映画

ディズニー初のVRショートムービー「Cycles」が間もなく登場


ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオが、2018年8月12日からスタートするSIGGRAPH 2018にてディズニー初のVRショートムービー「Cycles」を上映することを発表しました。

Disney Animation to premiere first VR short at SIGGRAPH 2018 | EurekAlert! Science News
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-07/afcm-dat071918.php

Disney to debut its first VR short next month | TechCrunch
https://techcrunch.com/2018/07/19/disney-to-debut-its-first-vr-short-next-month/

「Cycles」は、ディズニーで「アナと雪の女王」や「ズートピア」、「モアナと伝説の海」などのアニメーターとして活躍してきたJeff Gipson氏が初めて監督を務める実験的な作品で、「家を作る真の意味」と「家の中での生活」を描くものだそうです。Gipson氏が祖父母と暮らしていた幼少期の思い出がアイデアとなっています。

「すべての家にはそこに住む人と、それぞれ固有の物語とがあります。私たちは一つの場所で物語を作り、その周りでさまざまな人生が巻き起こることを目撃できるようなものにしたいと考えていました。Cyclesは感情的に突き動かされるような映画であり、人生の幸せと悲しみの瞬間を表現しています」とGipson氏は語っています。


なお、「Cycles」は50名が約4カ月で制作した映像とのこと。VRムービーの制作にあたっては「物語をどのようにVRスクリーン上に変換するか」を考える必要があり、物語をあらかじめ視覚化することが一つの課題となったそうです。制作チームは伝統的なストーリーボードではなく、QuillのVRペインティング技術とモーションキャプチャを組み合わせることで3D空間にストーリーボードを作成しました。また、制作の早い段階でペインターやアーティストを組み込み、彫刻や3Dモデルを作成することで、VR空間のシーンを描いたそうです。映画ではユーザーの目線を誘導するための工夫が施されており、「シーンにおける光と彩度の使い方を革新した」とのこと。

Gipson氏は「VRという新しい媒体で物語をどうやって伝えるかを理解しようとしている最中です。VRでは映像のあらゆる箇所を見ることができ、映像の世界に入り込んでさまざまな角度から体験することができます」と、VR映画という新しい試みに対する印象を語っています。また、「VRは驚くべき技術で、これが本当に素晴らしいものであると実感できる瞬間は多々あります。我々は多くの人がVR映画の感情的な豊かさを体験することを願っており、特に、私たちの映画で伝えることを目指した感情が感じ取ってもらえることを願っています」と語っています。


なお、ディズニーは映画「リメンバー・ミー」のVRトレーラーを公開しており、Washington Postのインタビューの中でピクサーの幹部がVR向けに映像を提供することで「VRの可能性を模索している」と語っています。

今回公開される「Cycles」はあくまでショートムービーであり、映画の主流からはほど遠いものと思われますが、ディズニーやピクサーといった大手映画スタジオが「VR映画」という領域で実験を続けていることのあらわれであり、海外メディアのTechCrunchは「VR映画という未来が実現に向けて近づいてきているのかもしれない」と記しています。

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in 映画, Posted by logu_ii

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