コンデジの高倍率ズームが3ケタの時代に。
ニコンが最大125倍のズームレンズを搭載したコンデジ「COOLPIX P1000」を発表しました。125倍ってどれくらいすごいのか、先代のP900と比べてどう違うのか、米GizmodoのSam Rutherfordさんがハンズオンしてますので、以下どうぞ!
ニコンのCOOLPIX P900は83倍という圧倒的なズーム倍率で、土星の環を捉えたり、3km以上離れたビルの窓に貼ったランドルト環(視力検査のやつ)を認識したりとやりたい放題でした。でもニコンはP900発売から3年以上経った今、2ケタ倍じゃ足りないとばかり、ズーム倍率を一気に3ケタにまで引き上げました。COOLPIX P1000は125倍ズームレンズを引っさげていて、そのレンズの長さといったら、最近よく見るスーパーズームカメラの中でも最長でしょうね。
でも「125倍」って、従来のカメラの基準でいうとどういうことなんでしょうか? 「125倍ズーム」とは、35mm判換算で焦点距離24〜3000mmに相当する数字です。デジタルズームでも画質を落とさない機能「ダイナミックファインズーム」を使えば、倍率はさらに250倍にまで達します。ちなみに画素数は1600万画素。
ただし高倍率ズームレンズにありがちなことですが、開放F値は広角側が2.8、望遠側が8とやや暗めなので、最高にズームしたいときはなるべく明るい環境で使ったほうがよさそうです。といってもP900もF値は2.8ー6.5なので、それほど暗くならずに倍率だけを高めることができたんじゃないでしょうか。
外観的には、P1000と先代の一番の違いはサイズです。重量は1415gと、899gのP900よりも500g以上重くなっていて、寸法もP900の139.5×103.2×137.4mmに対し146.3×118.8×181.3mmと、明らかに一回り大きくなっています。そして一番目を引くのは、なんといってもレンズを限界まで伸ばしたときの圧倒的な長さです。
僕がハンズオンしたのはプレビュー用端末だったので、P1000のズームの実力を自ら試すことはできませんでしたが、クイックバックズーム機能はいじれました。これはズームした状態から一気にズームアウトするためのボタンで、被写体を見失ったときに捉え直しが簡単にできます。たしかに125倍ってことは、ちょっとカメラの向きがずれただけでも捉えられる範囲が大違いになってしまうので、この機能は便利というよりほぼ必須だと思います。
レンズのバレル部分にはP900になかったフォーカスリングがあって、カメラ本体のフォーカスピーキング機能と連携して、何kmも離れた被写体も最大限シャープに撮れるように機能します。手ブレに関しても、デュアル検知光学手ブレ補正技術で5段分の補正が可能です。
こちらはニコンによるサンプル画像、まずはデフォルトの焦点距離24mmで撮ったものです。
焦点距離500mmで、ちょっと近づいてみます。
さらに1000mmで。
さらにさらに2000mmで。
2400mmで月を撮影。シャッター速度 1/125秒、F値 7.1、ISO感度 100。
P1000は遠くを撮るだけが能じゃありません。シャッター速度 1/40秒、F値 5、ISO感度 100、焦点距離は155mmです。
他のスペックに関しては、ISO感度は100〜6400、CMOSセンサは1/2.3インチのBSI、マイクジャックあり、4K動画撮影機能搭載、あとはHDMI出力ポートがあるので外部モニタに写真や動画を映すのも簡単です。カメラ本体上部にはP900になかったホットシューが付いてるので、外付けストロボやマイクも使いやすくなりました。
最後に、ニコンのスーパーズームカメラ群がこれからどう展開してくのかが気になりますが。P900も急になくなるわけではないでしょう。でもとにかく最大のズーム力が欲しい人には、P1000は1000ドル(約11万円、日本国内価格未発表)ほどで、9月初旬に発売予定です。それでも万一125倍じゃまだ足りないって人がいたら、そんな方はもはや、巨大な天体望遠鏡購入を検討した方がいいかもしれません。
Image: Sam Rutherford(Gizmodo US), Nikon
Source: Nikon
Sam Rutherford - Gizmodo US[原文]
(福田ミホ)