もうボカロというよりボーカルソフトだ(支離滅裂な発言)。
歌詞とメロディーを入力するだけで歌ってくれるVOCALOIDソフトの最新バージョン「VOCALOID5」が、2018年7月12日(木)にヤマハから発売されます。前回のワールドカップぶり、もとい4年ぶりの新作ですから、新機能からブラッシュアップまで、いろーんなところが変わったみたいです。
UI、かっこよくなったなぁ、嬉しい。Windows、Macで動作するほとんどのDAWソフトで、プラグイン(VST/AU)として使用でき、スタンドアロンでも動作します。「VOCALOID Editor for Cubase」ではCubaseとの連携が魅力でしたが、もはやDAWを問わずに使えますぞ。
ややこしい体系が整理
大きな変化としては、今まで「歌声ライブラリ」「VOCALOID Editor」などに分かれていたソフトが1つに統合されます。
歌声ライブラリとは、「初音ミク」や「鏡音リン・レン」などにあたる、皆さんご存知のボカロな音源の総称。このライブラリをVOCALOID Editorで読み込んで、歌わせたり編集したりというのが今までの流れでした。
VOCALOID 5ではこの歌声ライブラリとVOCALOID Editorがひとつに統合。これまでのVOCALOID EditorがVOCALOID 5に大幅進化し、歌声ライブラリの機能をソフト内に取り込んだというイメージ。新要素の「ボイスバンク」が、今までの歌声ライブラリにあたるようです。
VOCALOID3 EditorとVOCALOID4 Editorの歌声ライブラリは、「VOCALOID5」でもちゃんと読み込めますので、ご安心を。今までは個別で購入できたものが統合されたぶん、ソフト自体の価格は上がっちゃったみたいですけどね。
リードボーカル用、コーラス用など、それぞれのパラメーターが保存できるように
マウスでゴリゴリやってたダイナミクスやポルタメントなどの調整も、プリセットから選べるようになり作業効率は大幅にアップ。面白いのは「スタイル」という新機能で、パラメーターを一括調整&スタイルに保存できるようになりました。たとえば、同じボイスバンクでリードボーカルとコーラス系とで、パラメーターの内容を個別保存しておけるんですね。書式みたいなイメージでしょうか。
VOCALOIDなのに歌わせる必要がない
さらに便利なのが、あらかじめ収録されているフレーズのデータベースです。英語の「Oh!」や「Amen」、日本語なら「あ、よいしょ」などの掛け声的な音声が2,000個以上も収録されていて、サンプル音源を貼り付ける感覚で使えます。VOCALOIDなのに歌わせる必要がない、むしろ既に歌ってくれていて、それをアレンジして使って下さいというアプローチ。今風だわぁ。
新しいボイスバンク
あとはもう歌声の人間っぽさですよね。Kaori、Ken、Amy、Chrisという4つのボイスバンクが新たに登場し、同梱されます。
上のデモ映像でも歌声が聞けますが、ここまで人間っぽいとある意味でボカロっぽくないというか、人間の声を目指すあまりボーカロイドはボーカロイドらしさを失ったとか、そう思うと滾るモノはある。ソフトとしてのボカロとはともかく、音楽や声質としてのボカロは、時代によって変わっていくのかもしれません。
これら4ボイスバンクを収録した「VOCALOID5 STANDARD」と、追加でさらに4ボイスバンクを加えた合計8ボイスバンク収録の「VOCALOID5 PREMIUM」の、2パッケージが用意されています。価格はそれぞれ2万5000円、4万円(どちらも税別)。アップグレード版もあります。
また、声優の井上喜久子さん(17才と13439日)が声を担当するVOCALOID5用ボイスバンク「VOCALOID 桜乃そら」が、7月26日(木)に発売予定です。あっさり発表されましたけど、VOCALOID5の操作性で17才ボイスを操れるとか、何かとアツいのではと。
作詞:畑亜貴 作曲:田中公平
なぜベストを尽くしたのか。あ、あと読み上げソフト「VOICEROID2 桜乃そら」も発売するそうです。『みずほ先生のはちみつ授業』も完コピできるんです?