メモ

23年かけて自宅の地下に手掘りで寺院を作ってしまった男性


電動工具などの近代的な機械は使わず、槌(つち)と金属の「たがね」だけで家の地下を掘り続け、23年かけて作り上げられた地下寺院がアルメニアのある街に存在しています。

Man Spends 23 Years Carving Sprawling Underground Temple Under His House
http://www.odditycentral.com/architecture/man-spends-23-years-carving-sprawling-underground-temple-under-his-house.html

そんな驚きの寺院を作り上げてしまったのは、アルメニア人のレヴォン・アラケリャンさん。建築家として生計を立てていたレヴォンさんは1985年、44歳の時に妻のトーシャさんから「家の地下にジャガイモの保管庫を作ってほしい」と頼まれました。レヴォンさんはほどなくジャガイモ庫を完成させたのですが、そのまま家の下を掘り続けて23年かけて見事な地下寺院を作り上げてしまったそうです。

Levon's Divine Undergroundさんの投稿 2014年7月7日月曜日


「並々ならぬ情熱」ぐらいでは片付けられないほどの偉業を成し遂げたレヴォンさんを突き動かしたのは、幻や夢の中で聞いた「もっと掘り続けよ」というお告げのようなものでした。レヴォンさんはその声に従い、1日あたり18時間という作業を23年間に渡って続けたとのこと。

Levon's Divine Undergroundさんの投稿 2014年7月7日月曜日


その姿は、有名なセリフ「If you build it, he will come(それを作れば、彼はやってくる)」の声に突き動かされてトウモロコシ畑を野球場に作り替えてしまった映画「フィールド・オブ・ドリームス」を思い出させます。ちなみにケビン・コスナー主演の映画は1989年に公開されているので、1985年に地面を掘り始めたレヴォンさんの方が時期的に早いものとなっています。

Levon's Divine Undergroundさんの投稿 2014年7月7日月曜日


レヴォンさんは、以下のような槌(つち:ハンマー)と細い金属の棒「たがね」だけを使ってコツコツと地面を掘り続けました。掘り始めて最初の数メートルは、黒くて硬い玄武岩がレヴォンさんの行く手を阻みましたが、そのハードルをクリアすると玄武岩の下には比較的柔らかい火山岩の地層が広がっていたとのこと。23年間で掘り出された土の量はトラック450台分にも及び、レヴォンさんは機械を使わずにバケツに入れて運んだというから驚きです。

Levon's Divine Undergroundさんの投稿 2014年7月7日月曜日


地下深くへと伸びる階段。地下寺院の深さは20メートルにも及び、広さは何と280平方メートル(約85坪)。7つの部屋が作られ、それぞれがやはり手掘りで作られた回廊や階段によって結ばれているそうです。

Levon's Divine Undergroundさんの投稿 2014年7月7日月曜日


レヴォンさんの「作品」は単に地下トンネルを作っただけではなく、数々の美麗な装飾が施されているのも魅力の1つ。普通は石を積み上げて作る柱やアーチも、ここでは土から削り出したものになっています。

Levon's Divine Undergroundさんの投稿 2014年7月7日月曜日


柔らかい色の電灯が置かれた燭台

Levon's Divine Undergroundさんの投稿 2014年7月7日月曜日


なんと祭壇も基本的に手掘りで作られているとのこと。

Levon's Divine Undergroundさんの投稿 2014年7月7日月曜日


23年という時間をかけて地下寺院を作り上げたレヴォンさんですが、残念ながら2008年に67歳でこの世を去ったそうです。妻のトーシャさんによると、レヴォンさんは23年間ずっと1日3~4時間という短い睡眠しかとっていなかったとのことで、体にはかなりの負担がかかっていた模様。亡くなった原因は、心臓発作だったそうです。

Levon's Divine Undergroundさんの投稿 2014年7月7日月曜日


この地下寺院「Levon's Divine Underground」は、アルメニアの首都エレバンにほど近い場所にあり、来訪者に開放されているとのこと。2015年に訪問した人のレビューによると、来訪者にはレヴォンさんの孫娘さんが流暢な英語でガイドを務め、内部を案内してくれたそうです。料金については何も触れられなかったのですが、レビューしている人は1人ずつ2ドル(約200円)を渡して帰ったとのこと。


また、施設内にはレヴォンさんが残した槌やたがね、ブーツなどの遺品が展示されており、お土産店でグッズを購入することもできるそうです。


以下のムービーでは、そんなレヴォンさんが作った地下寺院の様子を詳しく見ることが可能です。

Levon's Divine Underground (Armenian) - YouTube

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in メモ,   動画, Posted by darkhorse_log

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