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なぜ大きな物音を聞くと反射的に目を閉じてしまうのか?


人や動物は近くで大きな物音を聞くと、とっさに目を閉じてしまうものです。これは意識的に行われるものではなく、無意識に取ってしまう行動とのことで、メルボルン大学で神経科学の教授を務めるジョン・ファーネス氏がこの反射的な行動について解説しています。

Curious Kids: Why do you blink when there is a sudden loud noise close by?
https://theconversation.com/curious-kids-why-do-you-blink-when-there-is-a-sudden-loud-noise-close-by-99437

突然大きな音を聞いて、反射的に目をつぶる行動は瞬目反射と呼ばれており、目や耳で物事を確認してから約0.01秒で実行されます。瞬目反射は脳が認識する前に反応して行動するため、意識的ではなく、無意識に目を閉じる行動を行います。

目は情報を得るためにも非常に重要な役割を果たしており、ケガをすると簡単に修復することはできないデリケートなもの。このため、人や動物は近くで大きな物音がすると、とっさに「生きるために重要な目に向かって何か飛んでくるかもしれない」という危険性から、目を保護するための行動を取るようになったと考えられています。瞬目反射は、大きな音だけでなく、突然強い光を目に受けたときや、目に何かが飛び込んでくるときなどでも、目を防御するために起こります。


瞬目反射が行われるメカニズムは、「実際に目や耳で何かを確認してから、目をつぶる行動」とは異なり、行動を起こすまでのステップ数が明らかに短いことが特徴です。通常であれば、「目に危険が迫っている」という情報を入手すると、この情報が脳幹を通って大脳皮質に伝達されます。そして、脳で情報が処理された後、「目をつぶる」という指令を脳幹を経由して目に伝達し、目を閉じるための行動が行われます。このように意識的に物事を行うには数多くのステップをこなす必要があり、ステップ数が多ければ多いほど時間もかかってしまうため、瞬間的な対応は困難になります。

そこで、瞬目反射では、この脳で処理をするというステップをスキップし、脳幹が情報を受けると即座に「目をつぶる」という指令を目に送ります。つまり、「目から情報入手」「脳幹が情報を確認」「実行」の3ステップだけで目を閉じることが可能となるため、約0.01秒という短時間で目を保護するための行動が取れるようになるというわけです。

瞬目反射以外にも無意識に行われる反射行動は数多くあり、熱い物に触れたらすぐに手を引っ込めたり、急に誰かに押された時に倒れないように踏ん張ったり、体のさまざまな部分でも反射的な行動を行います。また、突然目に向かって何かがやって来たら、目を閉じるだけでなく、避けようとする動作や手で目を覆うこともあり、さまざまな反射行動を使って人や動物は、危険から身を守っています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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