米Lifehackerが人生の役に立つ言葉を紹介するシリーズ「Mid-Week Meditations」へようこそ。

ストイック派の知恵を探求しそれを使って自らを省みて、人生を好転させましょう。

今週ご紹介する言葉は、セネカの『Cosolation to Helvia(ヘルウィアに寄せる慰めの書)』からの引用です。

この本の中でセネカは、自身のコルシカ島への追放に関して、母であるヘルウィアを慰める言葉をつづっています。セネカは、この書の12章で、裕福な人と貧しい人について次のように書いています。

そもそも、貧しい人びとのほうが、裕福な人びとよりもはるかに数が多いことを考えてみてください。そしてよく見れば、貧しい人びとが、裕福な人びとよりも不幸や、不安であるとはかぎらないことがわかるはずです。それどころか、むしろ幸せであるかもしれません。

裕福な人びとよりも、心を乱すようなものを多く持っていないからです。

さて、貧しさゆえに不幸だとは限らないことがわかった貧しい人びとから、裕福な人びとに視線を移してみましょう。裕福な人びとがどれほど貧しい人びとと同じような問題を抱え、苦しんでいるかがわかるはずです!

この言葉が意味するもの

セネカは、「裕福でない人びとが世界にどれほどたくさんいるのか考えてください」と言っています。また、彼らの多くが、満ちたりた人生を送っていることにも気づくようにうながしています。

さらにセネカは、貧しい人びとは裕福な人びとよりも幸せかもしれないと言っています。心の中に心配事が少ないからです。そして、裕福な人びとも貧しい人びとと同じなのだと言います。

彼らも貧しい人びとと同じような問題をたくさん抱えています。むしろお金のせいで、貧しい人よりも多くの問題を抱えているかもしれません。

そこから学べるもの

もちろん、お金があれば人生の多くの側面が楽にはなります。それを疑う余地はありません。お金を、快適さ、安全性、健康を高めるために使うことができます。

しかし、お金がもたらす恩恵には、落とし穴も。

「お金が増えれば、問題も増える」という格言を聞いたことがあるはずです。この言葉には多くの真実が含まれています。

お金は不幸も招く?

宝くじに当たった人を考えてみましょう。

貧乏からお金持ちになって、一時的には満ち足りた気持ちになります。しかし、それで幸福になるでしょうか? 突然降ってきたお金が、人生の重要な問題を解決してくれるでしょうか?

いいえ。

家族の問題はお金では解決できません。気分の落ち込みが消えることもないでしょう。

お金が正しい生き方を教えてくれるわけでもありません。

それどころかお金は心を乱す要因にさえなりえます。また、お金は貪欲、謀略、悪徳をおびき寄せもします。

なぜお金がほしいか考え直してみよう

自分と家族に快適な生活を与えるために、十分な収入が欲しいと願うのは当然です。あなたはそういう世界に生まれ、この世界で生き抜いていかねばならないからです。

でも、セネカの言葉を心の片隅に置いておいてください。

お金は必要ですが、お金持ちになる必要はありません。

なぜか?

お金でいくらかの問題は解決できたとしても、人生の問題すべてが解決するわけではないからです。

お金で確実に解決できるのは、お金の必要性という問題だけです。

あなたを心から幸せにするものが何なのかはわかりませんが、きっとお金ではないはずです。


Image: Tony Webster/Flickr

Patrick Allan - Lifehacker US[原文