399ドルで買えるとなると評価が変わってきそう。
噂通りに発表された、Microsoft(マイクロソフト)のタブレットPC「Surface Go」。Surfaceファミリーに新たに加わる10インチの小型タブレットPCとして、海外では399ドルで発表されました。
ところが蓋を開けてみると、日本販売時の価格は6万4800円…。そんな価格設定に国内の一部ユーザーはおこでしたが、純粋に399ドルで購入できる、アメリカ在住のGizmodoの記者の目にはどのように写ったのでしょう? Alex Cranz記者がSurface Goをハンズオンしてくれていますよ!
500ドル以下のMicrosoft(マイクロソフト)のWindowsプロダクトから良い製品を見つけるのは非常に、ヒジョーに難しいもの。ディスプレイのクオリティが低かったり、形状がだめだったり、コスパが悪かったりと理由はさまざまです。だからこれまでは、これだという商品はありませんでした。そう、「Surface Go」が発表されるまでは。
この10インチのWindowsタブレットは「Surface Pro」に似ていますが、より小さくて400ドル(日本では約6万4800円)から販売されます。
400ドルから販売されるとはいえ、Surface Goは非常に魅力的です。直接のライバルとなる9.7インチのiPadや現行のSurface Proを考えても、1,800×1,200ドット/217ppiのディスプレイの視野角は良好で、その値段なりの安物にはまったく見えません。
しかもUSB-Cポート搭載! MicrosoftのSurfaceタブレットとしてUSB-Cポートを搭載するのはこれが初めてです。が、ちょいと苦言を。Surface GoはUSB-Cでの充電に対応しますが、Thunderbolt 3は対応せず。また高額な純正ドックを利用する場合か、Microsoftがおすすめする方法で充電するのなら、既存のSurfaceの電源ポートを利用する必要があります。
ただし、素晴らしい点もあります。まずヒンジにSurface Proと同じ構造を採用したこと。これが非常に頑丈で信頼できるんです。サンプルのSurface Goで試してみましたが、どんな姿勢でも利用でき、またぐらぐらすることもありませんでした。
このラグジュアリーな外見と上等なヒンジでスペックに目を向けるのを忘れてしまいましたが、それは価格と比べれば特筆するような点はありません。64GBのストレージ、4GBのRAM、貧弱なPentium 4415Yプロセッサが搭載されています。
この価格帯の製品では、動作がとても遅く苛立たしいものとなるのが一般的。しかしMicrosoftはIntel(インテル)と協力して、ソフトウェアの最適化に取り組み、PentiumでもWindowsとMicrosoft Officeが快適に動作するようにカスタマイズしているのです。
実際にはベンチマークをとる時間はまったくありませんでしたが、PowerPointの動作は期待していたより問題がないというか、速かったです。
しかし、Officeがすべてではありません。Microsoftの言うことが本当ならSurface Goは学生などに素晴らしい選択肢となりますが、Photoshopや『Gwent』のようなカードゲームに最適化されているかどうかはわかりません。
Microsoftはその他の構成も用意しており、RAMや内蔵ストレージは変更できるのですが(メモリ 8GB, ストレージ 128GB)、CPUは変わらず。Microsoft担当者によれば、Core iプロセッサを採用しなかったのはバッテリーの持ちを考えてとのこと。Surface Goは9時間以上の駆動ができます。
付属品はどれも別売り。プラスチック製のタイプカバーは100ドル(1万1800円)、Alcantara製のタイプカバーは130ドル(1万5400円)します。タイプカバーは実質必需品なので、Surface Goの価格は400ドルではなく530ドル(編注:6万4800円ではなく8万200円。はぁ…)となります。これはSamsung(サムスン)の「Chromebook Pro」と同価格帯に匹敵します。
Chromebook Proはより大きなディスプレイを搭載した、タブレット端末ではなくラップトップPCなのですが、動作するのはChrome OSでSurface Goよりも重いのです(Chromebook Proは約1,080g、Surface Goは約522g)。
Surface Go フォトギャラリー
Surface Go フォトギャラリー
Surface Go フォトギャラリー
Surface Go フォトギャラリー
Surface Go フォトギャラリー
Surface Go フォトギャラリー
Surface Go フォトギャラリー
Surface Go フォトギャラリー
Surface Go フォトギャラリー
Surface Go フォトギャラリー
Surface Go フォトギャラリー
Surface Go フォトギャラリー
Surface Go フォトギャラリー
また、330ドル(教育機関向け、3万5800円)のiPadとも比べる必要があるでしょう。今年、Appleが教育市場向けに投入したiPadは、こちらも別途キーボードを購入する必要があります。でも端子でくっつけるキーボードではなく、あまりかっこよくないBluetooth接続のものを選ばないといけません。つまりiPadの価格が安くても、MicrosoftのSurfaceのようなラップトップ体験はできないのです。
Surface Goは7月10日から販売を開始し、8月に出荷を開始します。駆動時間やキーボードによる追加コスト、Pentiumプロセッサの性能など気になる点はありますが、ぜひ店頭などで実機を手にとってその実力を確認してみてください。
日本では7月12日より予約開始、8月28日発売です。価格は6万4800円から。ギズモード・ジャパンによるファーストインプレッションもどうぞ。
Image: Alex Cranz/Gizmodo US
Andrew Liszewski - Gizmodo US[原文]
(塚本直樹)