敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ子育て術「HOW I PARENT」シリーズ。
今回はアメリカで人気のクイズ番組で最多連勝記録を達成した後、作家に転身したケン・ジェニングスさんの子育て術です。
ケン・ジェニングスさんって、何をしている人?
ケン・ジェニングス(Ken Jennings)さんは、アメリカのクイズ番組『ジェパディ!』で、史上初の74連勝を遂げ、252万ドルの賞金を獲得したことで有名になりました。
2004年からポッドキャストの共同ホストになり、Twitterでも人気を集め、最近出版した『Planet Funny: How Comedy Took Over Our Culture)』を含めて数冊の本を書いています。
私生活では、妻のミンディと共に2人の子どもを育てているジェニングスさんに子育て術を聞いてみました。
氏名:ケン・ジェニングス
居住地:シアトル
職業:作家、元クイズ番組出場者
家族構成:妻のミンディ、息子のディラン(15歳)、娘のケイト(11歳)
──最初に、家族とキャリアについて。ここまでの人生は概ね計画通り?それとも予想外のことが多かった?
子どもを持つことは計画していました(妻と子どもを持とうと決めて、あとはなりゆきに任せました)。
私の場合、キャリアチェンジが最も想定外のできごと。2004年にさかのぼると、当時の私は完璧に幸せな郊外に住むパパでありコンピュータープログラマーでした。ちょうど30歳になった年に、クイズ番組の『ジェパディ!』で6ヵ月間連勝したことも、作家やプロのしったかぶり屋のキャリアを始めたことも全て想定外でした。
──朝のルーティンは? 外出する裏ワザは?
私はたいてい自宅で仕事をしているので、1日1度はデスクを離れるようにしています。
歩いて郵便局に行くだけでもいいので、日常的な雑用を。基本的には85歳のおじいちゃんのようなライフスタイルです。
──パートナー以外に、誰からどの程度育児を手伝ってもらっている?
子ども2人と我々夫婦とかなり融通の利くスケジュールのおかげで、基本的なことはほぼ自分たちでこなしています。
でも、車の運転だけは別。
子どもが2人しかいなくても、常に誰かをどこかに車で連れていかなければなりません。近所の人たちと車の相乗りができるおかげで助かっています。つまり、車の相乗りをさせてくれる近所の親御さんが見つからないと、子どもたちには新しいアクティビティはさせられないんです。
── 「これがないと生きられない」というガジェット・アプリ・チャート・ツールは?
私の代わりに子どもたちの面倒を見てくれるガジェットやアプリがあったら素敵ですね。
我が家では、「find my friends(友達を探す)」アプリを使って、常に子どもたちの所在をトラッキングしています。
うちの子どもたちはタイミング良く電話に出たりテキストメッセージに返信する能力が先天的に欠けているようなので。
──子育てをするようになってから仕事のやり方は変わった?
自宅のオフィスは玄関のすぐ近くにあるので、子どもたちが学校から帰宅するなり、駆け込んできます。
ドアにカギをつけようとも考えましたが、結局この惨状を受け入れることに。
(子どもたちの居ない)静かな時間が終わる前にその日の書き物をほぼ終えられるように、できるだけ急いで仕事をしています。
──今のリラックス方法は?
我が家には、『子どもは夜8時半から9時ごろには子ども部屋に行くこと』という厳しい規則があります。
子ども部屋で、すぐに眠る必要はありません。ただゲームなどの電子端末は階下に置いてあるので、読書など退屈なことをしなければなりません。
この規則のおかげで、私とミンディは毎晩2〜3時間子どもから解放されて、映画や好きな連続ドラマを観たりできるんです。
──親として一番誇らしく思う瞬間はどんなとき?
子どもたちが自信を持って、少し背伸びをしようとするのを見るとき。
数年前の夏、我が家はニューヨークにいたのですが、ある晩、子どもたちは2人ともセントラルパークで「ポケモンゴー」をやりたがりました。
妻と私には夕食の約束がありました。そこで、子どもたちだけで歩かせてちょっと冒険させることにしました。子どもたちは、大喜び! もちろん、誘拐されず、死ぬこともありませんでした。
──一番情けないと思う瞬間はどんなとき?
子どもたちがレストランで、水をこぼしたり、グラスを割ったりしたとき。
──子どもたちにはあなたのどんなところを見習って欲しい?
会う人すべてに礼儀正しく敬意をもって接して欲しい。
私を見習って、食器洗い機に正しく食器を入れられるようになって欲しい。間違っても妻のおかしなやり方は見習って欲しくないですね。
──お気に入りの変わった儀式はある?
我が家では、映画の登場人物がその映画のタイトルを口に出して言うと、毎回短く拍手する遊びがあります(劇場にいるときは、静かにやります)。
たとえば、『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』のような長いタイトルだと、めったにそういうことはありませんが、『Coco』なんかは、かなり大変なことになりますね(注:主人公のおばあちゃんの名前がCocoなので)。
──今までもらった子育てに関するアドバイスで心に残っているものは?
「1日1日は長いが、1年はあっという間」は、その通りだと思います。
子どもが小さい時代は、あっという間。子どもと公園に行ったり、アイスクリームを買ってやったり、1日1日を大切に過ごしましょう。
──子育てで一番難しいことは何?
子どもの友だちの前で、若者が使う最新のスラングやネット情報を披露すること。
── 1日のうちで一番好きな時間はいつ?
午後4時20分! 我が家にアマゾンの箱が配達される時間だから。
──子どもにユーモアを教えるコツは?
私が知る限り、これは外せません。
──子育て中の親御さんたちに一言アドバイスするとしたら?
子どもに毎晩本を読んであげてください。
寝る前にリラックスするための儀式になるだけでなく、子どもの人生が変わります。
──子育てとキャリアを両立させている親御さんたちに伝えたい一言
できたら、クイズ番組で74連勝してみてください。
Michelle Woo – Lifehacker US[原文]