アメリカVS中国の時代へ。
宇宙ステーション開発に向けた実験モジュール運用に成功するなど、宇宙開発におけるプレゼンスをますます強める中国。そんな中、中国は開発中のロケット「長征9号」がNASAやSpaceXのロケットに匹敵する能力を持つと明かしているのです。
高い打ち上げ能力の実現を目指す中国
新華社が伝える中国にてロケット開発を担当する中国運載火箭技術研究院(CALT)の発表によれば、長征9号は直径10メートルサイズで4基のブースターを搭載し、地球低軌道(LEO)に140トンの打ち上げ能力を持つことになります。そして、長征9号は2030年までの打ち上げが予定されているのです。
これを他のロケットと比べると、例えばSpaceXの大型ロケット「ファルコン・ヘビー」はLEOに63.8トンの打ち上げ能力を持ちます。一方、NASAが開発中の「スペース・ローンチ・システム(LEO)」はLEOに95〜130トンの打ち上げが可能になる予定です。さらに、SpaceXの「ビッグ・ファルコン・ロケット(BFR)」は150トンの打ち上げ能力を持つ予定です。長征9号と同じく、これらのロケットも目下開発中です。
激化する宇宙開発競争
長征9号はその目標も大きく、火星などの惑星を含む深宇宙探査や、有人月面探査に利用される可能性もあるというのです。さらに宇宙飛行士の滞在可能な宇宙ステーション「天宮」を2022年までに完成させ、月にも宇宙飛行士を「近い将来」送りたいとしています。こうしてみると、中国の宇宙開発はすでにアメリカに近いレベルに達していることがわかります。
トランプ大統領が「宇宙軍」の創立を指示するなど、ますます競争が激しくなる宇宙開発。日本は科学探査などで存在感を示してはいますが、今後この荒波をどのように乗り切っていくことになるのでしょうか?
Image: Shutterstock.com
Source: Fox News
(塚本直樹)