無事でなによりです。
6月下旬から行方不明となり、タイのタムルアン洞窟に閉じ込められていた12人の少年と1人のコーチが、7月10日に無事救助されました。連日伝えられていたとおり、救出は大変危険で、難航していました。救出作戦は3日間に渡って行なわれ、成功を収めました。ホッとしましたよね。この救出劇の鍵は、少年たちが眠った状態だったからなんだそうです。
タイ海軍特殊部隊元隊員がAFPに明かした救出の詳細によると、少年たちは眠った状態、もしくは意識がぼんやりした状態で救出されたということ。もちろん息はしている状態です。というのも、少年たちが水中でパニックになったり不安になったりというのを避けるために、スナイパーが気持ちを落ち着かせるときに服用する精神安定剤を少年たちに投与したのだそう。ダイバーたちが少年らを救出する映像も公開されましたが、少年たちはそれぞれ、ストレッチャーにしっかり固定された状態で細い洞窟からダイバーたちに引っ張られるような形で脱出。彼らのほとんどは泳ぎ方を知らず、もちろんダイビングの経験もありません。ひとりの少年にふたりのダイバーがついて、ボディスーツとフルフェイスのマスクがつけられました。
タイのレスキューダイバーNarongsuk Keasubさんは、今回の件についてCNNでこのように語っています。
今まで経験したミッションで一番困難なものでした。
水位が低くなるにつれて、海流は強くなります。今は前よりもだいぶ強くなっている状態です。救出のすべての作業に危険が伴いました。真っ暗闇の中での救出で、見えるのは自分の手くらいの範囲だけ。そして突き出している岩はとても鋭いため、ダイビングはかなり危険でした。さらには通れるのは、ものすごく小さく細かった空間のみでした
少年らとコーチは発見されるまでの9日間、洞窟の壁を流れる水だけを飲んで過ごしていました。全員が救出された瞬間は、全世界が胸をなでおろしたでことしょう。
何よりも救出された少年たちとコーチの強い気持ちと、救出に携わったみなさんの勇気のおかげで成功した今回の救出劇。また、救出作戦に参加し、亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。
Image: Linh Pham/Getty Images News/ゲッティ イメージズ
Source: AFP, BBC, CNN
Melanie Ehrenkranz - Gizmodo US[原文]
(岩田リョウコ)