魔法びんのサーモスが作った「真空イヤホン」、遮音性がスゴかった! #ポタフェス

  • 61,530

  • author 西谷茂リチャード
  • X
  • Facebook
  • LINE
  • はてな
  • クリップボードにコピー
  • ×
魔法びんのサーモスが作った「真空イヤホン」、遮音性がスゴかった! #ポタフェス
Photo: 西谷茂リチャード

「なにもない」ことに感動する30分でした。

本日7月14日から15日まで開催されている「世界中のイヤホン・ヘッドホンなどを試聴できるイベント」ことポタフェス。そこで魔法びんメーカーのサーモスが「VECLOS(ヴェクロス)」というブランドで新作イヤホン・ヘッドホンを展示していたので、試してきましたよ。真空すごかったです。

イヤホンに真空をもたらす意味って?

真空といえば、まず宇宙を思い浮かべますよね。そして宇宙が舞台のSF映画に対する「真空なんだから音が聞こえるわけないじゃん」というツッコミ。そうなんです。音が伝わらないという特徴が、今回はとっても大事になってきます。

VECLOSの「真空イヤホン」は、筐体の中が真空になっているんです。で、試着してみてすぐ分かりました。「遮音性すげぇ!」。耳に入ってくる環境音がかなり抑えられているんです。カナル型のイヤホンということもあって、もしかしたらスポンジ製の耳栓よりすごいかも知れません。とにかく異様にノイズがシャットアウトされてるんです。

そのおかげか、音量を上げすぎずともちゃんと曲が聞こえてくるので、これは耳に優しいイヤホンだなって思いました。

真空のパワーにサイズは関係ない!

VECLOSの方が新製品を説明してくれている時、ものすごく印象に残った言葉がありました。それは「真空が力を発揮するのに1mも1mmも変わらない」という名言。もう鳥肌です。たしかに、真空は音を伝える物質が一切ないわけですから、それが1mでも1mmでも効果は変わらない。1mmもあれば100%力を発揮できるわけです。まるでヒーローのようなセリフ。カッコよすぎます。

zIMG_1200
Photo: 西谷茂リチャード
前に持っているのは切断された筐体です

でもこの効果がしっかりと感じられたのは、意外にもヘッドホンではなくイヤホンでした。それもそのはず。このヘッドホンは音を良くするための空気穴があるのです。

ではイヤホンはどうなのかと言うと、大きい振動板を必要としないバランスド・アーマチュア(BA)を使用しているので空気穴は無しです。カナル型で耳にしっかりフィットし、真空が環境音に対するバリアを果たします。

個人的には遮音性の方が大事に感じられました。もしVECLOSのイヤホン・ヘッドホンを買うのなら、僕は断然イヤホンがオススメです。

イヤホンは4種類

zIMG_7056
Photo: 西谷茂リチャード
チタンモデル

VECLOS初のイヤホンは4機種の展開。BAが1機・2機かと、筐体がステンレスかチタンかの組み合わせです。ただ留意して欲しいのは、チタンモデルは上位クラスのケーブルが使われている点。

zIMG_0401
Photo: 西谷茂リチャード
筐体の部分は外れるので、リケーブルできます。左がステンレスで、右がチタンです。

まず全体の特徴として、「音が細やか」というのがあります。真空が音漏れを防止するので、BAが出す音が筐体の振動になることなくまるっと耳に届くのだそう。本来はこうした「箱鳴り」を防止するためには重い・大きい筐体が必要だったのですが、VECLOSは真空で乗り越えているんです。

zIMG_0845
Photo: 西谷茂リチャード
ステンレスモデル

4機種はそれぞれ音が違います。まずBAが2機のモデルの方が高音の出方が大きくて、そしてチタンの方が音が細やかです。どのイヤホンがいいのかというのも完全に好みの問題だと思うのですが、僕のお気に入りはステンレス製のBA2機モデルです。ただ高音がちょっと出すぎな感じもしたので、ここはイコライザーで下げながらといった使い方をすると思います。

市販開始はちょっと先

イヤホンの4機種はそれぞれ5個、全体で20個ポタフェスにて先行販売されています。

VECLOSのイヤホンのお値段は、ステンレスでBA1機のモデルが3万1000円、2機のモデルが4万1000(税抜)。チタンでBA1機のモデルが3万4000円、2機のモデルが4万2000円となっています。市販開始は8月31日の予定。

サーモスが「真空技術の会社」になりつつありますね!(ほかの横展開も考えているみたい)。


Photo: 西谷茂リチャード
Source: VECLOS
(西谷茂リチャード)