借りてみたらこうだった!

大型ライトバーが鮮やかに光る、CORSAIRのRGB LEDメモリ「VENGEANCE RGB PRO」をテスト

DDR4-3200 8GB×4枚セットで発光パターンもチェック text by 坂本はじめ

 CORSAIRよりRGBイルミネーション機能を搭載するDDR4メモリ「VENGEANCE RGB PRO」が発売された。ライトバーが大型化され、より細かい発光/発色の設定が可能な同社製RGB LED搭載DDR4メモリの上位モデルだ。

 今回はその「VENGEANCE RGB PRO」シリーズのなかから、DDR4-3200対応32GBメモリキット「CMW32GX4M4C3200C16」のレビューをお届けする。

10個の高輝度LEDを搭載するDDR4メモリ「VENGEANCE RGB PRO」

 CORSAIRのVENGEANCE RGB PROは、RGBイルミネーション機能を搭載したCORSAIRのDDR4メモリ。メモリモジュールには、黒色または白色のアルミニウム製ヒートスプレッダと10個の高輝度RGB LEDを搭載している。

 メモリスロットに挿すだけでLEDの制御が可能なケーブルレス制御を実現しており、CORSAIR独自のユーティリティソフト「iCUE」で発光色や発光パターンを変更可能。他社のLEDイルミネーション制御機能も利用可能で、記事執筆時点では、「MSI Mystic Light Sync」と「Gigabyte RGB Fusion」への対応がうたわれていた。

VENGEANCE RGB PRO。写真は黒色のヒートスプレッダを搭載したモデル。このほか白色ヒートスプレッダ搭載モデルもラインナップされている。
メモリ上部に10個の高輝度RGB LEDを搭載しており、鮮やかで滑らかに変化するイルミネーションを実現する。
CORSAIR iCUE。iCUE対応製品のイルミネーション機能やファン制御などを一括コントロールが可能で、複数のiCUE対応製品のLEDイルミネーションを同期させることもできる。
VENGEANCE RGB PROのLEDは、MSI Mystic Light SyncとGigabyte RGB Fusionからもコントロールできる。マザーボードのイルミネーション機能と同期させる場合はこちらを利用する。

 今回レビューする「CMW32GX4M4C3200C16」は、DDR4-3200動作に対応する8GBメモリを4枚セットにした32GBメモリキットで、XMP 2.0に対応するオーバークロックメモリだ。

 メモリタイミングは16-18-18-36で、動作電圧は1.35V。対応チップセットはIntel 100/200/300シリーズ・チップセット、およびIntel X99/X299 チップセット。なお、Intelのメインストリーム向けチップセットでは、「Z370」などのZ系チップセット以外ではメモリのオーバークロックが制限されているので注意したい。

CORSAIR CMW32GX4M4C3200C16。DDR4-3200動作対応の8GBメモリを4枚セット。ヒートスプレッダのカラーは黒。

 なお、CMW32GX4M4C3200C16はIntelプラットフォーム向けの製品だが、VENGEANCE RGB PROには、AMDプラットフォームでの動作に対応したモデルも用意されている。Ryzen搭載PCなどで利用する場合は、AMD対応モデルを選択すると良いだろう。

使用するマザーのメモリスロット位置に合わせたイルミネーション設定もできる「iCUE」

 VENGEANCE RGB PROのイルミネーション機能を制御するCORSAIR iCUEでは、他のiCUE対応製品との同期発光や、マザーボードのメモリスロットのレイアウトに応じた高度な発光制御に対応している。

 また、iCUEではLEDイルミネーション設定を含む「プロファイル」を複数記録できる他、指定したアプリケーションが起動した際、自動的にプロファイルを切り替える機能を備えている。これを利用すれば、アプリケーション毎にLEDの発光パターンを変更することもできる。

iCUEでは、メモリスロットのレイアウトを設定することで、スロット配置に応じたLED制御を実現する。スロットの順番の入れ替えやメモリの上下方向の変更も可能。
「事前定義」から11種類の基本発光パターンが設定できる他、「照明リンク」から設定すれば、他のiCUE対応機器のイルミネーション機能と同期させることができる。
「プロファイルをプラグラムにリンク」を設定することで、指定したアプリケーション起動時に自動的にプロファイルを切り替えることができる。
LEDの輝度はデバイス設定の「ブライトネス」で変更する。
iCUEではLEDの制御以外にも、VENGEANCE RGB PROの温度モニタリングも行える。

 実際に発行させた際の様子をいくつか動画で撮影したので紹介しておこう。

 色がグラデーション変化するレインボーウェーブ(縦/横)、設定した順に光りが移動していくように発光するカラーウェーブ、全体の色が連動して変わっていくカラーシフトと4パターンを撮影した。

 また、同社のiCUE対応製品と組み合わせた際は完璧な連動が可能だ。水冷クーラーのヘッドと連動させた際の様子も撮影したので、本製品の光り方を確認したいユーザーは参考にして欲しい。

【VENGEANCE RGB PROを発行させた際の様子】

メモリの速度を引き出すならXMPの設定を、DDR4-3200動作時は性能も大きく向上

 CMW32GX4M4C3200C16には、XMP 2.0 準拠のDDR4-3200プロファイルの他に、スタンダードなSPD準拠のDDR4-2133プロファイルが記録されており、特に設定を行わなければDDR4-2133プロファイルで起動する。

 これをスペック通りDDR4-3200で動作させるためには、UEFI上で適切なメモリ設定を行う必要があるが、マザーボードがXMPに対応していればプロファイルを読み込むだけで設定できる。

何も設定を行わなければ、CMW32GX4M4C3200C16はSPD情報に基づいてDDR4-2133で動作する。
UEFI上でXMPを読み込むことで、DDR4-3200で動作するようになる。

 Intel Core i7-8700Kを搭載したZ370環境では、メモリクロックをDDR4-2133からDDR4-3200に引き上げることで、メモリ帯域が24.89GB/secから35.15GB/secへと向上した。レイテンシも22.3nsecから18.1nsecに短縮しており、メモリアクセス性能が確実に向上していることが分かる。

SiSoftware Sandra Titanium 28.18「メモリーの帯域」
SiSoftware Sandra Titanium 28.18「メモリーのレイテンシ」

美しく滑らかなLEDイルミネーションが魅力のオーバークロックメモリ

 CORSAIR VENGEANCE RGB PROは、美しく滑らかに発光するLEDイルミネーション機能を備えたオーバークロックメモリだ。

 高度なLEDイルミネーション制御を実現するiCUEも大きな魅力だ。単体でも十分に美しいイルミネーション機能を持つCORSAIR VENGEANCE RGB PROだが、CORSAIR製の冷却ファンやPCケースと組み合わせることで、各パーツが連携して発光するPCを作ることができる。

 CORSAIRは多数のイルミネーション対応機器をラインナップしているので、発光パターンなども含め、統一感のある“せるPC”を構築する際には有力な選択肢になるだろう。

[制作協力:CORSAIR]