契約結婚しようぜ

このブログは先週アップした下記ブログの続編であり完結編です

ui0723.hatenablog.com

 

東京渋谷。

契約結婚の条件を交渉するために、昔よくデートした渋谷で彼女と会いました。

源泉徴収票など彼女に指定された荷物を持参して。 

 

約束の10分間に店に到着したにも関わらず彼女はすでに待っていました。

ミスチルが流れるイヤホンを外し「ひさひぶり」と簡単な挨拶を交わします。顔のわりに小さな胸や、少し鼻にかかる声も記憶の中の彼女はそのままでした。

 

話すのは2年前の友人の結婚式以来なので感動の再会という雰囲気はなく、そこに流れる空気はもはや商談の緊張感です。

当然です。これは楽しい恋愛のスタートではなく、契約を締結させるための交渉のテーブルなのです。

 

 

ただ、僕は

(なにこれ、めっちゃ居心地いいじゃん) 

と感じていました。

 

 

約3年という短い期間ですが貴重な若い時間を共有した相手。

お金は無かったけど、膨大な価値観と感情を共有した相手。

今はもう残ってないけど、たくさんの写真を画像フォルダに保存した相手。

 

いったんは別の道を歩くことを決意し、お互いが様々な経験体験をし、もちろん恋愛もして、30代になり、大人になっての再会。

 

仕事や家族のことなど近状報告している際も、心地よいキャッチボールをしているようなリズム感がそこにありました。

元々会話のテンポの相性は良かったのですが、約10年でさらにボールの投げ方は上手になった気がします。

もう二度と交わることは無いと思っていた二本の平行線が、実はほんのちょっと傾き、接触しました。

 

別れ方って大事なんだなと感じます。

ちゃんと話し合って感謝とお別れをハッキリと伝えた相手とは、こうやってもう一度出会うことができるのです。

 

恋愛感情はないけど合致した利害関係。

これから契約結婚という新しい形の恋愛を歩むために再び交わった線をどんな距離で、どんな太さで引いていくのか話し合いが始まります。

15時。明るい店内、もちろんアルコールは抜きです。 

 

契約前にブライダルチェックを受けて結果を開示すること

契約が締結されたらすぐに籍を入れること

指輪、式は不要であること

生活費以外の財布は別になること

親及び共通の友人への告知は行うが、それぞれの友人への告知は各々が決定権を持つこと

病気になった際のフォロー体制

契約は1年更新であること

そして契約内容を変更及び解除するための諸条件

 

15以上の正直多いか少ないかも分からない契約内容を確認し、合意できないものを交渉していきます。

二人とも別々のPCを開き、別姓に関する法律や実情、過去の契約結婚の事例も同時進行で調査します。

その場で結論が出ないものもたくさんありましたが、何かしらの着地点は見つけられる見込みでした。 そう信じていました。

 

しかし、契約は締結なりませんでした。

1つだけ。どうしても1つだけお互いが合意できなかった条件があったのです。

   

子供です。 

彼女の希望は入籍と同時に子作りがしたいとう希望がありました。そしてそれが絶対条件でした。

子供がなかなかできなかった場合の不妊に関する費用等の契約内容も考えてありました。契約解除の際は彼女が親権を得ることや、他にも子供への影響を考慮したものがたくさんありました。

 

僕の意見はそれは早すぎる。

せめて1年目は契約結婚を運用し、子供は早くても2年目からという条件です。

 

この1年が埋まりませんでした。どうしても埋まりませんでした。

からしたらたった1年が彼女からしたら非常に大きな1年だったのです。

契約結婚という結ばれ方には合意できましたが、求めるものが合いませんでした。

彼女は子供と父親を、僕は生涯のフォロワーを求めていました。

 

子供は好きです(正直に言えば、あまり好きではありませんでしたが好きになってきました)し、いつかはほしいと思いますが踏み切れませんでした。

子供を育てている人からしたら様々な意見があり、はじめは自信なんかみんな無いんでしょうけど、どうしても覚悟が足りませんでした。

証拠に彼女からの「その運転期間には何の意味があるの?」の問いに対する答えは「契約結婚はすぐにでも踏み切れるけど、親になる覚悟は今は持ち合わせていない」しか答えがありませんでした。

 

あっけない幕切れ。 

  

お互いに3杯の飲み物をおかわりし、途中で店を変え、5時間以上話し合いました。

全力でぶつかり合いましたが最終的には別々の道を歩くことにしました。

 

「この後どうするの?どっかに飲みに行く?」

喉元まで出かかった無責任な言葉を必死に飲み込みます。

彼女からの提案で、途中コンビニで缶ビールを買い、再会にだけ乾杯をし、飲みながら駅へと向かいます。

 

僕は品川方面へ。彼女は目白方面へ。

一度交わった二本の線は山手線で正反対の方向へと向かいました。

「気が変わったらすぐに連絡してね。今日会って確信した。私たちなら絶対にうまくいくから」

彼女のセリフを思い出しながら(このまま乗ってたら山手線はまた交わるんだよな)と意味のないことを考えます。

 

ロマンスの神様、もうちょっと面倒見てもらっていいですかね。出会い、セッティングしてもらってもいいですか?さすがにもうだめですか?そうですか。そうですよね。わかりました。OK。では、世の中を変えるしかない。

 

ここで心の底から言いたいことがあります。

契約結婚とか、事実婚とか、様々な結婚の形をもっとみんなで普及しませんか?

ということです。

愛し愛される関係が結ばれるのが1番であり普通。それ以外は異形。

そんな風潮を壊したいと思います。

今だって「コンパで出会いました」とか「SNSで出会いました」に対して後ろめたさを感じる人多いじゃないですか。もうそんな世の中を変えてなくちゃいかなくてはいけないと思うんです。

働き方や出会い方などがどんどん多様化してしている世の中で、結婚だけがほとんど変わっていないように感じます。

離婚する夫婦は年間で23万組です。人数にして46万人。超満員の東京ドーム10杯分です。3組に1組が離婚しています。もう現代の結婚というシステムは不具合を起こしている証拠です。

 

世界でたった一人の運命の人。

一生に一度の結婚。

離婚は悪。

もはやそんなもんは幻想です。

 

普通に働いて普通に恋愛していれば普通に結婚できる世の中なんてとっくの昔に終わっていたのです。だったら普通という概念を変えるしかないんです。

 

彼女には契約結婚について締結されてもされなくても世の中に発信したいという意思がありました。もし取材があれば二人で受けたい。それは契約結婚という形をもっと世の中に認知してもらうためだと。 大賛成です。だからこのブログも書いています。

  

恋愛結婚、お見合い結婚、契約結婚事実婚週末婚同性結婚、 SNSでの出会い、コンパでの出会い、マッチングアプリでの出会い。すべてを普通にすることは今すぐは難しいかもしれませんが、僕は今回の一件で「契約結婚」という選択肢を得て世界が広がりました。

 

35歳独身、恋愛結婚不適合者。

今後、結婚することがあればそれがSNSの出会いであろうが契約結婚であろうが大々的に発信しようと思います。

 

みんな、契約結婚しようぜ。

コンパでの出会いや、マッチングアプリでの出会いを声を大にして言おうぜ。

まずはそこからだと思います。

 

 

ありがとうございました

 

お知らせ

この度、3冊目の書籍を発売します。

 まえがきを無料公開しています

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きっとここまで読んでいただいたあなたと僕は、気が合う。一か月だけでもどうぞ。

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ありがとうございました。

おしまい