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「正しい学習」のために必要な8つのアイデア

by Green Chameleon

人生において欠かせない「学び」について、これまでさまざまな分野の知識を参考に考察を続けてきたというケヴィン・ヘイスさんが、「自身は学習についての専門家ではない」と前置きしつつ、学習において重要となる8つの要素について説明しています。

Eight Big Ideas of Learning – Sagefy
https://stories.sagefy.org/eight-big-ideas-of-learning-c17a12da127a

◆1:1度に1つのことのみを行う
「1度に1つのことを行う」というのは、自分がやるべきことに焦点を当てるために重要な行為です。人間が短時間で心の中に情報を保持し、同時に処理できる能力は「ワーキングメモリ」と呼ばれ、その容量には限界があると考えられています。一節によると、一度に記憶できるのはわずか「4つのかたまり(チャンク)」と言われており、学習時は「1度に1つのことを学ぶこと」が現実的であるとヘイスさんは述べています。

また、人間の脳はマルチタスクに向いていないことが、さまざまな研究結果から明らかになっています。学習においても複数の物事を同時に学習するのではなく、1つのことを学習するのがベターであり、学習時に限界を感じる場合は、学習していることを分解することが推奨されています。

人間の脳はマルチタスクに向いていない - GIGAZINE


騒音は学習の質を損なうものであるため、「静かで快適な勉強スペースを見つけることが重要である」とヘイスさん。学習時はSNSをやめ、携帯電話やPCの電源を切ることが重要。そうすることで余計なことを考える余地が少なくなり、1つのことを学習することに集中できるようになるとのこと。

◆2:目標を設定し、それを守る
ヘイスさんによると、まず具体的な目標を細かく設定することが重要とのこと。学習においてモチベーションを失う瞬間というのはしばしばあるものですが、達成可能な目標を細かく設定しておくことで、意欲を保ち続けることの役に立つとヘイスさんは述べています。

さらに、学習により得た知識を活かす場を設ける必要性もあるとのこと。設定した目標を達成することで知識を得たとして、これが知識を超えてスキルとして身についているかどうかを確認する必要があるわけです。例えば自身の学んだことに関する議論を行うことで、知識がしっかりと自分の身についているかを確認することができます。

加えて、目標達成に向けた進捗状況をこまめにチェックすることは、「自身がこれまでにどのようなスキルを得てきたか」を振り返ることとなり、学習へのモチベーションを高めることができるとのこと。これは学習を続けてきた成果を視覚化する行為であり、自身の学習意欲を維持することに役立ちます。

by Gaelle Marcel

◆3:事前知識に適応する
事前知識とは、学習前に既に知っている知識のことを指します。学習において、多くの人がこの事前知識を考慮せずに参考書での学習やレッスンの受講を始めてしまいがちです。しかし、楽譜を読む方法を知らずにピアノを弾く方法を学ぶことは難しいですが、楽譜を読む方法を知っているのに楽譜の読み方から勉強する必要はないかもしれません。学習を始める前に自分が知っているものを整理・評価する手段を見つける必要があり、その中で自分の弱点を特定し、それらの領域で「最初に何を学ぶべきか」を正しく評価することで学習の効率は一気に跳ね上がります。

人間はあまりにも簡単すぎる問題であったり、難しすぎる問題に取り組むことを避けがちです。簡単すぎる学習、言い換えれば「既に知っていること」に時間や労力を費やすことは、あまりに退屈。対して、難しすぎる学習に対して人は不満を感じます。つまり、人間は簡単すぎることもなく難しすぎることもない、ちょうど中間のものを学習したいと考えるものです。そのためには、学習することを分割し、自身の事前知識と照らし合わせながら、徐々に学習の難易度を上げていけるようにすることが必要になるとヘイスさん。

