家庭で調理した食べ物を室温のまま置いておく場合、食べても大丈夫なのは2時間、ちょっと頑張ってもせいぜい4時間程度だと言われています。それ以上の時間が経つと、チキンサラダのお皿はバクテリアのお祭り騒ぎ状態になります。ですが、32℃の炎天下でピクニックに持参する場合、食べ物が傷むまでの時間ははるかに短くなります。
炎天下で食中毒を防ぐには?
うだるような暑さの中では、食べても大丈夫なのはせいぜい1時間が良いところ。つまり、フルーツサラダはディナーの時間までクーラーボックスに入れておく必要がありますし、焼きあがったばかりのバーベキューの食材も、いつまでもピクニックテーブルの上に置いておくべきではないのです。
室内での安全ルールは通用しないと思え
食品安全問題が専門のBen Chapman博士は、さまざまな食品の調理1時間後の状態を数値化しました。博士は1時間なら十分安全だろうと予想していました。ところがサルモネラ菌は、33℃の環境の場合、1時間と少しの間にゆうに10倍に増えることがわかりました。黄色ブドウ球菌という別の食中毒を引き起こす細菌の場合は、サルモネラ菌よりはほんの少しだけ時間がかかるものの、1時間半から2時間程で10倍に増殖します。いずれにしても、室内環境と同じ2時間ルールを使っていると、食中毒を起こす可能性が高いと言えます。
暑い日の野外料理で出される食品の微生物がどうなるかを見るために、@bugcounterに教わって、Combaseにアクセスしてみた。それによると、サルモネラ菌は摂氏32度(華氏90度)のとき、1時間かそこらで10倍になるようだ(室温状態のポテトサラダのようなものを考えてみよう)。 pic.twitter.com/Mlk11T9upX
— Ben Chapman (@benjaminchapman) 2018年5月23日
暑さで傷みやすい食材
まず第一に、暑さで傷みやすい食材は何かを知ることが重要です。先にネタを明かしておくと、実はほとんどの食材がそれに当てはまります。
- 加熱した野菜
- 火を通した穀物料理(炊飯したお米など)
- 肉
- メロンなどの酸度の低いフルーツ
テーブルの上にしばらく置いておくなら、その間ずっと冷やしておく(英文記事)必要があります。
暑さで傷みにくい食材
ピクニックに持っていくような食材で、一般に安全性が高いと考えられているものは、
- パンなどの乾いたもの
- サルサソース・ピクルスといった酸味の強い薬味
ただし、それらの食材も酸味のない食べ物の上に乗せた場合、例えばビネガードレッシングをパスタサラダにかけた場合などは、すぐにすべてが帳消しになります。
ビネガーはバクテリアの繁殖を若干抑えられるかもしれませんが、いちかばちか食べてみるだけの価値があるとは言えません。
ピクニックでの食中毒事故を防ぐために
Chapman氏は、以下のことを勧めています。
- 食べ物を直射日光に晒さない:直射日光に当たると、温度の上昇がさらに速くなります(バクテリアはヒトの体温に近い35℃前後でもっとも繁殖スピードが速くなります)。
- 事前に計画を立てておく:肉をグリルから取り出してもすぐに食べない場合は、(裏庭でのバーベキューなら)室内に移しておくか、クーラーボックスに入れておきましょう。経過時間には常に注意しておいてください。
- 汚い手を洗う:(Chapman氏ではなくて筆者の表現です)食中毒を引き起こすバクテリアの多くは、私たちの手で運ばれてきます。(黄色ブドウ球菌のように)ヒトの皮膚に常在するものもあれば、(ハンバーガーの生肉に付着している可能性がある大腸菌のように)ほかの食べ物由来のものもあります。
いつものバーベキューの手順が狂うかもしれません。ほんの少し前に準備をしておけば、どれも難しくはありません。
自宅を離れてバーベキューをする場合は、手洗いができる場所の近くにピクニックの場所を予約し、食材を運んだり食べ残しを持ち帰ったりするためのクーラーボックスと大量の氷を準備しましょう。
食中毒にならずに家路につく頃には、準備していて良かったと思うはずです。
Image: Image: Bryn Lennon (Gettyimages)
Beth Skwarecki - Lifehacker US[原文]