いらず

私は最近レモンカードを電子レンジで作り始めたのですが、もう以前のやり方には戻れません。

温度調整は不要ですし、レモンの酸味が滑らかな乳化を促進します。この楽ちんさと言ったら、レモンカードは電子レンジを使って作るカスタードクリームの代表になれるぐらい。

もともとシンプルなプロセスを電子レンジでますますシンプルに(間違いなくできます)。もっと手間のかかるプロセスはどれほど楽になることか。これからご紹介するレモンカードの作り方が、「電子レンジでカスタードクリームを作る」という楽ちんな世界に入るきっかけになりますように。

電子レンジでレモンカードを作る方法

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Image: A.A. Newton / Lifehacker US

ここでご紹介する分量はあくまで私の好みです。

塩で砂糖のバランスを整え、広口瓶から直接食べるプディングのように柔らかいレモンカードになります。でも、別のレシピを使いたい人は、もちろんそうしてください。

ただ、電子レンジを使うところだけは飛ばさないでください。

今回の話では、それがポイントだからです。素早く正確に温度を測れる電子温度計があると、確実に希望通りの温度にできると思いますが、カスタードクリームにに適切に火が通ったか、目で見てわかる自信があるなら無くても大丈夫です。

レモンの大きさについて:

最近一般的なスーパーで出回っている大きさのレモンなら、レモン2個でレモンジュース半カップとレモンの皮が山ほどできます。それより小さいレモンの場合は、3個か4個必要かもしれません。

これで、カップ1.5杯分のレモンカードができます。ジャムの入っていた広口瓶がちょうどいっぱいになるぐらいの量です。目安にしてください。

材料:

・ グラニュー糖1/2カップ(200g)

・ 塩小さじ1/4

・ カップ1/2のレモンジュース(120mlまたは120g)。大きなレモンなら2個、中くらいのサイズなら3個必要

・ 卵大1個と卵黄1個

・ 有塩バター1/2本(114gまたは大さじ4)

作り方:

電子レンジ対応のボールか計量カップに塩と砂糖を計って入れます。

そこにレモンの皮を直接入れて、全体からレモンの良い香りがしてくるまで指でもみます。

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Image: A.A. Newton / Lifehacker US

卵、卵黄、レモンジュースを注ぎ、スティックブレンダーで撹拌します(スティックブレンダーが無いときは、手で強く泡立ててください)。

味見して、必要に応じて少し砂糖を足しましょう。

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Image: A.A. Newton / Lifehacker US

上記の卵とレモンと砂糖を混ぜたものを電子レンジに入れて「1分間フルパワーで温めてはかき混ぜる」を何度か繰り返し、全体が85℃になるまで温めます。

電子レンジによって、所要時間は3分から10分ですが、今回は5分かかりました。

1分ずつやると火が通りすぎることはそうそうありませんが、心配なら、「30秒温めるごとに混ぜる」を繰り返しましょう。

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Image: A.A. Newton / Lifehacker US

レモンと卵を混ぜて温まったところに、バターを入れてしっかり混ざるまでかき混ぜます。

最後にもう1度スティックブレンダーで強く撹拌します。

卵のダマがあるときや、完璧に滑らかなレモンカードにしたいときは、こし器でこしてから保存容器に入れましょう。ここで再び味見をして、必要なら塩、砂糖、レモンジュースを足してください。

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Image: A.A. Newton / Lifehacker US
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Image: A.A. Newton / Lifehacker US

蓋をして室温まで冷ましてから冷蔵庫に入れてください。

冷蔵庫に入れておけば2、3週間もちますが、傷むのが心配なら冷凍しましょう。

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Image: A.A. Newton / Lifehacker US

夏にレモンカードを作っておくと、熱いコンロの側で汗をかかなくても風味豊かなさわやかなデザートが簡単にできます。

私は、特にレモンチーズケーキやタルトの詰め物に使うのが好きです。

パンナコッタやバニラアイスクリームにかけるのもいいですよ。何にでも合いますが、いっそ広口瓶からスプーンで直接食べてもおいしいですね。

Image: A.A. Newton / Lifehacker US

Source: Lifehacker US 1, 2

A.A. Newton – Lifehacker US[原文