そして、新しいことを学ぶ前に事前情報と照らし合わせ、関連する情報がないかを確かめる必要性もヘイスさんは説いています。自分が既に知っていることをこれから学習すること、学習したいこととつなげることで、学習効率とモチベーションを上げることが可能です。

by Dmitry Ratushny

◆4:グラフを作成する
書籍を読む前に目次を確かめたり、全文を読む前に小見出しを読んだりするように、学習における主題を整理する方法を学ぶ必要があります。これにより、学習する内容が他のどの情報とどのようにつながっているかを理解できるようになり、事前知識を学習のどの段階で活かすことができるのかを知ることもできます。

学習における主題が何かを把握し、そこから概念マップを構築することで、自身が学ぶ主題がどのような構造となっているのかを理解します。また、概念マップを構築することで学習内容の全体構造を理解することが可能となり、学習効率が高まるというわけ。

by JESHOOTS.COM

◆5:選択肢を与える
学習におけるモチベーションを高める上で重要な要素の一つが「自律性」です。選択肢の中から自分で学習する事柄を決められるようにすることで、学習における自律性が高まり、モチベーションが高まります。逆に、学習を強制されることで学習に対するモチベーションが劇的に下がっていく、というのは誰もが一度は経験したことがあるはず。

自分自身や他の誰かのための学習計画を作成する場合、簡単な選択肢を設けます。例えば、同じ情報に対して異なる3つの学習方法を提示し、好きな方法で学習できるようにしてやれば、学習における次のステップに自主的に進めるようになります。

このように選択肢は自主的な学習を促進するために強力なツールとなります。しかし、あまりに多くの選択肢を用意してしまうことは避けるように、とヘイスさんはアドバイス。選択肢を設ける理由はあくまでも学習におけるモチベーションを高め、自主性を高めるためであるというわけです。

by Felix Russell-Saw

◆6:深く掘り下げる
学校で先生の授業を聞くだけで「何かを学んだ」という気分になりますが、十分な練習をすることは技能開発にとってとても重要です。それではどれだけ練習する必要があるのかというと、「おそらくあなたが推測するよりも多くの練習が必要」とヘイスさん。十分な練習時間が取れるように学習計画を構築する際は、さまざまな練習を含める必要があります。情報の認識や記憶だけでなく、知識を説明・適用・分析・合成する練習を行う必要があるというわけ。

学習時は「何に注意を払うべきか?」「どれだけ上手く理解できるか?」「自身の建てた戦略は成功しているか?」という3つの質問を頻繁に行う必要があるとのこと。これらの質問によりメタ認識が向上し、より強い学習効果が得られるというわけです。

by Jan Traid

◆7:知識をリアルにする
何かを学習する前に、なぜそれを学びたいのかをしっかり書きとめる必要があります。学習する中でいつでもその目標を思い出すことで、モチベーションを得ることが可能です。

さらに、自身が学んでいる題材を現実の問題と結び付けてみてください。そうすることで、「自分が学習していること」がどのような問題を解決することにつながるのか、をよりリアルに感じられるようになります。

講義を聞いたり教科書を読んだりすることは一般的な学習方法です。しかし、学習における例を視覚的・聴覚的に体感することは、よりリアルに自身の学習における手助けとなります。学習で立ち往生した際などは、検索エンジンで自身が学習している事柄に関する画像や動画を検索することで、自身の中で独自の理解を深めることができるようになるとのこと。

by Kobu Agency

◆8:一緒に学ぶ
他の誰かと一緒に学ぶことで、学習効率を高めることができます。お互いにフィードバックすることは学習においても重要で、その際は「タイムリーに行うべき」とヘイスさん。フィードバックはもらっても与えても自身の学習の糧になるとのことですが、主に自身がフィードバックをもらう際は、フィードバックを提供できる人を探す必要が出てきます。「フィードバックを提供できる人」を探す上で最適なのは、「勉強仲間」を見つけることであり、そういった人たちと学習を進める際は、互いにコンセンサスを得ることが学習結果を促進する役に立つとのことです。

by Priscilla Du Preez

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in メモ, Posted by logu_ii

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