日焼け止め、それは夏の必須アイテム。いや、今や年中使う人も少なくないアイテムです。今年は、スプレータイプの日焼け止めが人気ですね。ただ、スプレー型の日焼け止めに対しては、注意を促す声も。
スプレータイプが人気の理由は、その便利さ。手が汚れないというのが最大の利点! ただ、少なくとも米国で販売されているスプレー日焼け止めの正式な使い方を見ると、その便利さに疑問を感じます。
けっきょく手は汚れるんじゃないの?
スプレー缶に書かれている使用方法は「顔や頭には直接噴射しないこと」とあるからです。顔に日焼け止めを塗る場合は、まず手にスプレーしてから顔に伸ばすのが正しいやり方。
米国皮膚科学アカデミーが推奨するスプレー日焼け止めの使い方は、全身がしっかり濡れるほどスプレーした後、手でのばすとあります。だとすれば、手が汚れないというスプレータイプが人気の理由は、間違った使用方法の上にあるわけで。
また、油っぽい、目にしみる、服にシミができるという、日焼け止め嫌いの言い分だって、スプレーにより解決されることもありません。その上、スプレーしている日焼け止めの半分くらいは風に流されて行くという、スプレーならではのマイナス点も。
ミスト状の日焼け止めを吸い込んだときの安全性は?
反スプレー派の米GizmodoのPastore記者がもっとも懸念するのは、その安全性。日焼け止めは、肌に塗るぶんには安全だとされていますが、その薬品成分を吸い込んでも安全かどうかのリサーチは十分にされていないのが現状。この件に関しては、米食品医薬品局が調査を行う予定になっていますが、リサーチはまだ終了していません。
毎年、人気の日焼け止めの製品テストを行なっている非営利消費者組織コンシューマー・レポートは、吸引の危険性から子どもへの使用は避けることを推奨しています。子どもに限らず、米国皮膚科学アカデミーは、スプレー日焼け止めを吸い込まないよう注意することと言っていますが、ちょっと難しい話。だって、体全体にふりかけるのに? ふりかけ中に周りにいる人は? どれくらい息とめていればいいの?
皮膚科医からのアドバイス
そこで、Pastore記者が、カリフォルニアの皮膚科医Ivy Lee氏に話を聞いてきました。
Lee医師いわく、そもそも多くの人が(スプレータイプに限らず)日焼け止めを正しく使えていないといいます。量が足りなかったり、塗り直しの頻度が少なかったり、肌にきちんと塗りこまれていなかったりなどなど。
Lee医師のオススメは、酸化亜鉛や酸化チタンなどを使った、ノンケミカルの日焼け止め。鉱物ベースの日焼け止めは、目にしみたり、肌が荒れる心配が低いのがオススメの理由です。
それでも、スプレータイプを使いたいという人へ。Lee医師のアドバイスは、ローションやクリームタイプの日焼け止めを正しく塗ったあと、スプレーは塗り直し専用として使うという方法。
また、動き回る子どもにスプレータイプが使いやすいという親の声に対しては、Lee医師はスティックタイプをオススメしています。腕や足にお絵描きをするように、スティック日焼け止めを塗れば(その後、手で伸ばす)子どもも楽しめるというのです。スティックタイプは、子どもが自分でも使いやすいことから、日焼け止めを子どもたちに習慣つけさせるのにも◯。
ただし、Lee医師は「何も使わないよりは、スプレータイプでも使った方がまし」だといいます。日焼け止めは、日焼けのヒリヒリを防ぐだけでなく、肌のシワや皮膚ガンの予防にもなります。もちろん、日焼け止めだけでなく、帽子をかぶる、必要に応じて長袖を着用するのも忘れずに。
いよいよ夏本番。健康や肌のことを考えつつ、楽しく遊びましょ!
Photo: Getty Images
Rose Pastore - Gizmodo US[原文]
(そうこ)