携帯性+フルWindowsが使える安心感。
ギズモードでの僕の仕事は、記事用の写真を編集して、ブラウザの入稿ツールにアップロードし、テキストを編集して、記事を公開する、といった感じ。写真の管理と、ブラウザでの作業が多いことを考えるとラップトップは手放せない仕事道具なんです。
でもiPad ProとSmart Keyboardみたいな構成で、薄くて小さいデバイスで仕事できたらいいなぁ、そんな夢が僕にはあります。実際これらの作業はiPadでも出来なくもないですし、タブレットで会議とか出たらイケてるじゃないですか。
ただ管理や操作のしやすさを考えると、現状ではフルOSを搭載したマシンのほうが安心です。ただただネットサーフィンするだけでも、PCには、スマホやタブレットにはない実家のような安心感ってありますよね。
7月11日、マイクロソフトの発表会でお披露目された「Surface Go」は、そんなフルOSが使えることの安心感を、タブレットのスタイルに落としこんだデバイス。今までの2in1タブレットPCを「タブレットとして使えるPC」と言うなら、これは「PCとして使えるタブレット」と表現するといいのかもしれません。
今回、発表会の会場で実機を触ることができました。累計30分も満たないくらい少ない間でしたが、実際にSurface Goを触った第一印象をお届けします。
ちっさい! かわいい!
Surface Goは、Surface Proのミニサイズ版といった姿。12.3インチのSurfaceに対して、Surface Goは2まわりほど小さい10インチサイズになります。小さくなって4隅の丸みが増して、よりタブレットらしい形になりました。それなのに立派なキーボードをそなえる出で立ちは、小さな子どもが正装をしているような愛しさがあります。
見た目こそ小さなSurface Proです。しかし発表会終了後に触った所感でいうと、Surface GoとProは、それぞれは完全に別物でした。GoとProではタブレットとしての取り回しの良さが雲泥の差なのです。
タブレットとしての取り回し
Surface Pro 4(右)との比較
iPad Pro 10.5インチ(右)との比較
iPad Pro 10.5インチとの比較(背面)
iPad Pro 10.5インチとの比較(厚さ)
700gオーバーのSurface Proをタブレットとして普段使いするのは、現実的に難しかったと思います。長らくSurfaceを使っているギズの副編集長もそう言ってましたし、僕もそんな人をみたことがありません。ところがSurface Goは522gなので、469gのiPad Proと比べてもタブレットとして普段使いできる圏内に入ってきました。
実際とても軽いですし、ボディ自体が小ぶりなので、片手で端っこを持っても重くないのがポイントです。
Surfaceのアイコンでもある、裏側のカットが奇しくも指にフィットして、成人男性ならギリ片手でホールド出来ちゃうのも憎い。憎イイ。
さて、多くの方が気にしていたベゼルですが、実機を目の当たりにすると、そこまで気になるほどのモノではありませんでした。
いや、もちろん気になるのは気になるんです。iPad Proの細いベゼルを見てからGoをみると、「モサいなぁ」って思うんですが、タブレットの体裁が成立しないほどベゼルが太いかって言われるとNO。時代に見合わない太ベゼルがSurface Go全体の足を引っ張っていますが、Go全体の出来が良いのでベゼルで減点してもまだ点数が有り余るのです。
PCとしての取り回し
Surfaceの冠がつくなら、キックスタンドを立ててデスクワークをするときの使い心地も大事です。一番気になるのが(別売りの)キーボードですが、一部ではSurface Proよりも良い点がありました。
こんなに大きさが違うのですが、小さくなったぶん薄いキーボードカバーのたわみが減ったように思うんです。ぐらぐら感と言いますか、同行した副編集長は「剛性が上がった」と言ってました。なるほど。
また、キーボードの横幅が大きく減ったことについてはそこまで影響はなく、普段のラップトップよりちょっと両手の間隔をつめてタイプするイメージです。ストロークに関しても第5世代のSurface Proとほとんど同じ、気になる方はSurface Pro触りにいってみてください。
Surfaceペンの性能は、Proとスペックが共通しているので使い心地はそのままです。依然、iPadとApple Pencilは最強ですが、作業のキャプチャを撮って、文字を書き込んで共有してっていう使い方ができるSurface Goは、また別のベクトルで強し。
ごめんなさい、Pentiumのパワーはまだ未知数!
Intel Core m3にも満たないPentiumプロセッサ、メモリは4GB(最小構成)と、中身こそはエントリークラスなSurface Go。今回Surface Goに触れたのがあまりにも短い時間だったため、搭載するPentium Gold 4415Y(1.60 GHz)の性能を測ることはできませんでした。
しかし体験中、ブラウザやWindows Inkを立ち上げてみたところ、もたつくことはありませんでした。あとはしっかり使ってみたレビューで、どれくらいのソフトウェアが起動できるか見てみたいところ。Photoshopとか起動できたらいいな。
で、買おうと思った?
Surface Goは、国内では7月12日から予約が始まり、8月28日に発売されます。価格は6万4800円から。
早い話、10インチサイズのMS純正タブレットにWindows 10が載っている時点でSurface Goは最高です。でもそれだけじゃないです。発表会に行く前から感じていた「ガジェットスタイルを変えてくれそう!」っていうワクワク感をSurface Goは何ひとつ裏切りませんでした。タブレットとしても持ちやすいし、PCとしても操作しやすい。良くある「発想はいいけど、モノがな〜…」っていうのはありませんでした(強いて言うならベゼルがちょっと気になったくらい)。
もちろん長く使っていくなかで不満や発見はあるでしょう。でも、手元のタブレットでフルのWindowsが走るこの「なんでもできる感」が、僕のカバンの中身をどんな風に変えてくれるんだろう? そんな興味が脳からじゅるじゅる湧き出てきます。
今ここに投資するのは、全然ありだと思うんです。だって代わりはないですから。
2018年7月12日 2:00更新:新たな画像を追加しました。
Photo: 山本勇磨
(山本勇磨)